組み替えられた言葉と絵の間を行き来する面白さ
松下和暉の《When I said that, when I shit DATA》
下の作品以外にも《Trans-Parent(STAP ran rent)》や《worth is no red, in other words》など、謎めいたフレーズやアナグラムが用いられたタイトル──時にそこから制作を始めることもある松下和暉の絵画では、紙やキャンバスなどの支持体が詩的表現の延長として活用されています。
描かれたモチーフは言葉そのもののようでもあり、画面の余白は詩節のエッセンスをも呼び起こすよう。じっくり眺めていると、言葉と絵画を親密に行き来する中に「読む・見る」ことの意味を反転させるユーモアが忍び込んでいるのを発見できて、面白いです。
(KAYOKOYUKI/結城加代子)
profile
松下和暉
まつした・かずき/1992年東京都生まれ。ノートに書き留めた言葉や文章、詩をモチーフにドローイングや絵画を制作。主な個展にドイツ・ケルンの展示スペースECHOで開かれた『The Agentur』(2023年)など。
Information
KAYOKOYUKI
住所:東京都豊島区駒込2-14-14
TEL:03-6873-6306
営:12時〜18時(日〜17時)
休:月曜・火曜・祝日
日常生活から得られる様々な素材やイメージを扱い、価値観の多様化や社会の分断が進む現代社会において共生するためのヒントとなるような、国内外の現代美術作家の作品を紹介。大田黒衣美(おおたぐろ・えみ)や富田正宣ら近年注目されるアーティストが所属する。
HP:http://www.kayokoyuki.com/
photo:Masaru Yanagiba
*掲載しているアートは一点もののため、すぐに販売済みとなる可能性があります。
*掲載価格は2024年6月17日時点のもので、変動する可能性があります。
*作品購入の詳細なお問い合わせは、当該ギャラリーおよびショップにお願いします。