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【ROUVER】まるで"第二の皮膚"!ストレスフリーで活動できるアウトドアニット

  • 2024.12.2

国内最高峰の規模とクオリティを誇るニット工場のファクトリーブランド

今回紹介する「ROUVER(ルーバー)」は、全国有数のニット産地・新潟県見附市にある、丸正ニットファクトリーが立ち上げた「アウトドアニット」のブランド。

丸正ニットファクトリーは、1832年に織物業として創業し、織物や撚糸などで事業を拡大してきました。現在はニット製造業として、国内大手セレクトショップのオリジナルブランドやスポーツ、ゴルフなどの分野でも製品をつくっており、その規模も月間で最大45,000着(※)の製造が可能と、国内最大級!

多くのメーカーから信頼を得ている「ニットのプロ」が本気で考えたアウトドアのためのニットは、普通のニットと何が違うのか?ROUVERディレクターの湯本達郎さんにお話を聞きました。

※横編み機とホールガーメント(立体編み機)の合計値

"アウトドア用ニット"という新ジャンルを開拓

OEMがメインだった丸正ニットファクトリーが、自社ブランドのルーバーを立ち上げたのは2021年4月のこと。コロナ禍で受注が減っていくなか、「自分たちで何かやっていかなくては」という雰囲気が社内はもちろん、業界全体にも広がった時期だった、と湯本さんは語ります。

そんな中、丸正ニットファクトリーでもいろいろな企画が持ち上がり、キャンプや登山を楽しんでいる若手社員の間で「アウトドアニット」というアイデアが出ました。

ROUVER 湯本さん
「実は、7年くらい前にアメリカのとあるブランドからアウトドア用ニットのオファーがあったんです。でも、そのときは残念ながらコストの問題で実現には至りませんでした。ただ、素材や形に関してはサンプルもつくって、ある程度手ごたえのあるものができていた。「あとは予算だけ」なら、自社でやれるね、という下地もありました。」

アウトドア好きなスタッフが企画からフィールドテストまで

開発したサンプルを着て登山するROUVERのスタッフ
サンプルの帽子やベースレイヤーを着込んで冬山登山をするルーバーのスタッフ

 

新潟県という土地柄、スキーや登山、キャンプなどが楽しめる環境に恵まれているのもルーバーの強み。スタッフにもアウトドア好きが多く、ディレクターの湯本さん自身もOMM(イギリス発祥の山岳アドベンチャーブランド)が主催する山岳マラソンに出場したこともある登山愛好家です。

自分たちが欲しいものを企画し、サンプルを着込んで山やキャンプに出掛けては、フィット感や見た目などを細かく検証。技術と実践の両輪で、アウトドアを楽しむ人にとってのリアルな魅力を形にしています。

機能素材の使用と強度、見た目の良さがこだわり

「アウトドアニット」というこれまでにないジャンルにおいて特徴を考えたとき、「機能性素材と強度」は譲れませんでした。ウールの種類、ポリエステルやナイロンといったほかの素材との混合率、編み方、洗い方などで、ニットはがらりと表情を変えます。

メリノウールに限らず、シェットランドウールを取り入れたり、速乾性が欲しいアイテムの場合はポリエステルを配合したりと、使うシーンに合わせてこれまで築いてきたつながりの中から最適な素材を見つけ出し、自社工場で編み上げています。

特に、大きな特徴の一つが「ホールガーメント」という立体で編める機械をつかっていること。継ぎ目がなく、まるで「第二の皮膚」のようにフィットするニットを編むことができます。

ROUVER 湯本さん
「一般的な横編み機では袖や前身ごろといったパーツごとに編んだものをつなぎ合わせますが、この機械では服の形状そのままを一気に編めるため、継ぎ目がありません。強度も上がるし、端材がでないからエコだしで、一石三鳥なんです。」

トレンドからちょっぴり外れても、「豊かな時間」を過ごせるものを

ROUVERの山セーターを着た男性と女性
山セーターシリーズの「樹皮プル」。木の皮からインスピレーションを得た柄もかわいい

さらに、ニットならではのほっこりとしたかわいさを生かしているのもこだわりの一つ。たとえば人気アイテムの「山セーター」は、スキーセーターを着て登山しているおじさん世代を見て、「かえって新鮮だし、かわいい」と、あえてULトレンドは追いかけず、ルーバーらしい機能をプラスしています。

ROUVER 湯本さん
「山セーターシリーズに使っているのは、シェットランドウール。保温性や耐久性にすぐれた羊毛で、昔のエベレスト登山隊の人も使っていたんですよ。こうしたストーリーや伝統を取り込むのもおもしろいなと思っています。」

