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池田京平Pが明かす、小山慶一郎の優れた人間力「愛をいつも全力で表現されていた」 <高杉さん家のおべんとう>

  • 2024.11.27
「高杉さん家のおべんとう」9話より (C)柳原望/KADOKAWA (C)中京テレビ
「高杉さん家のおべんとう」9話より (C)柳原望/KADOKAWA (C)中京テレビ

【写真】小山慶一郎“ハル”と、平澤宏々路“久留里”のほのぼのシーン

小山慶一郎が主演を務める「高杉さん家のおべんとう」(毎週水曜深夜0:29-0:54、中京テレビ・日本テレビ系※TVerでも配信)。本作は、2014年度日本地理学賞(社会貢献部門)を受賞し、累計発行部数156万部を超える同名漫画(著者・柳原望)の実写ドラマである。

このたび、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める池田京平氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。

ハルのキャラ作りに苦労した一面

――完成した映像を見た、率直な感想をお聞かせください

二宮監督をはじめ、スタッフの皆さんのおかげで、とても温かい作品になりました。SNSの反響を見ると、原作のファンの方にも喜んでもらえていてうれしい限りです。昨今の深夜ドラマにしては“ほっこり”しすぎて「差別化できたのでは?」と思っています。

――「高杉さん家のおべんとう」を制作されたきっかけと理由を教えてください

この原作が好きだからです。登場人物が皆ちょっと生きるのが不器用で、でもそんな人たちがまっすぐ生きる姿を見て、自分がちょっとだけ幸せになったように、その気持ちを多くの人に知ってもらいたい!と思って制作しました。

――原作を実写ドラマ化するにあたり、大変だったこと、苦労したことがあれば教えてください

小山さんをハルっぽく、ダサくするのに苦労しました(笑)。小山さんにお会いすると、ご本人はオーラがあって、ちょっとした所作でも魅力的な人なので、その小山さんとハルのいいところをMIXした小山さんならではのハルを作るのが、クランクインの初日の課題でした。監督と小山さんが丁寧にお芝居を組み立てて、原作ファンの方にも愛されるハルが生まれたと思っています。

小山は「愛をいつも全力で表現」

――初主演を務める小山さんの起用理由を教えてください

ルックスが主人公と似ているところと、インテリのイメージ、後は別作品のドラマに出ているのを見て、コメディのお芝居が面白いと思ったからです。それと、ちょっと失礼かもしれませんが、いい意味でこのドラマのキーワード“全力空回り男”というイメージがピッタリきたからです。

――座長である小山さんは撮影現場ではどういった印象でしょうか?

コンサートのツアーと並行して、誰よりも疲れているはずが、スタッフ全員に気を遣ってくれて、笑わせてくれて、雰囲気を作ってくれて…何よりもこの作品をよくしたい!という愛をいつも全力で表現されていて、とても素敵な座長でした。小山さんのおかげでチームが結束しました。

――平澤宏々路さんの演技も17歳ながらに大人びていて、とても魅力的です。起用理由を教えてください

二宮監督の強い推薦です。以前ワークショップでご一緒した際、平澤さんの芝居力にびっくりしたそうで、僕も演技を見た時に驚きました。1話放送後、Xのトレンドワードに「くるりちゃん」が上がったことを見ても、とても魅力的にこのドラマを引っ張っていただきました。

平澤が涙するシーンの裏側

――心が温まるようなシーンが多いですが、現場でのお二人の様子や、全体の雰囲気はいかがですか?

どんどん二人の信頼関係が生まれてくるのがとても神々しかったです。原作のハルと久留里ちゃん同様、最初は気を遣っていた二人が、最後は家族のような存在になって、クランクアップでの二人の涙はとても印象的でした。

――撮影中の印象的なエピソードはありますか?

平澤さんが1話で涙するシーンで「涙は左目から出しますか?右目から出しますか?」と監督に聞いているのを見て、小山さんもびっくりしていましたが、それを実際にやってのける彼女の芝居力はものすごいです。

後は、初座長に緊張気味の小山さんに、初日に「ここにいる人は皆小山さんの味方です」って言った監督の言葉はまさにその通りで、その一言でチームの結束力が高まりました。

本作ならではの魅力は「信じたいって思わせてくれる物語」

――池田P特にお気に入りのシーン(せりふでも可)はありますか?また、視聴者が喜びそうな裏話があれば教えてください

4話の東京にて、久留里がハルの袖を引いて「(名古屋の家に)帰ろ」って言うシーンは正直PVで泣きそうになりました。そのくらい大好きなシーンです。SNSでの反響もすごかったですが、とにかく平澤さん演じる久留里の健気さが視聴者にも届いた瞬間かと。

裏話でいうと、1話でハルが部屋で慌てているときに、天井からぶら下がっている電灯のヒモに頭をぶつけるシーンがあるのですが、これはリハーサルでたまたまぶつけた小山さんのかっこ悪さを見て、監督が「本番でもぶつけてください」って言ったんです。細かい部分ですがこれも好きで、おそらく小山さんがその後ハルを演じるヒントになったような気がします。

――「高杉さん家のおべんとう」だからこそと胸を張れる、すてきなポイントや作品としての強みがあれば教えてください

今の社会で自分を上手に表現できたり、思いを言語化して意思を伝えられたり、それを行動に移すことって、とても難しい!と思う人もいるし、生きているとそういう悩みにぶつかってしまう瞬間が結構あったりすると思います。

でもこの二人のように、伝えたいって思いに誠実であれば、それがいつか叶うこともあり、叶わなくても「自分が納得いく幸せな結末があるかもしれない」ってことを信じたいって思わせてくれる物語が、この作品のすてきなところです。

それが映像になって、全国の皆さんにより身近に届いてくれたのなら、うれしい限りです。

“家族”の定義に注目

――最終回に向けての見どころと、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします

物語は“家族”の定義について、どんどん濃くなっていきます。地理学をヒントに皆さんも「なぜ今、自分がその土地に住んでいるのか?」そこから見える「家族とは何か?」を考えるきっかけになればいいなと。

また、9話、10話ともにまだまだどっぷりコメディになります。最終回まで小山さんのコメディ芝居ぶりが最高ですし、平澤さんの芝居の迫力も加速していきます。初座長と初ヒロインとは思えない、振り切ったお二人のお芝居、ぜひお見逃しなく。

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