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世界一周を夢見て出会った考え方~プランド・ハップンスタンス理論~

  • 2024.11.28

私は今、世界一周している。

「世界一周するなんて勇気があるね」と言われることがあるが、旅立つまでには様々な葛藤があった。

特に、旅に出るために新卒で入社した会社を退職するのはとても怖かった。

この恐怖と向き合っているときに出会ったのが"プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)"という考え方。

プランド・ハップスタンス(Planned Happenstance)
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が1999年に提唱したキャリア形成に関する理論。
プランド・ハップンスタンス理論は、キャリア形成において偶発的な出来事や予期せぬ機会を積極的に利用することを強調する。従来のキャリア論では、明確なゴールを設定し、それに向けて計画的に進むことが求められたが、この理論は、予期せぬ出来事をポジティブに捉え、キャリアアップにつなげることを提唱している。

この理論に出会ったおかげで、私は今、自分の気持ちに正直に、やりたいことを優先してライフプランを立てられている。

世界一周のために退職する恐怖

TABIPPO.NET

私が世界一周を夢見るなかでぶつかった一番の壁は、1年間世界を旅するために、新卒で入社した会社を退職する必要があったことだった。

会社を辞めるのはとても怖く、具体的には「旅する間収入がゼロになること」「再就職するとき今より良い会社に巡り合えないかもしれないこと」に恐怖を感じた。

どうしても世界一周に行きたかったため、会社を退職する覚悟はできていた。それでも、恐怖は拭えず、仕事を楽しいと感じるとき、休日を満喫しているとき、ふとした瞬間に

「世界一周に行かなくてもこれだけの幸せは味わえる。この安定を捨ててまで旅に出る必要はあるのか。」

という考えが頭をよぎった。

会社を退職することに少なからず恐怖を感じる日々。そんななかで出会ったのが“プランド・ハップンスタンス理論”だった。

プランド・ハップンスタンス理論との出会い

TABIPPO.NET

私は、TABIPPOが運営する旅好きのためのオンラインコミュニティ“POOLO”の講義を通して“プランド・ハップンスタンス理論”に出会った。

この考えを紹介してくださったのは、LGBTエンタメサイト"やる気あり美"の編集長である太田尚樹さん。

自身がゲイであることに気づき、人生が思い通りに進まなかった太田さん。それでも、軌道修正しながら現在のポジションまで辿り着いた経験談を交えながら、“プランド・ハップンスタンス理論”について解説してくださった。

“プランド・ハップンスタンス理論”とは、簡単に説明すると「キャリアの8割は偶然の出来事によって決まる」「好ましい偶然を引き寄せる5つの要因(粘り強さ・好奇心・楽観性・冒険心・柔軟性)がある」という考え方。

今を輝く人たちが、どうやって今のポジションを手にしたか調査した結果、偶然であることが多いことが判明。計画が上手くいかなくても、好ましい偶然を引き寄せる行動を取りながら、たまたま舞い込んできたチャンスを掴みつつ、軌道修正していけば、自分が満足する生活に近づけるという考え方である。

太田さんは、計画は思い通りには進まないこと前提で行動し「プラン→ハップン(思い通りにいかない出来事)→新プラン(修正案)」を繰り返せば、より良い方向へ導くことができると説明。

私は、この理論を聞いたとき、不確かな未来を不安に思って行動を躊躇うより、今やりたいことに取り組みながら生きていけば良いと感じた。

人生はプランドハップンスタンス

TABIPPO.NET

世界一周に旅立つ前、旅のためのバケットリストを作った。世界中の行きたい場所、やりたいことを列挙したリストを見ると胸が弾んだ。

実際に旅している現在はどうかというと、行きたいところはあるが移動に疲れ、バケットリストを削る日々。

旅立つ前に立てた計画は全く予定通りにはいっていない。でも、これで良いのだと思う。

やってみて初めて気づくことがある。

「何か違うな?」と違和感を覚えることがある。

新たなものに興味を持つことがある。

たとえ計画通りに行かなかったとしても、そのおかげで偶然出会える人や場所がある。

計画は柔軟に変更しつつ、偶然舞い込んできたチャンスを掴みながら次の行き先を決める。

偶然を積み重ねた先で最高のものに出会えると信じて。

進んだ先で、今の自分が感じている気持ちに正直になって、これからどう進めば良いか決めれば良い。

世界一周という夢を追う中で出会った“プランド・ハップンスタンス理論”。

旅の行き先を決めるときも、旅が終わった後の人生を考えるときも、私が大切にしている考え方となっている。

All photos by yuikana

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