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“ハイウエスト”ならぬ“ノーウエスト”。ますます加速するデニムの多様化

  • 2024.11.22
Street Style - Paris Fashion Week - Womenswear Spring/Summer 2025 - Day Eight

今年は、デニムへの注目度が最高潮に達したように思う。全部ちゃんと履いているかはさておき、私も現在ジーンズを25本くらい持っていて、見事なまでに熱狂の渦に巻き込まれている。そして最近気になり始めたのが、ウエストバンドがない“ノーウエスト”タイプのデニムだ。

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ウエストが切りっぱなしのノーウエストジーンズは、90年代後半から00年代前半を彷彿とさせるデザインで、特にこの頃のマライア・キャリーのイメージが強い。超がつくほどのローライズ好きのキャリーは「ハートブレイカー」のPVでノーウエストデニムを着用し、自身が考案したスタイルとまで豪語。「上の部分をちぎったんです」と彼女は2017年にUS版『VOGUE』に語っている。「とにかくハイライズ過ぎて、それが嫌で。どこのものなのか友人に聞かれました」

以来、ノーウエストデニムはジュリア・フォックスホールジーといったセレブ、さらにはY2Kブームに乗るファッショニスタたちにも愛用されてきた。常に新たな着こなしを求めるおしゃれ賢者たちにとって、奇抜なまでにローライズなデザインは特に新鮮に映るのだろう。

シャネル 2025年春夏コレクションより。
シャネル 2025年春夏コレクションより。
バレンシアガ 2023年春夏コレクションより。
バレンシアガ 2023年春夏コレクションより。

また、最近になってノーウエストデニムは「Y2K」という括りにとらわれず、よりカジュアルで一般的なタイプのジーンズとして浸透し始めている。その普及を牽引しているのがディーゼルDIESEL)だろう。ウエストが切りっぱなしのデニムを率先して打ち出し、今ではダメージ加工が施されたバギーシルエットからストレートレッグのダークウォッシュまで、あらゆるモデルがラインナップに揃う。

2025年春夏コレクションで発表されたシャネルCHANEL)のビジュー付きジーンズや、激しいダメージに汚れのような加工をあしらったバレンシアガBALENCIAGA)の1本など、実験的なデザインが多数展開されるようになった今、絶え間なく多様化するデニムは、また新たな時代に突入しているように感じられる。

Text: Daisy Jones Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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