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自分で資産形成する年金制度「iDeCo」そのメリットとデメリットとは?

  • 2024.11.24
老後がちらついてから考えても遅くない (C)nonpii/PIXTA(ピクスタ)
老後がちらついてから考えても遅くない (C)nonpii/PIXTA(ピクスタ)

新NISAがスタートし、投資を始める人や興味を持つ人が増えた2024年。一方、8月に起こった円相場と株式相場の急騰落では、「やっぱり投資は怖い」と不安を感じた人もいたのではないでしょうか。

とはいえ、実質賃金の低下や物価上昇が続く日本で、預金だけで将来に備えるのも厳しいのは事実。そこで紹介するのが、経済愛好家でコラムニストの肉乃小路ニクヨさんが提案するお金との付き合い方。

慶應義塾大学を卒業後、証券会社や銀行、保険会社などを渡り歩いてきたお金のプロであるニクヨさんが、新NISAやiDeCoの基礎知識とともに、堅実にお金を貯める方法についてレクチャー。将来を見据えたポジティブなマネープランを参考に、お金を育てることの大切さを学んでみませんか。

※本記事は肉乃小路ニクヨ著の書籍『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』から一部抜粋・編集しました。

60歳までお金を引き出せないのがiDeCoのデメリット。 老後がちらついてから考えても遅くない

国が作った資産形成のための優遇制度にiDeCo(個人型確定拠出年金)という制度があります。これは自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度です。新NISAと同じように定期的な積み立てで運用商品(定期預金・保険商品・投資信託)を買い(65歳まで拠出可能)、運用期間中は非課税で運用でき、掛金は所得控除の扱いを受けられます。受取時は一時金もしくは年金で受け取れます。一時金で受け取る時には退職所得控除、年金受取時には公的年金等控除となります。

一見新NISAよりも優れているように思えるiDeCoですが、一つだけ使い難い点があります。それは60歳まで原則として引き出しができないという点です。なので、急な資金の必要に迫られた際に現金化できないというデメリットがあります。ただ引き出せない分、掛金は放ったらかしにしておくしかないので、長期にわたってのんびりと運用できるというメリットもあります。

新NISAとの大きな違いは、運用に払ったお金について所得控除が受けられるというのがiDeCoの大きなメリットです。しかし、専業主婦やそもそも所得がない人にとって、所得控除は関係ないので、まずそういった人はiDeCoをしなくても良いと思います。あと、若い人、20代~30代の人などは老後のための資金の心配よりも、自己投資をした方が良いと思うし、結婚、出産、住宅購入、学資など、資金需要のあるイベントが続くので、新NISAが使いやすく変わった以上、60歳までお金を引き出せないiDeCoをあまり頑張ってやることはないのではないかと個人的には思います。

もちろん資金に余裕があって、所得も多くて、所得控除のメリットが多いという人はiDeCoも制限枠フルでやってください。でも、資金に余裕があまりなくて、まだ人生が固まっていない人は、老後がちらつく頃からでも遅くないのではないかと思っています。

● 本記事は、執筆時点の情報を元に作成しています。金融に関連する法律、制度が改正、または各社のサービス内容が変更される可能性がありますのであらかじめご了承ください。

● 投資には一定のリスクが伴います。売買によって生まれた利益・損失について、執筆者ならびに出版社は一切責任を負いません。投資は必ず、ご自身の責任と判断のもとで行うようにお願い致します。

著=肉乃小路ニクヨ/『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』

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