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「まぶたのたるみ」原因と予防法は? おでこのシワにボトックスが不向きな人は要注意【目元の美容専門医師が解説】

  • 2024.11.25

東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。
今回は『まぶた(瞼)のたるみ』について、目元の美容専門医師の増田えりかが解説いたします。

まぶたは特殊なパーツ

(写真:iStock)
(写真:iStock)

【「美容医療」お悩み一発回答!】

前回の目の下に続き、今回は目の上、『まぶた(瞼)のたるみ』について取り上げます。

目の上のたるみがあると若い頃より二重の幅が狭く見えたり、お化粧がしにくかったり、夜になるとまぶたが重くて家事に支障をきたすようになったり、生活の質に直結するお悩みがよく聞かれます。

まぶたのたるみは私の専門分野です。40代以上の皆さま向けに、まぶたのたるみの原因と予防法を具体的にお伝えしていきたいと思います。

まずは、まぶたはお顔のほかのパーツとは違う「特殊な部位」だと理解してください。

皆さんはおでこのシワが気になって、シワが寄らないように手で押さえてみたら、まぶたが重い、目が開けにくい、二重が潰れるなど感じたことはないでしょうか。


【こちらもどうぞ】老け疲れ顔の原因No.1目の下のクマ! 種類別、ヒアル顔回避の治療法は?【目元の美容専門医師が解説】

おでこ、まぶた、眉毛は“一体”

(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
(イートップクリニック提供/無断転載禁止)

おでことまぶたは眉毛を介してつながっています。表情癖や顔の老化などによって眉毛の位置が下がると、まぶたの重さやたるみになるだけでなく、眉毛の可動域はとても広いので、一体になっているおでこの皮下組織が緩みやすくなり、日常生活で笑ったり、悩んだりを繰り返すことで、シワが生まれるのです。

写真は私ですが、眉間にシワを寄せた時と眉毛を上げた時で大きく位置が移動します。まぶたとおでこは一体なので、おでこが下がってくると当然、まぶたにも影響が表れるのですよね。

ボトックス治療が向いていない人もいる

患者さんの中にはおでこのシワを改善させるためのボトックスを希望されても「まぶたが重くなるタイプなので、適応がありません」と施術できない診断になるケースは珍しくありません。

眼瞼下垂(がんけんかすい)の症状が強く、日頃から目を開けるためにおでこの筋肉(前頭筋)を無意識に使っている人などは、ボトックスを打つことで目が開けにくくなり、日常生活に支障が出てしまう場合も…。

手の平でおでこを覆って前頭筋が動かないようにした状態でまぶたが無理なく上がるかどうか。セルフチェックをやってみるのもいいでしょう。

最終的にクリニックで診断を受け、ボトックス治療が向いてない場合でも、まぶたの皮膚を切除する眉下切開でおでこのシワは消せるので、安心してください。

(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
(イートップクリニック提供/無断転載禁止)

おでこが下がらない美容医療的予防法は…

(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
(イートップクリニック提供/無断転載禁止)

逆に、ボトックスが適している人はまぶたのたるみがなく、おでこを使わなくても目が開けられるタイプです。まぶたは、隣接するおでこのたるみが直に影響するパーツ。それが、特殊な部位であるゆえんです。

美容医療でおでこを下げないようにする予防法は、定期的なHIFUや高周波がおすすめ。おでこの筋肉や皮膚を引き締めることでたるみにくくします。

眉毛を下げる方向に動かす筋肉(皺眉筋や眼輪筋、眉毛下制筋など)の力を弱めるための、眉間や目尻のボツリヌストキシンも効果があります。シワ予防にもつながり、私も3カ月に一度、受けています。

まぶたがたるむ原因は「まばたき」

無邪気に笑えやしない…(写真:iStock)
無邪気に笑えやしない…(写真:iStock)

まぶたのたるみを訴え、来院される患者さんの中で、最も多い原因は何だと思いますか? 日頃の「まばたき」です。

ヒトは日に1~2万回のまばたきをすると言われ、使い続けたヘアゴムがビヨ~ンと伸びてしまうように、自然現象であるまばたきをすることで、徐々に伸縮性がなくなっていくのです。

年齢を重ねるとたるみが生じるのは仕方のないこと。ただし、極力伸びさないために、摩擦や炎症を加えないように心がけたいところです。

長年のアイプチや、紫外線対策を怠ってまぶたに付加がかかり、炎症が続いているような状態を放置しておくと、皮膚はどんどん伸びてしまいますし、アトピーやアレルギーで目を擦る癖があるのも、慢性的な炎症につながります。

炎症同様、乾燥も大敵。洗顔後に保湿する習慣がない人は、慢性的に皮膚にハリがない状態となり、皮膚の弾力がなくなってシワが入りやすく、お化粧ノリも悪くなります。

皮膚のシワをたるみが出てきたと訴える患者さんには「日頃のケアの積み重ねを怠らずに行いましょう」とお話ししています。

美容医療は施術に限らず、日々のケアも重要。多くの症例と向き合い、治療・診断する経験を活かして開発されたクリニック発のスキンケア商品はいろいろ出ているので、気になるものがあったら、担当医と相談の上、お試しになってもいいかもしれません。

まぶたのたるみ解消法は「二択」

伸びてしまった皮膚はセルフケアで戻すのは難しいとされ、美容医療で「たくし上げる」か「切り取る」かの二択の施術が効果的だとされています。

昔より二重の幅が狭くなり横から見たら一重のような状態にお困りの方には、まず、埋没法という二重ラインを広げる手術がおすすめです。2~3日のダウンタイムで昔の二重幅を取り戻すことができます。

「たくし上げる」埋没法

(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
(イートップクリニック提供/無断転載禁止)

しかし、埋没法はたるみをたくし上げる対処療法なので、限界があります。元々の二重幅が広い方や、一度埋没法でたくし上げても糸が取れてしまったような方は、伸びてしまった皮膚を切除する必要があります。

その際、皮膚を切除する箇所がミソになります。まぶたの皮膚は二重ライン付近は薄い皮膚ですが、上の方、つまり眉毛付近は厚めの皮膚です。

自然な美しい二重は、薄い皮膚が折りたたまれていることが必須なので、二重ライン付近の皮膚ではなく、皮膚の厚い眉毛の下で切り取ることが、自然に若返るポイントになります。

「切り取る」眉下切開

(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
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上述した眉下切開の手術で、眉毛下のラインに沿って皮膚を切除すると、若かりし頃の自然な二重が蘇ります。傷が怖い方には、当院では術前に眉アートメイクをしており、“ダウンタイム中の傷跡が全く気にならなかった”という声を多くいただいています。

ご興味がおありの方はぜひ適応だけでも聞きにきてくださいね。

◇ ◇ ◇

次回は、よく聞く『眼瞼下垂』についてです。目が開けにくい原因がたるみではなく、目を開ける機能の衰えの場合は、こちらになります。

周りから眠そうと言われる、夕方〜夜になると目の上が凹んできた、最近二重ラインが2本になってきたなどの症状がある方はぜひチェックしてください。

美容医療にまつわる知りたいこと、聞きたいことなどありましたら、コメント欄(執筆者は「増田えりか」を選択)へのメッセージをお願いします^^

(増田えりか/医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科))

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