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【ネタバレ】映画『search/#サーチ2』事件の時系列を整理&1作目よりアップデートされた部分とは?ラストも徹底考察!

  • 2024.11.29

全編がPC画面内で進行する革新的な映画『search/サーチ』が公開されて、すでに6年の月日が流れた。

この5年の間に世界は様変わりし、インターネット上では新たなシステムが構築され、ここ数ヶ月でAIが映画のレビューを書けるようになっている。

ネットの進化は留まることを知らず、わずか6年で『search/サーチ』の画面に若干の“古さ”を感じるようになってしまったほどだ。

そんな激動の時代に『search/#サーチ2』が公開されるとあって、不安があったのも事実だ。本作ほどインターネットと密接に関わった映画は、文化的な時代遅れになるリスクも高いといえる。

そこで、本記事では『search/#サーチ2』の時系列を簡単に復習しつつ、本作ならではの魅力を紹介していきたい。

Filmarksユーザーの評価は?

前作と変わらない独特なドキドキハラハラと点と点が繋がったときのスッキリ感が気持ちいい。

searchも良かったけどジューンが若いからか1作目のお父さんよりネット慣れしていて調子よく物事が進んでいく感じも良かったし緊迫感?切迫感?とにかく1作目よりハラハラしたかもとにかく頭の回転はやーー!

伏線がしっかり散りばめられているので途中で犯人は予想しやすいもののハラハラドキドキで楽しめた

前作よりもInstagramとかGoogleとかいつも使ってるsnsがたくさん出てくるから、リアルな感じで最後まで面白かった!

『search/#サーチ2』(2023)あらすじ

大学進学を控えているティーンエージャーのジューン(ストーム・リード)は、コロンビアへ旅行に行っていた母・グレイス(ニア・ロング)を迎えに、空港までやってきていた。

しかし、いくら待っても母が現れることはなく、FBIのパーク捜査官(ダニエル・ヘニー)からグレイスが失踪していることを告げられる。ジューンはすぐにネット上に溢れる情報を探り、グレイスの捜索を開始するのだった。

その結果、グレイスの恋人だったケヴィン(ケン・レオン)に犯罪歴があったことが判明。ケヴィンのアカウントにログインし、さまざまな情報を探っていくにつれて、徐々に事件の全貌が明らかになっていく。

グレイスが隠しとおしてきた過去を暴くとき、ジューンは衝撃の事実を知ることになるのだが……。

※以下、ネタバレを含みます

『search/#サーチ2』の時系列をネタバレ解説

FILMAGA

本作は複雑な時系列を有した作品であり、1度観ただけではすべての流れを理解することは難しいかもしれない。

そこで、本編の魅力について語る前に、作品内の時系列を再確認しておこう。

ジューンの父が死亡する

主人公のジューンがまだ幼い子どもだった頃、実の父・ジェームズが死亡する。

しかし、映画終盤では父の死はグレイスがついた嘘であり、実は刑務所に収監されていたことが明かされる。

事実は薬物中毒者だったジェームズから逃げるため、グレイスは警察と司法取引をおこない、過去の経歴を抹消していた。その結果、グレイスは「過去の情報がない謎多き人物」として、ジューンに疑われることになる。

一方、事件を担当していた弁護士のヘザーはグレイスと親友になり、映画冒頭の関係に繋がっていく。

グレイスがケヴィンと交際をはじめる

それから10年以上が経過し、グレイスはマッチングアプリでケヴィンと知り合う。

ふたりは意気投合し恋愛関係になるが、ケヴィンはジェームズが刑務所で知り合った男だった。グレイスとケヴィンは互いの悩みを告白できる間柄になり、ついにコロンビアへ旅行に行くことが決まる。

グレイスが旅行に出発する

ジューンをヘザーに任せ、グレイスはケヴィンとともにコロンビアへ旅立った。

しかし、これは出所していたジェームズが仕掛けた罠であり、タクシードライバーに扮した彼はグレイスを誘拐。自宅に監禁してしまう。

一方、コロンビアへ旅立っていたケヴィンは、国境付近で機動隊に射殺されこの世を去った。

ジューンがグレイスの捜索を開始する

母の失踪を知ったジューンは、その行方を追い、コロンビアに住むハビに捜索の依頼をする。徐々に真実に近づいていったジューンだったが、その動向はジェームズに見張られていた。

