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メーガン妃効果で知名度が急上昇。「女性のエンパワーメント」に情熱を注ぐ、ナイジェリア発のオリレ【若手デザイナー連載】

  • 2024.11.24
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今年5月。インスタグラムを開いたオリレ・アレンシンロイェは目を見張った。そこにはナイジェリアのアブジャで開催された「Women in Leadership」シンポジウムで、自身が手がけたドレスを着用しているメーガン妃の画像が投稿されていた。「夢を見ているのかと思いました」とラゴスを拠点とするブランド、オリレ(ORIRÉ)の創設者兼デザイナーのアレンシンロイェはZoomで『VOGUE』に語った。「彼女が私がデザインした服を着てくれたことは、私にとってとても大きな意味があります。彼女が支持するものすべてが、ブランドの理念と一致しているのです」

そしてアレンシンロイェは、身をもって“メーガン妃効果”のすごさを実感することになった。メーガン妃が纏った真っ赤な「ダイアー」ドレスへの世間の関心は段違いに高まり、ブランドサイトにアクセスが殺到してサーバーが落ちた。復旧した後は予約注文が次々と舞い込んだ。

オリレ 2025年春夏コレクションより。
オリレ 2025年春夏コレクションより。

「シーズンを越えて着られる、タイムレスなピースを作っています」と説明するアレンシンロイェ。実際に「ダイアー」も2021年の初コレクションで発表されたスリップドレスで、誕生からすでに3年余りが経つが、その魅力は一切色褪せていない。ミッドナイトブルー、ホットピンク、レモンイエローのシャーリングドレスも取り揃えているオリレのフェミニンなデザインを象徴する、ラッフルヘムの1着だ。

「エレガントで、遊び心があって、鮮やかでカラフルなピースです」と言うアレンシンロイェは、幼い頃から服作りを始め、ブリティッシュ・スクール・オブ・ファッションでファッション・ビジネスの修士号を取得した。

オリレ 2025年春夏コレクションより。
オリレ 2025年春夏コレクションより。
オリレ 2025年春夏コレクションより。
オリレ 2025年春夏コレクションより。

ブランドDNAの主幹となっている「女性のエンパワーメント」はメーガン妃も訴えていることで、だからこそ彼女が着るオリレはしっくりくる。「昔から女性のために何かしたいと強く思っていました」と語るアレンシンロイェ。その言葉通り、彼女は服や制作を通して女性をエンパワーすることに情熱を注いでおり、裁縫師たちには適正な賃金を支払い、アフリカ全土で月経衛生を支援する非営利団体Pad Up Africaなどのチャリティ団体と提携している。

また、サステナビリティも重要視していることのひとつだ。オーガニックコットン、リネン、シルクのほかに、地元で調達したデッドストックの素材を使用し、廃棄物や余剰在庫ゼロを目指してすべてのデザインをオーダーメイドで製作している。「とても緩やかなペースでブランドを回しています。設立当初も今もあまりリソースはありませんが、それで過剰生産などを抑制できています」

グローバルに展開することも視野に入れながら、今後も「今やっていることを続けたい」とアレンシンロイェは言う。「きれいな服を作って、社会に影響を与え、女性を支援していきたいです」。メーガン妃のお墨付きもあり、オリレの未来はたしかに明るい。

Text: Emily Chan Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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