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千葉雄大さん、気分の波もあるからこそ「日々、生きてるなぁ」 書籍『喋って食って零キロカロリー』出版

  • 2024.11.24

俳優の千葉雄大さん(35)が、書籍『喋って食って零キロカロリー』(ワニブックス)を11月20日に出版しました。毎回一つのテーマについて千葉さんが話しながら何かを食べるだけ、という雑誌「プラスアクト」での連載約6年分をまとめたものに、北海道での撮り下ろし写真と高校時代からの友人との対談を加えた1冊です。千葉さんに、この連載を通して考えた「伝える」ことの難しさや食の楽しみ方などについて、お聞きしました。

「伝える」って怖いことだけど

――まずは、この連載『喋って食って零キロカロリー』の企画のきっかけやタイトルの由来を教えてください。

千葉雄大さん(以下、千葉): 連載を始めるにあたって、どういう企画にするかを決める時の雑談の中で、僕がただ何かを食べたり飲んだりしながら自由に話してみたらいいんじゃない?という流れからだったと思います。

このタイトルは僕が考えたんですけど、命名の理由は語呂がいいから! あとは、食べた分のカロリーを、喋ることによって消費して、心のデトックスにもなるという意味も込めています。そうなると本当は「食って喋って」の順になるのですが、そこは語呂重視で!

――「占いを信じすぎる人」の回ではうな重、「親切の押し売り」の回ではチョコレートなど、毎回「お喋り」するテーマや、その時に食べるものとの関連性はどのように決めていたのでしょうか。

千葉: 喋るテーマは事前に何となく決めていました。でも、その時に食べるものとの関連性は特に何にもなくて(笑)。年に1回くらいは僕から「これが食べたい」という希望をお伝えするのですが、大体「お寿司が食べたい」としか言わないので、毎回編集さんが考えて用意してくださいました。

朝日新聞telling,(テリング)

――「ひとり語り」とはいえ、「そうそう」と思うことや「よく言ってくれました!」と共感することが多く、誌面を通して「おしゃべり」しているような気持ちになりました。「喋ること」で心がけていたことはありますか?

千葉: 「伝える」って怖いことだなと思います。今はSNSが発達し浸透している世の中で、自分が発信することが、知らないところでだれかを傷つけてしまうこともありますよね。でもそれって多分「当たり前」で、仕方のないことでもあると思うんですよ。例えば、職場でちょっと上司の悪口を言ったり、家で友達と話したりしている時は「これをどこかで誰かが聞いていたらどうしよう」なんてそんなに気にしないじゃないですか。

僕が連載をさせてもらうにあたって、どこか保守的になっても面白くないと思ったし、コソコソ話じゃないけど、友達と話しているようなテンションでやりたかったから、そこのバランスは難しいところでもありました。

この連載のいいところが、手書きコラムの部分を後で書けるので「ちょっと言い過ぎたな」と思ったところはそっちで反省して、両方を読んで楽しんでもらえる構図にしたつもりです。

朝日新聞telling,(テリング)

――「自分はこう思うけど、こういう風に考える人もいるよね」と、ご自身の考えや意見はハッキリ話しつつも、自分とは違う考え方の人を決して否定しませんよね。

千葉: 例えば、ポジティブなことのはずなのにそれをネガティブに捉えたりする人や、その逆もありますよね。それは仕方がないことだし、その人の全部を理解しなくていいと思うんです。人はみんな違うものだと思うので「僕はこう思うけど、あなたはそういう考えなんだね。おもしろ~い」という風に思うだけでいいんじゃないかなって思います。

――ご自身が「喋る」ことを改めて振り返って、どんなことを思いますか?

千葉: 毎回思うことは違うんですよ。僕がしゃべったことを原稿にしてもらってそれを読み返していても、「この時はきっと虫の居どころが悪かったのかな」と思う時もあるので、自分でもその頃の気分の波を感じます。今回はその6年分をまとめているので、なおさら「自分って面白いな~」「日々、生きてるなぁ」って思います。

自炊を頑張る日は「何かが溜まっている時」

――「食う」でいうと、ご自身のInstagramでは手料理も披露されています。自炊を始めたのはコロナ禍からだったそうですが、千葉さんなりの食の楽しみ方を教えてください。

千葉: 自炊はコロナ禍になる前から少しはしていたんですけど、自粛期間になった頃からより作ることが多くなりました。僕は地のものや旬のものが好きなので、そういう食材を使うことは割と意識しています。

以前、肉じゃがを洋風の味付けにアレンジしてみたのですが、それは意外と美味しかったな。僕は日常的に自炊しているわけではないので、インスタに手料理を載せているのは、すごく頑張った日だけ。あとは大体、ほうれん草をゆでてかつおぶしをパパっとかけたようなものばっかりなんです。

何品かまとめて作っている日は、大体、自分の中に色々なものが溜まっている時なので、効率よくフライパンを使いながらほかのものを仕込んで、出来上がったらどんどん保存容器に詰めて、最後はきちんと片付いている! それがすごく気持ちよくて満足するんです。食べることももちろん大事だけど、自分で作る時はその過程が楽しくて大切な時間なのかもしれません。

朝日新聞telling,(テリング)

――無心になって料理して、出来上がったときの達成感や喜びみたいなものはありますよね。

千葉: 無心になりたいときはタコスがおすすめです。具材に使う玉ねぎを大量にみじん切りしなきゃいけないから、「これ、玉ねぎ何個あるんだろう?」って思いながらずっと刻んでいます。ちなみに、僕はまだみじん切り器には頼っていません。でもきっと毎日料理をする方からは「少しでも時短したいからガンガン使ってるわ!」って言われるんだろうな(笑)。

■根津香菜子のプロフィール
ライター。雑誌編集部のアシスタントや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランスに。学生時代、入院中に読んだインタビュー記事に胸が震え、ライターを志す。幼いころから美味しそうな食べものの本を読んでは「これはどんな味がするんだろう?」と想像するのが好き。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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