危険を感じたジェームズはヘザーを殺害し、ジューンの自宅を訪問。ついに親子の再会が果たされたが、ジェームズはジューンを誘拐し、グレイスのもとへ連れていく。

事件の決着

切羽詰まった状況に陥ったジューンとグレイスは、ジェームズの隙をついて反撃。ジェームズは死亡するが、取り残されてしまったジューンはリモートでsiriを起動し、警察に通報する。

撃たれてしまったグレイスは、到着した機動隊に保護され一命を取りとめた。事件は大きく報道され、再現ドラマも制作されるなど、ネットで話題になる。

1作目よりもアップデートされた部分

前作の『search/サーチ』は、全編PC画面を映すだけという奇抜な設定だけではなく、ストーリーも高く評価された。映画の終盤、画面に映し出されていたすべての情報が繋がってくるシーンで鳥肌が立った人も多いだろう。

しかし、『search/サーチ』には「先駆者だからこその面白さ」があった。影響を受けた映画が二番煎じの作品を作ったところで、ジャンルを切り開いた『search/サーチ』ほど評価されることはなかったはずだ。そして、「出し尽くした感」があったことは否めない。

そんな状況で公開されたのが『search/#サーチ2』である。続編ではあるものの、1作目と同じ手法だから新鮮味は薄れるのは確実だ。「出し尽くした感」への対処も難しいだろうし、1作目を超えるストーリーを作るのも不可能に近い。

……といったような浅はかな考えを、筆者は持っていた。

蓋を開けてみると、前作から想像を超えた大幅なアップデートが施されていた。特に主人公がティーンエージャーになったことは、大きな進化といえる。

前作の主人公は、表現が悪いかもしれないが、いわゆる“おっさん”だった。知的な雰囲気を漂わせてはいるものの、ネット文化に“浸れていない感”は否めない。一方、本作の主人公は18歳のネット文化ド直球世代、“Z世代”の少女だ。この世代は生まれたときからネットがあり、小学生に入る前にスマホが誕生した、ネットにずぶずぶ浸っている世代である。

そのため、失踪した人間を探すため、スマホにPC、スマートウォッチまでを駆使し最初にネットの海に飛び込んでいくのも頷ける。グーグルアカウントにログインする展開にはヒヤッとしたが、ネットのシステムを存分に使いこなしていくのは、同じZ世代の人間として気持ちの良いものがあった。前作の主人公と比較して、はるかに効率よく、スピーディーに行動している点にも注目したい。

また、PC画面という15インチ程度の小さいディスプレイの中で、非常にワールドワイドなストーリーが展開する。ネットを通じてコロンビアの協力者と連絡を取ったり、現地のカメラを利用したりと、スケールがかなり大きくなった。

映画の枠を超えてゆけ

映画的に考えると、この映画はほとんどのシーンでカメラが固定されている。ひたすらPC画面を映しているのだから当然なのだが、これほどカメラが動かないのは、映画のルールに反しているといえるだろう。また、俳優がカメラ目線になってしまうのも、映画ではご法度だ。演出として使用することはあるが、本作ほどカメラ目線の俳優が映される映画は他に存在しないのではないだろうか。

このように、『search/サーチ』シリーズは映画のお約束を破り続けている。もはやスクリーンで観るよりも、実際にPC画面で観た方が、リアリティーのある珍しい映画だ。

本作はある意味で、新しい映画の文法になるのではないだろうか。技術の発達にともない、映画は進化を続けてきたが、実は基本的な構成は『ローマの休日』の時代からほとんど変わっていない。カメラを通して撮影された世界に人々は感動し、大きな夢を抱いてきた。

しかし、『search/サーチ』シリーズはその構成を根本から覆している。なによりも身近で驚きが一切ないPC画面を映し出し、その小さな枠の中でハチャメチャに面白いストーリーを紡いでいく。カメラワーク、カット割、CG、編集。映画撮影において大事とされてきたほとんどのことが、この作品の前では意味をなさない。それほど、映画の常識を大きく超えてしまった作品なのだ。

と、いろいろ壮大なことを書いてしまったが、『search/サーチ』が作り出した未来を語るよりも、まずはグーグルアカウントの二段階認証を設定したい。

『search/#サーチ2』作品情報

監督・脚本:ウィル・メリック、ニック・ジョンソン
原案:アニーシュ・チャガンティ

(C) 2023 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

※2023年4/20時点での情報です。

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