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ダウンはどこまでモードになれる? UK版『VOGUE』エディターが考えるパファージャケットのシックな着こなし

  • 2024.11.24
UK版『VOGUE』のエディター、ジュリア・ホブス。
UK版『VOGUE』のエディター、ジュリア・ホブス。

意外でもないだろうが、パファーやダウンジャケットを着た人のストリートスナップはあまり見ない。各国のファッショニスタたちが集うファッションウィーク期間中に撮られたものでも、その数はわりと少ないように思う。機能性よりもファッション性を優先したアウターに身を包む人がほとんどで、全体的にボリューム感がありかさばるダウンなどは、ショー会場やフロントロウといったスペースが限られた場所には不向きで、着たまま鑑賞するゲストはいないに等しい。故に、スタイリングのお手本にできるコーデ写真も数が限られている。

とはいえ、とてもじゃないけれどダウンでないと冬を越せないという、厳しい気候の中で暮らしている人や寒さに弱い人たちもいる。そういった人たちはどう着こなしているのだろうか。また、着膨れせずにシックに見せるスタイリング術はあるのだろうか。

2024-25年秋冬ミラノメンズコレクションのストリートにて。
Street Style - Day 3 - Milan Fashion Week - Menswear Fall/Winter 2024-20252024-25年秋冬ミラノメンズコレクションのストリートにて。

「よほど寒くならないと、パファージャケットは着ないです。レザージャケットの下にサーマルシャツを重ね着する方がいいです」と言うUK版『VOGUE』のシニア・コマース・ライターのアリス・キャリーだが、どうしても寒さに耐えられないときは、着太りしにくい66ディグリーズノース(66°NORTH)のコートイエンキ イエンキIENKI IENKI)のものに、ヴィンテージのシェルパンツやトラックパンツを合わせるのが好きだそう。

ファッション・フィーチャーズ・エディターのローラ・ホーキンスも同意見で、「私が持っているコートは足首まであるホルツワイラー(HOLZWEILER)のブラックな1着なのですが、超オーバーサイズのパファーに合わせるのは大ぶりなサングラス、トラックスーツパンツ、バギージーンズ、アグ(UGG®)くらいですかね。冬はほぼこのパターンで過ごしています」

2025年春夏パリコレクションのストリートにて。
Street Style - Paris Fashion Week - Womenswear Spring/Summer 2025 - Day Two2025年春夏パリコレクションのストリートにて。

「私が持っている唯一のパファージャケットはザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)のものです」と話すファッション・ニュース・エディターのダニエル・ロジャースは、ダウンをおしゃれに着こなす鍵はレイヤリングだと言う。「(長めの丈感で、ひざから下が弛んでいる)スタックデニムやヘビーデューティーなボトムを履けば、脚だけ極端に細見えするアンバランスなルックを避けられます」。つまり、全体のバランスが取れないため、レギンスはもちろん、ドレスの上から羽織るのはおすすめできないということだ。

ニューヨーク・ファッションウィークのストリートにて。
ニューヨーク・ファッションウィークのストリートにて。

最高のダウンコートとは、着る人のシルエットに沿うように体を包み込んでくれるもので、上半身ばかりにボリュームが出るものではない。なので、アウトドアブランドなどが展開する本格的な機能性重視のアウターよりは、中綿が入ったパデッドジャケットやボンバージャケットの方が、そこまでの防寒性を必要としないタウンユースには映える。ファッション・フィーチャーズ・エディターのジュリア・ホブスの装飾があしらわれたプラダPRADA)のキルティングジャケットや、リアーナのフェイクファーのトリミングを施したマルニMARNI)の1着などがいい例だ。

2024-25年秋冬ミラノメンズコレクションのストリートにて。
Street Style - Day 3 - Milan Fashion Week - Menswear Fall/Winter 2024-20252024-25年秋冬ミラノメンズコレクションのストリートにて。

環境への影響も考えると、ダウンは一生ものであるべきアイテム。ひと冬ではなく、何年も活躍する着回しの効く1着を求めているのであれば、自分のライフスタイルにあった防寒性とファッション性を兼ね備えたものにするのが賢明なのかもしれない。

Text: Alice Newbold Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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