OVER THE ROUTE(道の先)にあるワクワクを

ちなみに、「ROUVER」というブランド名はOVER THE ROUTE(道の先)からつくられた造語。アウトドアという、「日常を超えた先」に何があるか、というワクワクをコンセプトにしているのだそう。

登山やトレッキングなど、ハードな環境を超えたあとに豊かさを感じられたり、あるいはハードな道程をサポートするものであったり。先が見えなかったコロナ禍の中で生まれたブランドらしい、未知を楽しむ精神が編み込まれたアイテムがそろいます。

かわいくて暖かくて快適!クセになるROUVERのニット3選

一枚で着ても重ねて着てもおしゃれで機能的な、ニットの概念を変えてくれる名品ぞろいのルーバー。ベースレイヤーにセーター、帽子など、ラインナップも幅広く取りそろえています。

アウトドア好きなメンバーが企画からデザイン、パターン起こしまでやっているからこその「わかってる!」と思わず唸るアイテムの中から、湯本さんにおすすめ3つを聞きました。

【Nep pullover】2024年の新作一番人気!着こなしやすいナチュラルなデザイン

最初に紹介するのは、シンプルながらデザインにこだわった「Nep pullover(ネップル)」。

首元のカールがアクセントになっており、ナチュラルな中にも個性を感じるのがこだわり派にもうれしいところ。ミドルレイヤーでも使える絶妙な厚み、そして何より肌触りのよさが自慢!

一般的に、ニットは製品にする前に洗う加工を入れますが、洗うことによって滑らかになったり、網目が詰まって強度が上がったりするのだとか。こちらは1分単位で調整し、「ほどよい気持ちよさと強度」を両立。オーストラリア産メリノウール85%にナイロン15%を配合し、「タイトすぎずゆるすぎず」な絶妙なシルエットを実現しています。

2024年10月に出た新作ながら、早くも売り切れて追加生産中という人気アイテムです。

【AWA Baselayer Hoodie】着ているのを忘れてしまうくらい自然にフィット

次に紹介するのはルーバーの代表作の一つ、「AWA Baselayer Hoodie(アワ ベースレイヤー フーディー)」。ホールガーメントで織った完全無縫製のベースレイヤーで、「第二の皮膚」を体感したいならぜひ手に入れたい一品です。

「カールカール」という特許技術を使った糸を使用しており、糸自体にふくらみを持たせているため、軽くてあたたか。撚糸技術の高さが求められる、日本でしかできない技術なのだとか。

さらに、ルーバーオリジナルのリブ編みを取り入れることで、どんな体型にもふんわりとフィット。ベースレイヤーながら脱いだときもピチッとならず、カッコ悪くないのもポイントです。女性用はフードに髪の毛を出す穴が開いているのもさりげないこだわり!

【Picho cap】耳が隠れて視界は良好!山歩きに持って行きたいニット帽

ラストは、ルーバーの2シーズン目に出て以来、一番のヒット商品となっている「Picho cap(ピチョキャップ)」。

ロゴが縫い付けてある部分が長く、耳までしっかり覆えるため、冬の山でもあったか。この形をニットで実現するために、横編みと縦編みを応用し、さらに模様にも生かしています。また、フロント部分は上がるのでサングラスなどをつけても邪魔になりにくいのもうれしいポイント。

メリノウールだけではへたれやすいため、シェットランドウールを混合し、メリノウールの肌触りのよさとシェットランドウールの保温性を兼ね備えた被り心地も最高のキャップに仕上げました。カラーもいろいろあるのでファッションアクセントにするのもおすすめ!

ROUVERのピチョキャップをかぶっている男性
すっぽり耳と頭を覆ってもかわいいし、後ろ側を折り曲げても雰囲気が変わっておしゃれ

人と人とのつながりや温度感を大切に紡ぐやさしい世界観

ブランドの立ち上げ当初は、キャンプ場でゲリラ販売をして徐々にファンを増やしてきたというルーバー。「ローカルでのつながりもあったからできたことだし、そのとき知り合った人たちが今も支えてくれています」と湯本さん。

それだけに、「人と人とのつながり」や「ローカルへの恩返し」はルーバーの中で欠かせない思い。自社ブランドを始めてからエンドユーザーと直接触れ合って得たやりがいは、これからもユーザー目線の商品づくりの基盤となるはず。「近い人を思う」からこその暖かさや着心地の良さ、ぜひ体験してみてください。

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