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ペインティングのなかでペインティングを組み立てる。イェンス・フェンゲの個展「パーラー」が開催中

  • 2024.11.26
Jens Fänge Parlour, 2024 Oil, vinyl, inks, fabric, panel Framed _ 132 x 100 cm | 51 15/16 x 39 3/8 inches Photo by Carl Henrik Tillberg Courtesy of the artist and Perrotin
Jens Fänge Parlour, 2024 Oil, vinyl, inks, fabric, panel Framed : 132 x 100 cm | 51 15/16 x 39 3/8 inches Photo by Carl Henrik Tillberg Courtesy of the artist and Perrotin

イェンス・フェンゲ(Jens Fänge)は、20世紀初頭のコラージュと古代芸術である影絵を交差させながら、ペインティングのなかにペインティングを組み立てていくという超現実的でマトリョーシカのような美学を構築してきた。象徴的な肖像画、静物画、室内画、都市景観、風景画、幾何学的抽象画など、さまざまなジャンルの要素を組み合わせ、油絵具、鉛筆、ビニール、ボール紙、布といった多様な素材を用いることで、折衷主義的な作品を生み出している。

個展「パーラー」では、フェンゲが創り出す反響と断片の世界が展開。部屋そのものよりも部屋の影を感じさせる空間は、中世の修道院において会話が唯一許された部屋「パーラー」の語源に由来する。そんなフェンゲにとっての「パーラー」は、私的あるいは家庭的な劇場として機能し、人や動物、日用品などがまるでどこかで見たうろ覚えの情景のように断片的に再構築されて登場する。輪郭のはっきりとした、しばしば切り抜かれた登場人物たちは、舞台のように重なり合う表現の層に漂い、作品そしてシリーズ全体を通して、複雑で無限に続く迷路のような視点の変化を生み出す。

なお、同展では初めて陶器作品を発表。スウェーデン南部のヘガネスにある陶芸工房で制作を行い、絵画とは異なる素材への挑戦を楽しんだ。粘土を「立体的な絵画を作る方法」として捉えることで、恐怖心を克服し酸化物や顔料を用いて作品を着色したという。

フェンゲの綿密で重層的なイメージメイキングと、複雑な制作プロセスを一目見にペロタン東京に足を運んでみては?

Courtesy of the artist and Perrotin. Photo by Osamu Sakamoto.
Courtesy of the artist and Perrotin. Photo by Osamu Sakamoto.

イェンス・フェンゲ個展「パーラー」

会期/〜12月28日(土)

会場/ペロタン東京 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F

営業時間/11:00〜19:00

https://www.perrotin.com/

Text: Aya Hasegawa

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