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「悪いヤツのしるし」父親のタトゥーをからかわれ、いじめの標的にされてしまった息子。タトゥーを通して向き合う家族の物語

  • 2024.11.25

みなさんは、タトゥーにどんな印象をお持ちだろうか。近年ワンポイントタトゥーなどがファッションの一環として人気となっているが、日本でタトゥーを入れている人はまだまだ多くないだろう。

『ぼくのパパにはタトゥーがある』(丸田マノ/KADOKAWA)は、タトゥーを入れた父親を取り巻く困難に向き合った、家族の物語だ。

本作の主人公であるリョウとリツコはサーフィンを通して出会い、交際を始める。旅先の異国文化に感銘を受けたリョウは、強さ・勇気の証として右腕にタトゥーを入れた。結婚し飲食店を始めた2人の間には息子たちが生まれ、子供優先の生活へと変化。ライフスタイルが変わりゆく中で、タトゥーによる様々な困難が発生する。

日本では、タトゥーを入れていると公衆浴場やプールに入れない、というのは有名な話だろう。他にも、健康リスクから生命保険の加入がしづらくなったり、あらぬ悪い噂を立てられてしまったり…など想像以上に弊害は多い。

リョウは自分のタトゥーのせいで家族に迷惑をかけているのでは、と懸念するが、簡単に消すことは難しい。お金がかかることはもちろん、タトゥーにはリョウの信念がこめられているからだ。

そんな中、息子がいじめられていることが発覚。その原因はリョウのタトゥーだ。事の重大さに衝撃を受けたリョウは、右腕のタトゥーについて深く悩み始める。

本作ではリョウがどんな信念を持ってタトゥーを入れたのかが丁寧に描かれている半面、その熱い想いと現実とのギャップに、思わず切なくなってしまう。自分の信念と大事な家族、その間で揺れるリョウ。リョウはどんな決断をくだすのか? その決断を受け、家族は何を思うのか?ぜひ本作を読んで、一家が選んだ強くて優しい結末を確認してほしい。

かっこいい・怖い・不思議…などタトゥーに対する価値観は人それぞれ。本作はどんな価値観を持った人にも読んでもらいたい一作だ。

また、環境の変化によって、生活と自分のポリシーとのバランスに悩む人にもおすすめしたい。リョウたちの決断が、きっとあなたの背中を優しく押してくれるはずだ。

文=ネゴト / fumi

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