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千葉雄大さん、好き勝手に生きるススメ 「気持ちに素直に。責任は自分で持つ」

  • 2024.11.25

ファッション誌の専属モデルを経て、2010年に『天装戦隊ゴセイジャー』で役者デビューし、今年デビュー15周年を迎えた千葉雄大さん(35)。11月には書籍『喋って食って零キロカロリー』(ワニブックス)を出版しました。自身のこれまでを振り返って「すべてチリツモだと思う」と話す千葉さんに、気持ちの切り替え方のコツやご自身の将来像について伺いました。

爪痕を残すためのハードルは年々高くなる

――連載中の6年を振り返ってみて、ご自身で「ターニングポイントになったな」と思う作品や出来事はありますか?

千葉雄大さん(以下、千葉): 僕、ターニングポイントってないんですよ。全部が「チリも積もれば山となる」だと思っているので、「あれをやっていたからこのお仕事に呼ばれた」とか「あの作品を見たからこの番組に声をかけてもらえた」という感じでお仕事がつながっていくことが多いです。

もちろん、そう思ってもらうためにひとつひとつの仕事を一生懸命やるのは当たり前だけど、何か残るものがないといけないので、爪痕を残すためには何ができるのかというハードルは年々高くなっている気がします。

朝日新聞telling,(テリング)

――以前、千葉さんがInstagramに投稿されていた「食べたい時は食べたらいいし、飲みたい時は飲んだらいいし、笑いたい時は笑ったらいいし、泣きたい時は泣いたらいい。幸せのカロリーを日々のエネルギーとして生きていきたいもんです。」(23年11月12日)という一文が心に残っています。ネガティブなイメージで使われることの多い「カロリー」という言葉に「幸せの」をつけてポジティブワードに変えるように、うまく気持ちを切り替えるコツを教えてください。

千葉: ずっと同じ感情でいると疲れちゃうんですよね。というか、飽きちゃうのかな。悩んでいることにも飽きるし、楽しすぎても「ちょっともういいや、あとは一人になりたい」ってなるんです。友達からは「本当に好き勝手に生きているね」って言われるんですけど、ずっとくよくよしていても仕方ないし、過ぎてしまったものはしょうがないじゃないですか。起こったことは過去として残ってしまうけど、「いつかどうにかなるでしょ! もう考えるの、やめぴ♪」みたいな時間を作るようにしています。

山あり谷ありよりも、今は「凪」な日々がいい

――ご自身でも気持ちの切り替えが早い方だと思われますか。

千葉: そうですね。でも、子どもの頃から何か幸せなことがあると、「やばい、絶対これから不幸なことが訪れる」と思って生きていて、そう思う自分がすごく嫌だったんです。「なんで手放しに幸せを喜べないんだろう」ってずっと思っていました。

昔は山あり谷ありの人生を求めていたし、その方が人として成熟するような気がしたけど、今はそういうのは全然いらないですね。「凪」でいることを求めているかもしれないです。辛いことが起こるのも嫌だし、「めちゃくちゃハッピーで毎日が楽しい!」みたいでなくていいから、穏やかでちょっとした幸せがちょこちょこあって、気持ちが一定に保てる毎日が送れたらいいなと思います。

――ご自身の将来像を今はどう想像しますか。

千葉: 40、50代になった自分は全く想像できないけど、偏屈なおじいちゃんにはなりたくないなって思います。周りからかわいがられるおじいちゃんになりたい。そうじゃないと、老人ホームに入った時にほかの入居者の人やスタッフの方に優しくしてもらえないじゃないですか(笑)。今は「かわいい」ってあまり言われたくないけど、おじいちゃんになったら言われたいですね。

――今は「かわいい」と言われるのは嬉しくないですか?

千葉: 言い方が難しいのですが、もちろん今も「かわいいですね」と言われたら「ありがとうございます」という気持ちですよ。だけど、「かわいい」に対する「ありがとう」を自分が心から情感を込めて言えるのは、おじいちゃんになってからかなと思うので、その時までこの仕事も続けられているといいなと思います。

朝日新聞telling,(テリング)

やっぱり一人じゃ生きていけないから

――最後に、同世代の女性に向けて、気持ちを前向きにするコツがあれば教えてください。

千葉: 先ほどもお話ししたように、僕は友達から「好き勝手に生きているね」と言われるのですが、自分でも本当にそうだと思うし、それでいいと思っているんです。なので、みなさんも周りの人のことはあまり気にせず、自分の気持ちに素直に好きに生きればいいと思います。

ただ、好き勝手に生きてはいても、誰かに何かを強要したり、自分だけ気持ちよくいることを求めたりすることはしません。これはずっと言っていることですが、「自分だけ風を切って気持ちよく歩いているけど、あなたの知らない間にその両肩にぶつかって痛い思いをしている人がいるからね」って思うんです。自分のことだけでなく、周辺の人たちがどういう思いでいるのか、何か迷惑をかけていないかを忘れずにいるようにしています。

――「自由」と「自分勝手」は違いますし、自由でいるためには必ず責任も伴いますね。

千葉: そうですね。結局自分のことは自分で責任を持たなきゃいけないし、誰も責任を取ってくれない。人に責任を取ってもらうってことは誰かに委ねてしまっているということだから、一つアドバンテージをとられているみたいな気もするんですよね。

誰にも自分を握られないように生きていきたいけど、やっぱり一人じゃ生きていけない。一人で生きているような気持ちになる時もあるけど、いろいろな人が助けてくれたり、そんなに関係が濃くない人でも自分のことを思ってくれていたりすることもあるので、そういうことを忘れないようにしたいなって思います。

■根津香菜子のプロフィール
ライター。雑誌編集部のアシスタントや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランスに。学生時代、入院中に読んだインタビュー記事に胸が震え、ライターを志す。幼いころから美味しそうな食べものの本を読んでは「これはどんな味がするんだろう?」と想像するのが好き。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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