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関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える

  • 2024.11.25
関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える
関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える

Text by 高橋アオ

[日本フットボールリーグ(JFL)第30節栃木シティFC3-0ソニー仙台FC、24日、みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド]

JFL優勝を果たした栃木シティがソニー仙台を破って有終の美を飾った。相手にボールを多く保持されるも、堅守速攻で圧倒。前半20分に先制し、勢いを切らすことなくソニー仙台を押し込んで3-0と完勝した。この日後半22分に出場したFW田中パウロ淳一は鋭いドリブル、正確なキックで攻撃にアクセントを加えて勝利に貢献した。

途中出場から存在感

後半から途中出場した田中は押し込む栃木シティの起爆剤となった。推進力に優れたドリブル突破、プレースキッカーを任されるほどの高精度キックで攻撃を活性化。背番号77が出場してから勢いを増した栃木シティは、2得点を追加して相手に付け入る隙を与えなかった。

関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える
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「最初に早い段階で得点を決めたのもありますけど、ソニー仙台さんはつなぐサッカーが得意だから守備でどれだけプレスしてもはまりませんでした。でもプレスを90分間やり続けると、相手もミスが90分間の中で出てきたので、そこを狙って仕留められたことが良かったと思います」

今季リーグトップの総得点66ゴールを稼いだチームは攻守が連動した堅守速攻で勝ち星を重ねてきた。この日も激しいプレスから素早いカウンターへとつなげて相手を圧倒し続けた。今季JFLで猛威を振るった自分たちのサッカーに田中も手応えを得ている。

「僕たちのチームは攻撃陣が点を取れますけど、後ろからの指示や全員で守備をするプレーの勢いを持ったまま攻撃に移れています。僕たちが目立つプレーをできていますけど、それは守備のメンバーたちが支えてくれているからこそ自由にプレーできています。この試合でもそれが出て僕たちは目立ちましたけど、それは全員で守備をして、全員で攻撃する結果がチャンスを作れるきっかけになっていると思います」と胸を張った。

関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える
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今季は高知ユナイテッドSCが開幕戦から7連勝を挙げて快走を見せるも、栃木シティも第13節から無敗で猛追。第29節でアトレチコ鈴鹿クラブを6-0で破ってリーグ優勝を果たし、来季J3参入を決めた。

「あっという間だったと思いますけど、毎日がすごく濃かったです。僕たちはずっと良かったわけじゃなくて、何回も悔しい思いをして立ち上がって、みんなで乗り越えたことが思い出にあります。悔しいときにみんなで立ち上がれたことが、優勝という結果になったと思います」と、チーム一丸となってつかんだリーグ制覇を誇った。

Jリーガーは社会的な証明

今季リーグ戦24試合6得点4アシストを挙げてチームのJ3参入に大きく貢献した背番号77。ただここまでの道のりは波乱万丈だった。

2022年シーズンにJ3松本山雅FCとの契約満了がした田中は日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催するトライアウトに参加するも、Jリーグクラブとの契約は叶わなかった。2023年に当時関東1部だった栃木シティに加入し、JFL昇格、J3参入と2年かけてJリーグへ帰還した。

「Jリーグはサッカーをしていない人にとって、Jリーグが一つの社会的な証明になるというか。サッカー選手である上ではJリーガーにならないと認めてもらえないというところが少しあります。そういった面でも『Jリーガーになる。もう1回戻る』というのはすごく大事でした。僕だけじゃなくて、他の選手はJリーガーになる素質を持った選手が多い中、いままで下のリーグで悔しい思いをしてきたと思います。Jリーグは華がある素晴らしいものがあると僕は知っているので、他の選手と一緒にJリーグに戻れたことが僕の中ではやりがいになっていると思います」と吐露した。

関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える
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栃木ウーヴァFC時代に在籍していた2017年シーズンぶりにJFLへと復帰したチームは、新たに7人のJリーグ経験者を加えて挑んだ。ただチームは開幕戦でレイラック滋賀に1-3で敗れ、第5節まで2勝3敗と好スタートを切れなかった。

「(優勝は)報われましたし、ホっとしました。僕だけじゃなくて、ほとんどの選手が他のチームでなかなか『結果が出なかったり、試合に出られなかったり』と悔しい思いをした選手が集まっています。それがいい方向にネガティブになりそうなときも、みんながポジティブに消化することによって、僕たちは立ち上がることができました。そこは僕だけじゃなくて、みんなのマインドが良かった結果だと思っています」

一丸となって戦う姿勢を崩さず、堅守速攻のスタイルを貫いて第13節から18戦負けなしの快進撃へとつなげた。

J3でも栃木シティ旋風を

県南部の栃木市と下都賀郡壬生町をホームタウンに設定している栃木シティは、来季J3で県央に位置する宇都宮市をホームタウンとする栃木SCと同県対決が実現する。これまで天皇杯県予選などでの対戦はあったが、Jリーグでの対戦は史上初となる。

「栃木SCさんは歴史があると思うんですけど、僕たちもウーヴァも含めて僕たちのチームも歴史があるので、そこは負けないと思っています。僕たちは栃木シティとしての誇りを持っています。僕たちのチームは他のチームのサポーターの方、初めての方でも『ウェルカム』だし、他のサポーターの方でも僕たちは拒絶することなく迎えるチームです。(栃木ダービーは)初めての方も誘っていただくには、いいチャンスです。栃木SCさんとダービーになれば知らない人も巻き込めるので、非常にいい機会だと思います。(栃木県の)祭りというか、イベント事の一つとしてそういうものにしていかなくちゃいけないというのが僕たちの気持ちです」とダービーを心待ちにしていた。

関東1部入団からJFL優勝!栃木シティFW田中パウロ淳一「この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたら」と来季を見据える
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2021年シーズンにJFLを制したいわきFCは翌シーズンにJ3を優勝し、J2昇格を果たすなどJFL優勝の勢いそのままに駆け上がった事例がある。田中も今季巻き起こした栃木シティ旋風をJ3で再現しようとしている。

「僕たちはJFLに上がった段階で優勝できるチームだと思っていました。J3に挑戦する立場ですけど、胸を借りて皆さんにリスペクトを持ちながらも、優勝を狙って戦うつもりです。栃木シティはJFLで今年旋風を巻き起こしましたけど、この勢いでJ3も旋風を巻き起こせたらと思っています」と意気込んだ。

『諦めない男』田中は2年かけて戻るべき舞台へと帰還した。駆け抜けるようにJFL昇格、J3参入を果たしたチームとともに、来季もJ3で栃木シティ旋風を巻き起こす。

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