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【間違えやすい漢字クイズ】「かんぺき」と書いたつもりですが…実は間違い!正しくはどう書くの?

  • 2024.11.22

今回は、ネットで見かけて、ちょっと面白かった漢字クイズをひとつご紹介します。「完全で欠けたところがない」「欠点や不足がまったくない」という意味の「かんぺき」。漢字でどう書くのでしょう?実は、この「かんぺき」という漢字、間違えて覚えている人がけっこう多いようで…。自信満々で「書けた!」と思ったわたしも例外ではなく、見事に間違えました(笑)。「完」と「壁」だと思っていたら、違うんですってよ!!!



「完」+「壁」=かんぺき…じゃないってマジ!?

間違いやすい漢字クイズ♪

紙とペンを用意して、ぜひ、書いてみてくださいね。

【問題】
「完全で欠けたところがない」という意味の「かんぺき」。漢字でどう書くのでしょう?


writing time♪



みなさん、書けましたか?

正解は「完璧」

「ぺき」は「壁」ではなく「璧」

部首が「土」ではなく、「玉」なのです。

「かんぺき」という言葉はよく使うものの、スマホやパソコンに入力すると漢字に変換してくれるので、「璧」と変換されているとは気づきませんでした(苦笑)。

実際に紙にペンで書いてみると、あれ、どうだったっけ?なんてことが起こり、調べてみようとしますが、最近では“書く“ことがほぼなくなり、スマホとパソコン頼り。そのため、漢字力も向上することなく、衰退の一途をたどるのみ。悲しい…。

ところで、この「璧」という漢字。あまり見かけない漢字ですよね。わたしだけ?

調べてみると…。

「璧」(音読み:へき 訓読み:たま)は、①古代中国で祭祀などで使われたドーナツのような形をした平たい玉器。②玉のように美しいもの、玉のように立派なもの。という意味があるそうです。

そして、「完璧」には、「完全で欠けたところがない」という意味のほか、「傷のない完全な宝玉(宝石)」という意味もあるとか。



そう言われてみると…。

部首が土の「壁」で「完壁(=傷のない完全なかべ)」とするより、部首が玉の「完璧(=傷のない完全な宝玉)」とする方が、立派であるのと同時に、“美しさ“の意味を含む感じがして、いいですよね。

そして、「完璧」について調べていたら、自分の間違いが新たに見つかりました(苦笑)。

それは、「そうへきをなす」の「そうへき」という言葉。

これも部首が土の「壁」ではなく、部首が玉の「璧」を使い、「双璧」と書くそうです。

意味は、①二つの優れたもの。②一対の宝玉。

優劣がつけられないほど、どちらも素晴らしい状態を表す言葉なので、「璧」を使うんですね。



実はわたし、「そうへき」は「立ちはだかる2つの大きな存在」といった意味だと思っていました。だから「壁(かべ)」を使い、双“壁“なんだと、てっきり…。

意味自体、間違っていたわけです(苦笑)。

『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本 吉田裕子著』(かんき出版)にも、間違いやすい言葉として取り上げられているようなので、わたしのほかにも、勘違いされている方がいらっしゃるかもしれませんね。

では最後に、「完璧」という言葉の由来についても触れておきます。


「完璧」の由来とは?

「完璧」という言葉は、そもそも「大切なものに傷をつけず無事に持ち帰る」という意味だそう。司馬遷によって編纂された歴史書『史記』に記された故事が、由来になっているそうです。

けっこう長い話なので、かいつまんで紹介しますね。

時は、中国の戦国時代(紀元前403年~紀元前221年)。趙国の王がすばらしい璧(玉)を手に入れます。それを聞きつけた大国・秦の王は「15の城(城壁で囲まれた町)をやるから、璧を譲ってほしい」と頼みます。

趙国の王はどうしたものか…と悩みます。璧を譲らなければ、それを口実に秦によって攻められるかもしれない。かといって璧を与えたら、約束を反故にされ、町ももらえず、璧だけだまし取られる可能性もあるし…と。

そこで、白羽の矢が立ったのは、藺相如(りんしょうじょ)という、デキる男。


画像出典:イラストAC

藺相如は趙王に「秦王が約束を破ったら璧に傷一つ付けず王のもとにお戻しいたします」と宣言し、秦国へ。

案の定、秦王は、約束を守るつもりはさらさらなく、璧を横取りしようとたくらんでいました。

しかし、藺相如は、秦王のたくらみをすぐさま見破り、知恵と勇気をもって璧に傷ひとつ付けず、趙王のもとへ戻すことに成功しました。

この故事から「完璧帰趙(もとのまま、傷ひとつなく璧が趙に帰る)」という言葉が生まれ、これが「完璧」という言葉の由来になったそうです。

ちなみに、藺相如が秦王の嘘を見抜き、命がけで璧を取り戻す際、秦王に対して「よくもだましてくれたな!!!」と、髪の毛が怒りのあまり逆立っていた様子から、「怒髪(どはつ)天(てん)を衝(つ)く」という言葉も生まれたそうですよ。

怒りに満ちた、こんな形相を表す言葉です。


画像出典:イラストAC

めちゃめちゃ怒っていますよね(笑)。

秦王をひるませるほどなので、藺相如の気迫は、さぞやすごかったんでしょうね。

…ということで、

話が脇道にそれたりもしましたが(笑)、今回は「完璧」についてまとめました。

言葉の意味や由来を知っていれば、「完璧」の「ぺき」を、部首が土の「壁(かべ)」にすることはなさそうですよね。それに、スマホやパソコンの変換に頼りすぎず、たまには紙にペンで“書く“ことも大切だな、とつくづく思いました。

ちなみに、IT先進国・教育先進国と言われているスウェーデンでは、学校教育のデジタル化が学力の低下につながっているらしく、紙と鉛筆のアナログ教育に回帰。「静かに本を読む・手書きの練習をする」ことに重点が置かれるそうですよ。

デジタルもアナログも、バランスよく!ですね(笑)。

<参考文献>
WEB

『中国語スクリプト〜完璧〜』
http://chugokugo-script.net/koji/kanpeki.html

『ことばのコラム〜今週のことわざ・完璧〜』
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kotowaza22

『 マイナビ学生の窓口〜その言葉、間違った意味で使っていませんか?『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』#Z世代Pick〜』
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/75905

 

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