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5匹の猫と共に育ったパグは猫になる!? 自分を猫だと思い込んでいるパグと猫たちの愛おしすぎる日常

  • 2024.11.25

たくさんの猫の中で育った犬は、自分のことを“猫”だと思い込むらしい。『ウチのパグは猫である。』(ひぐちにちほ/ぶんか社)は、5匹の猫の中で育ったパグの日常を描いた作品だ。とにかく個性的な猫たちとかわいらしいパグの姿に癒やされるので、猫好きな人も犬好きな人も手に取って楽しんでみてもらいたい。

作者のひぐちさんは、5匹の猫を飼っているマンガ家。先代のパグ「乙女」が亡くなってから新たに迎えたのは、生後2カ月のメスのパグ「お茶目」だった。まるでゴルゴ13のような立派な眉毛を持つお茶目は、とっても元気いっぱい。弾丸のような勢いで駆け回り、高齢になりつつある猫たちが逃げ惑うほど…。

タイトルの通り、本作の主役・お茶目はパグなのに自分のことを猫だと思い込んでいる。高い窓辺に飛び乗る猫を見て自分も飛んでみたり、爪とぎする猫を見て自分も爪とぎしようとしたりと忙しい。どこからどう見ても「犬そのもの」なのだが、本人だけは自分を猫だと思い込んで猫と同じ行動をするのが何とも愛おしい。

本書の魅力は、こうしたお茶目のかわいらしさだけではない。お茶目との日々を通して見せてくれる、猫たちの個性もまたたまらないのだ。お茶目に猫のレクチャーをしてくれる「福」に、ビビりでいつも逃げ腰の「親分」。ちょっかいをかけられると猫パンチで制裁する「水玉」に、その姉妹で威嚇が激しい「べっぴん」。猪突猛進に突っ込んでくるお茶目に説教をする「多喜」と、それぞれの猫によって違う役割を担っている。多頭飼いならではの関係性に、思わず笑顔になってしまうのではないだろうか。

そんな猫に育てられているお茶目だが、結局犬の本能がむき出しなのもかわいすぎるポイントだ。冬は猫たちと一緒にこたつで丸くなるお茶目。ここだけ見ると完全に“猫”なのだが、散歩で雪の上を喜んで駆け回る姿はやはりまごうことなき“犬”だった。自分を猫だと思っているのに、結局犬らしさが勝ってしまう姿のかわいさにきっと胸キュンが止まらなくなるはずだ。

2巻・3巻では、ひぐちさんが野良猫を保護するエピソードや、新たに猫を迎え入れるストーリーが展開されていく。2024年11月25日(月)には待望の4巻が発売。猫の数が増えれば増えるほど、一緒にいる時間が長くなればなるほど、お茶目の猫らしさもパワーアップするのか――。ぜひ最新刊で確かめながら、読むだけで癒やされて元気をもらえる、お茶目と猫たちの愛おしすぎる日常をたっぷり堪能してもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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