1. トップ
  2. おでかけ
  3. 手仕事とアートと。サマリテーヌの光り輝くボタニカル・ノエル。

手仕事とアートと。サマリテーヌの光り輝くボタニカル・ノエル。

  • 2024.11.25

デパートのサマリテーヌでは3年前にリニューアルオープンした際、1870年の創業時のアールヌーヴォー建築が見事に蘇った。正面の花のモチーフの装飾や館内の最上階の孔雀のモザイクなどが再び脚光を浴びている。自然を建築物に取り入れているのは時代の嗜好だけでなく、共同創立者マリ=ルイーズ・コニャック=ジェイが大いなる情熱を植物に傾けていたということもある。彼女は生まれ故郷であるサヴォワ地方の小さな村サモエンに私費を投じて作った3.7ヘクタールという広さの庭を村に寄付しているほどだ。

241120-Samaritaine-1.jpg
サマリテーヌの植物のイルミネーション。日中の鑑賞でもその魅力は味わえる。

彼女の自然への愛をいまも守り続けているサマリテーヌの今年のクリスマスは、その自然に美しく光を当てたデコレーションである。パートナーはイルミネーション・アートで有名なトワリィ・リュミエール・ソヴァージュ。カタツムリ、カラフルな蝶々、巨大なマッシュルーム......デパートの正面に幻想的な動植物の光の世界が繰り広げられている。ポン・ヌフ館の1階のパリ土産の売り場Loulouでは奇妙な生き物が光を放ち、キャビネ・ドゥ・キュリオジテ的雰囲気だ。光の遊びを楽しむ通路を渡り、リヴォリ通り側の館へ。そこには写真スタジオが設けられ、冬景色の中での思い出を写真に残すことができる。

241120-Samaritaine-2.jpg
館内の階段をサパンのグリーンがシックに彩る。
241120-Samaritaine-3.jpg
ポン・ヌフ側からリヴォリ通り側へ通路で、トワリー・リュミエール・ソヴァージュによる装飾を身近に体験する。
241120-Samaritaine-4.jpg
フォトスタジオで記念撮影を!

リヴォリ通り側のウィンドウも見逃せない。6つのウィンドウが温室に変身し、この世に2つとないユニークな花を咲かせているのだから。6名のアーティストがそれぞれクチュールの素材を用いてサヴォワールフェールを駆使してクリエイトした驚きのウィンドウだ。

館内でクリスマスのショッピングはもちろん。12月10日から1月8日まで、最上階のレストランVoyage Samaritaineでは特別メニュー(49ユーロ、69ユーロ)を味わえる。

241120-Samaritaine-5.jpg
向かいの建物が波打つガラスに映り込みパリの新しい景色を生み出しているリヴォリ通り側。6つのウィンドウで6名のアーティストがクリエイトした幻想の花が咲く温室を愛でよう。
241120-Samaritaine-6.png
左: Manon Davietによる「Macula Proliferum」。オレンジの花弁と巨大な葉が特徴の植物をニットで彼女はクリエイト。この植物は一度しか花をつけず、それも2カ月で散ってしまうという。右: Florian Sicardによる「Convegenia Floralis」。昔からの皮革技術を用いたレザーの花のシンフォニー。このクリエイションは人間の手の及ばぬ自然の力を象徴している。
241120-Samaritaine-7.jpg
Juliette Berthonneauによる「Pensiflora mobilea」。花弁が大きく、雌しべはカラフルという茎なしに空間に漂う花は冬の光を得て命を輝かせる。
241120-Samaritaine-8.png
左: Michel Jocailleによるスパンコールの「AstraDesideri」。子ども時代に隣の花栽培者のところに買いに行っていたという思い出からパンジーをテーマにした。と言っても、ハエを殺すテングダケとの交配種のパンジーである。右: Lucas Tortolanoによる「Pilosusu Hybrida」。フェイクファーの軟毛植物と軟毛昆虫たちが温室の中で繁殖し、サマリテーヌの館内の商品の保護者となるというストーリーだ。
241120-Samaritaine-9.jpg
Pauline d'Andignéによる「Rafflesianceae」。温室やウィンドウの限界ある空間と張り合うキルティングの巨大な花をソフト彫刻と彼女は表現する。

Samaritaine Paris
9, rue de la Monnaie 75001 Paris
営)10:00〜20:00
休)5/1
@samaritaine.paris

元記事で読む
の記事をもっとみる