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寒い時季の冷え対策は、体温維持できる冬野菜を積極的に食べること

  • 2024.11.26

旬の野菜を取り入れたブラントベースの食を中心にライフスタイル提案をしているヴェルヌ華子さんに、冬野菜の特徴を聞いた。「冬は体温の維持が大事だから、カロリー密度が高く、よりエネルギーをくれる根菜などが多く実ります。旬の野菜はその時季の体のニーズを満たしてくれるのです」

冬野菜の代表格は、温まる効果が高く冷え解消になる「長ねぎ」

「リークと胡桃のグラタン」の写真を入れました。ポロ葱(リーク)と植物性のベシャメルソースと胡桃をつ買ったグラタン料理。Photo_ Courtesy of Vernhes Hanako
「リークと胡桃のグラタン」の写真を入れました。ポロ葱(リーク)と植物性のベシャメルソースと胡桃をつ買ったグラタン料理。Photo: Courtesy of Vernhes Hanako

寒い時季に積極的に摂りたいのは、長ねぎ。「ねぎ特有の辛味とツンとした香りのもとである硫化アリルには、血行を促進して体を温める効果があり、冷えの改善や疲労回復などが期待できる。抗菌作用のある成分が多く含まれているのも長ねぎの特徴です」。栄養面や効果効能のみならず、味覚的にも冬の食卓に欠かせないとヴェルヌ華子さんは言う。「冬野菜は根菜などのほっこりしたものが多い中、長ねぎの香ばしさが味のアクセントになってくれます」。主役にも脇役にもなる長ねぎを冬のレギュラー食材に、体の中から温まる食事を楽しんで。

長ねぎのおすすめの食べ方&保存法

  • 硫化アリルは加熱すると効果が高まるので、焼きねぎなどがおすすめ。
  • 乾燥しやすいから、新聞紙で包むなどして水分を逃さないように。
  • 常温だと育ってしまうので冷蔵庫で保存がいいが、冷気が直撃しないよう何かで包むこと。

ほかにおすすめの冬野菜は「大根」と「ほうれん草」

Photo_ seagames50/123rf
Fresh radish and pickled radish for cooking.Photo: seagames50/123rf
Photo_ Bhakpong Rattanasaroj/123rf
Photo: Bhakpong Rattanasaroj/123rf

冬野菜に多い根菜の中で、イチオシなのが大根。「ビタミンCが豊富で、風邪をひきやすい冬場にぴったりの食材。根の部分にはジアスターゼという消化酵素が含まれていて、食べすぎて胃もたれするのも防いでくれる。暴飲暴食しがちな年末年始は、大根料理で胃を休めるといいと思います。ビタミンCも消化酵素も熱に弱いから、サラダや大根おろしなどにして生で食べるのがおすすめ。苦味成分が体にいいので、加熱する場合は苦味を感じられる調理法を」

ほうれん草というと鉄分がパッと思い浮かぶかもしれないが、おすすめポイントはそこではないのだそう。「実は、ほうれん草の鉄分は吸収率があまりよくないのです。ほうれん草を食すメリットは、葉酸を摂取できること。妊婦に欠かせない栄養素として知られ、神経系の健康に寄与してくれます。葉酸などの水溶性ビタミンは溶け出しやすく、ゆで汁も一緒に飲めるスープやシチュー、スムージーにして摂るのがいいです」

旬の野菜を地産地消で食すのが地球にとってもいい選択

長年、海外で暮らしているヴェルヌ華子さん、日本を離れて気づいたことがあるという。「日本のレシピ本には“時短”や“便利”といったワードが随所に見られ、料理のプロセスを苦行っぽく思っている人が多い印象を受けました。欧州では市場で買い物したり、家族で下ごしらえするなど、料理のプロセスを楽しむ人が多いです」

料理を楽しめるようになれば、食材への関心も高まり、旬を意識するようにもなる。「“フードマイレージ”という考え方があって、収穫物の移動距離が長いほど環境負荷も大きくなる。だから、旬の食材を地産地消でいただくのが理想的。どういう環境で育てられているかに思いをめぐらせることも大事です」。そして、「買い物は投資だ」と。化学肥料を使用したものや、単一作物だけ育てている生物多様性のない土地の産物にお金を出したいかどうか……。少し意識を変えるだけで、体にも地球環境にも好循環がきっと生まれる。

話を聞いたのは……

ヴェルヌ華子

ウェルネスアカデミー「Plantful Journey」創設者。プラントベース・ウェルネスコーチとしてプラントベース料理のワークショップやケータリング、イベント、レシピ開発などにも携わる。Youtubeやインスタグラムでもプラントベースのライフスタイルを発信。2023年には日本人で初めて、ル・コルドンブルー・パリのプラントベース料理ディプロムを取得。約10年パリで暮らし2022年からはミラノ在住。@hanako_plantful_journey

Text: Chiho Ejiri Editors: Makiko Yoshida, Rieko Kosai

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