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【ベストセラー作家が推す韓国時代劇】『風と雲と雨』は美しいロマンスに彩られた歴史巨編

  • 2024.11.24

『風と雲と雨』でパク・シフが演じるチェ・チョンジュンは、もともと両班(ヤンバン)の御曹司で驚異的な頭脳を持っていた。しかし、父親が悪徳高官のキム・ビョンウン(キム・スンス)の陰謀によって無実の罪を着せられ、野望に燃えた悪人インギュ(ソンヒョク)によって殺されてしまう。

没落したチョンジュンは、苦難の末に天才的な易術師になった。彼は王族たちと関わりながら、次期国王選定という権力闘争の渦中に入って活躍していく。

そんなチョンジュンが恋慕していたのが、コ・ソンヒが扮したボンリョンである。特殊才能の持ち主で、未来を予見することができる。しかも王女の資格もあったのに、悪徳な一族たちに囚われてしまう。

そうした境遇を持ったチョンジュンとボンリョンが、運命的なラブロマンスを繰り広げていくのが『風と雲と雨』のメインストーリーだ。

特に強調したいのは、19世紀後半の朝鮮王朝の歴史が壮大なスケールで描かれていることだ。次期国王の争いと主人公2人のラブロマンスが劇的にリンクして、ワクワクするほど面白い。

『風と雲と雨』
画像=TV CHOSUN
ロマンス時代劇として記憶に残る作品

キャストも文句なしだ。主演のパク・シフは颯爽と韓服を着ていて、とても絵になる。『王女の男』もそうだったが、本当に時代劇が似合う俳優だ。何よりも、彼が演じたチョンジュンがとても華のあるキャラクターだった。

卓越した頭脳で易学をマスターし、人間の将来を占う才能を身につけて躍進を遂げていく。そうした人物像をパク・シフは、端正な顔立ちと重厚感がある声質で魅惑的に演じきっていた。

また、ヒロインのボンリョンに扮した実力派女優のコ・ソンヒは、愁いを含んだ表情がとても良かった。さらに、次期国王の鍵を握っている王族のイ・ハウンを名優のチョン・グァンリョルが演じていることも頼もしかった。

悪役も存在感が強烈だ。キム・スンスとソンヒョクは汚れ役をとても憎たらしく演じていて、ピリピリするような緊迫感をもたらしていた。

見どころが多い『風と雲と雨』は、最高級のキャストが繰り広げた歴史巨編のロマンス時代劇として記憶に残る作品に仕上がっていた。

〔『風と雲と雨』ドラマ概要〕
制作/TV CHOSUN、全21話、2020年
配信/U-NEXT
演出/ユン・サンホ
脚本/パン・ジヨン
出演者(演じた役名)/パク・シフ(チェ・チョンジュン)、コ・ソンヒ(イ・ボンリョン)、チョン・グァンリョル(イ・ハウン/興宣大院君)、キム・スンス(キム・ビョンウン)、ソンヒョク(チェ・インギュ)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

作家。1954年東京・向島で生まれる。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作が多い。『知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』を含めた朝鮮王朝三部作は70万部を超えるベストセラーとなった。最新刊は『朝鮮王朝「背徳の王宮」』。

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