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今日はがんばったからあそこに行こう! 麻生要一郎さん新刊『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』発売

  • 2024.11.22

つい毎日行って食べたくなる、地道にやっているお店が好きです

かつて新島にあった伝説のカフェ+宿「saro」の主人として、日々旅人たちのお腹を満たしてきた麻生要一郎さん。現在は東京で料理家・エッセイストとして活動。食をまんなかに、パートナーや仲間との暮らしを綴った著書のファンは多く、人気を集めています。

そんな麻生さんの気になる最新刊が『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』。生まれ育った街・水戸の思い出のお店から、東京の名店まで。こよなく愛する飲食店を、妙味のある文章で丁寧に案内。ただ流行りのお店を紹介するグルメガイド本とは、一線を画しています。

「外食というと、どうしてもお酒がすすむように塩分を高くしたり、ひと口目のインパクトを重視したり。そういうお店も食べておいしいなぁとは思うんだけど、一度行くと、足が遠くなっちゃうんですよね。やっぱり僕が好きなお店は、ずっと食べたくなる味。もちろん実際には難しいけれど、いろんな状況が許すならつい毎日行きたくなる、地道にやっている店を選んでいます」

するとむべなるかな、何代も続く老舗のお店が多くなるけれど、まだできて数年、というところも。なべて共通しているのは、店主の顔がしっかり見えているということ。
「だけどお店の人がでしゃばりすぎず、おいしいものを、自分の得意とするものを食べてほしい、という思いがきちんとある。それが僕にとっては大事な気がします」

そしてここ、となればずっと通い続け、お店の人ともなじみの関係に。ただ今回紹介するにあたって改めてお店側のストーリーを聞くと、なるほど、と答え合わせのようなことがたくさんあったといいます。
「毎回、快適に食事ができていたけれど、それぞれのお店の気配りとか、調整力とか。特に今は食材の値上がりなどたいへんな状況の中でもすごく努力して、誠実にやっている気概があってこそなんだなと。それを知ると、ますます好きになる。お店の人とも距離が近くなりますし、ちょっと仲間、みたいな。そういうのがうれしいですね」

そして読んでいると、自分もなじみの店を持ちたくなるのでした。
「今日はがんばったからあそこに行こう! となって、そこでお店の人と会話をして。友だちと会うのとはちょっと違う、絶妙な距離の心地よさを、改めて感じて。毎日の生活の力になってくれています」

新著『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』

麻生要一郎/¥1,980(オレンジページ)

知るほどにじわじわ好きになる、あったかくてホッとする人柄と料理。人気料理家・エッセイストの著者による、思い出を辿るように綴る飲食店案内。いいお店のおいしいものには、ちゃんと人がいる。そんなしみじみとした「味わい」を掬い取った、編集担当者いわく「酩酊するような心地よさ」を感じる文章。ブックデザインも最高!

お話を伺ったのは……麻生要一郎さん

あそう・よういちろう/料理家、文筆家。家庭的な味わいのお弁当やケータリングが、他にはないおいしさと評判になり、日々の食事を記録したインスタグラムでも多くのフォロワーを獲得。料理家として活躍しながら自らの経験を綴ったエッセイ&レシピ『僕の献立 本日もお疲れ様でした』『僕のいたわり飯』『365僕のたべもの日記』(すべて光文社)など著書も多数。

photograph:Saori Kojima text:BOOKLUCK

リンネル2025年1月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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