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30歳になって友人らと疎遠になってしまった理由。10代を振り返って考える友情との向き合い方とは

  • 2024.11.26
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ティーンエイジャーだった頃のことをほとんど覚えていないけれど、多くの時間を“遊んで”過ごしていたことは覚えている。公園で明らかに身体に悪い蛍光色のジュースを回し飲みし、MP3プレーヤーに差した壊れかけのイヤホンを片耳ずつ共有して音楽を聴いた。町の端から端までふらついて、友達の家のドアをノックする。何をしているかはほとんどどうでもよく、誰と時間を過ごすかが重要だった。あの頃は「どこか行こうよ」と、家の前まで迎えにきてくれる友人がいつも近くにいて、結局いつもあてもなくブラブラして時間をつぶした。

20代になると“遊ぶ”の意味が変わり始めた。ウイスキーとコーラを買い込んでから紫色のライトの下で踊り、クラブのトイレでメイクを直しながらゴシップに盛り上がる。その後は、クィアバーの向かいにあるケバブ屋にふらふらと入り、友人の顔についた口紅の跡をナプキンで拭う。恋人候補たちとのトークチャットを見せ、「私に気があると思う?」「どう返信すればいい?」「数日待つべきかな?」などと言い合う。友情は相変わらず激しくときに馬鹿らしく、けれど10代の頃とは異なり夜遊びや冒険という“目的”があった。

そしてここ数年、私は徐々に起こりつつある確実な変化に気づいている。30歳を迎え、昔のようにパーティーに繰り出すこともなくなった。二日酔いの辛さも違う。仕事も忙しくなり、ますます1人で考える時間や静けさが必要だ。友人らとの時間は、誕生日ディナーランチ、仕事の合間のコーヒー、ライブ、読書会など、特定のイベントを中心に短時間で済ませることが多くなった。23時前にはそれぞれの家に帰宅し、次に会うまで別々の生活を送る。もちろん友人たちを愛しているし、今の交友関係を気に入っている。一方でそこに、“家族”のような親密さを感じることは少ない。社交に注ぐエネルギーは大幅に減少し、もう元には戻らないと思う。

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なぜ20代後半〜30代前半になると交友関係に変化が起き、新たに真の友情を築くことが難しくなるのだろうか。その理由はさまざまだが、研究の1つによると20代半ばまでは定期的に新しい友人ができるものの、25歳を過ぎるとその輪が急速に狭まっていく。そして残念ながら、輪の縮小は生活の優先順位が変わるにつれて、死ぬまで続くという。

真剣な恋愛を見つける、子どもができる、別の場所に移住する……そんな変化が続くことで、無計画な予定を立てることもできなければ、定期的に会うことさえ難しくなる。学生時代のように不特定多数の人と日々顔を合わせることはない。デートのように明確な計画を立て、約束を守り続けることでしか友情は築けないのだ。

実際、パートナーがいる友人はそれほど多くないし、子どもがいる友達はいない。社会生活が送れないほど多忙な友人も少ない。それでも、さまざまな優先順位や嗜好の変化は起きてくる。ある友人は何年も節約を続け、ロンドンから離れた海辺に家を買ったばかり。もう一人は、5,000キロ以上離れた人と遠距離恋愛中で、ほとんどここにいない。ほかには、カリフォルニアか南米かブリストルに引っ越したい友人もいる。もちろん私の人生も進んでいて、来年には結婚する。いつかは子どもが生まれるかもしれないし、何十年も住み続けたこの街から引っ越すかもしれない。

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ときどき、パートナーの存在が10代の頃の友人を彷彿とさせる。おそらくそれだけ多くの時間を一緒に過ごしているからだろう。涙が出るまで笑い、私たちだけの共通言語があり、手足を重ねあって流れる時間をともにする。このような経験を再び友人とすることがあるだろうか……。喧嘩をし、服を交換し、最もおかしくて動揺しているあなたを抱きしめてくれる。専用のパジャマを部屋に置き合うような友人だ。そんな関係性を築くことはもうないかもしれないと思う。一定の年齢を過ぎると、誰もそうしなくなるのかもしれないし、あるいは年齢の問題ではなく交際関係が影響を与えているのかもしれない。以前は親友にしか見せなかったような一面を、今はパートナーに見せているのだ。

だからといって、友人と思い出を全く作らないわけではない。先日、ある友人とベトナム料理屋に行った際は、あまりの楽しさにめまいがしたほどだった。親しい友人たちとのグループチャットは、私の純粋な心を浮き立たせてくれるし、ボイスメッセージのやり取りほど幸せなものはない。同時に、真の友情を築くために、常にお互いの暮らしに首を突っ込む必要はないということもわかってきた。2カ月に1度くらいの頻度で近況を報告し合い、次に会うまでそれぞれの人生を充実させる。

10代〜20代前半で味わったような複雑に絡み合った友情を今望んだとしても、きっともう無理だとわかっている。夜が更ける前にパーティーを切り上げたいし、自分のベッドで目覚めたい、周囲のアドバイスに頼らず自分を信じたい。ただ時間を潰すためだけに誰かに会う必要はなくて、好きで話したいことがあるから一緒にいたいと思う。そうやって、30歳を過ぎると交友関係はより意図的なものになる。それを維持するのはときに困難だけれど、いつだって友情のある日々を選択し続けたい。なぜなら友人らの存在は人生をより豊かで実りあるものにしてくれるからだ。

Text: Daisy Jones Adaptation: Nanami Kobayashi

From: VOGUE.COM

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