臀筋活性化エクササイズは筋力を高め、ケガを防ぐために欠かせないものだけれど、実際に正しく行えている人はどれだけいるんだろう? ここでは、臀筋活性化の基本をわかりやすくご紹介。
「ジムで頑張って重いウェイトを持ち上げても、努力に見合った結果が出ていない気がする? その原因の一つは『臀筋(お尻の筋肉)活性化エクササイズ』にあるかもしれません」と話すのは、フィットネスインフルエンサーのアリス・リビング氏。
リビング氏は、「クライアントとのセッションで、臀筋の活性化について触れないことはほぼない」と続ける。その理由は、デスクワークやソファでのリラックスタイム、車の運転など座る時間が長い生活習慣が、私たちの臀部にある筋肉を徐々に「怠け者」にしてしまうから。「もし強いお尻を手に入れたいのなら、この状況を変える必要があります」とリビング氏。
なぜ臀筋は使われないの?
日常的に体を動かしている人でさえ、日々臀筋を最大限活用しているわけではなく、主に「座る」という目的のために使っている。そのため怠けた臀筋は、強度の高い運動に対応しにくくなり、他の筋肉に負担がかかりやすくなるのだ。
「臀筋がきちんと活性化されていない(臀筋活性化エクササイズを行っていない)ことは非常に一般的な問題です」と話すのは、エリートパーソナルトレーナーのハリー・ジェームソン氏。「これが原因でケガのリスクが高まるだけでなく、ランニングフォームが悪くなり、筋肉の引き締めも難しくなります」
リビング氏も「お尻を鍛えるには、週に数回スクワットをするだけでは不十分である」と指摘する。その代わり、下半身のトレーニング効果を最大限に引き出すためには、お尻の筋肉を特定のエクササイズで目覚めさせることが重要であるという。
臀筋の活性化とは?
臀筋活性化とは、臀部の筋肉を適切に強化するために行う一連のウォームアップエクササイズである。これにより、プルやスクワット、ジャンプ、スプリントといったさまざまな動作におけるパフォーマンスが向上する。
臀筋活性化エクササイズのやり方は?
トレーニング前に臀筋活性化エクササイズを行うことで、他の筋肉に頼ることなく、臀筋自体がしっかりと働くようになる。
体の背面に位置する臀筋や脊柱起立筋、ふくらはぎ、大腿二頭筋といった後ろ側の筋肉群を活性化させることで、各種動作の効果を最大化できるうえ、ケガのリスクも軽減される。
下半身の動作(サイクリング、ランニング、ウエイトトレーニングなど)を行う前に、15~20分程度のダイナミックなウォームアップとしてさまざまな臀筋活性化エクササイズを取り入れることが推奨される。
例えば以下のような臀筋活性化エクササイズに注目してみよう。これらは中臀筋、小臀筋、大臀筋、そして大腿筋膜張筋(TFL:歩行やランニング時に骨盤の安定を保つための外側の筋肉)にアプローチする。
臀筋活性化エクササイズのおすすめ5選
1. シングルレッグ・グルートブリッジ
ターゲット:お尻、コア
回数:左右各2セット、8〜12回
仰向けに寝て右膝を胸に引き寄せ、左脚は曲げた状態で足を床につける。
左足で床を押しながら、骨盤を天井に向かって持ち上げる。上げたら臀部を少し引き締め、元の位置に戻す。繰り返す。
2. バンドを使ったラテラル・ウォーク
ターゲット:股関節外転筋群、お尻
回数:左右各3セット、10回
膝上に抵抗バンドを巻き、足を肩幅より少し広めに開いて立つ。
膝を軽く曲げた状態で左足を大きく一歩踏み出し、右足をそれに続ける。これを1歩とし、合計10歩行ったら逆方向に移動。
3. バンドサイド・ライイング・クラム(バンド付き)
ターゲット:股関節外転筋群、お尻
回数:3セット、10回
膝上に抵抗バンドを巻き、肘で体を支えた横向きの姿勢で膝を90度に曲げる。
足を合わせたまま、上側の膝を可能な限り持ち上げ、臀筋をしっかり収縮させてから元の位置に戻る。
4. フロッグ・ポンプ
ターゲット:お尻
回数:3セット、10回
仰向けになり、足を合わせて膝を外側に広げ、足を骨盤に近づける。
頭を持ち上げ、アゴを引いた状態で骨盤を持ち上げ、2秒間キープしたら下ろす。これで1回とし、10回行う。
5. クアドラプル・ヒップエクステンション
ターゲット:股関節屈筋、お尻
回数:左右各3セット、10回
四つん這いの姿勢で、手を肩の下、膝を腰の下に置く。
片脚を持ち上げ、膝を90度に曲げたまま足の裏が天井を向くようにする。脚を元の位置に戻す。これを1回とし、10回行ったら反対側も行う。
このエクササイズに抵抗バンドは使える?
もちろん。多くのパーソナルトレーナーが抵抗バンドを活用して臀筋活性化エクササイズを行っている。
臀筋活性化エクササイズでお尻を大きくできる?
可能である。ただし、より効果的な臀筋の成長を目指すなら、「お尻を大きくする方法」のガイドを参考にするのがベスト。
※この記事はアメリカ版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
Text:Bridie Wilkins AND Alice Liveing Translation: NANITA