デンゼル・ワシントン、ケヴィン・スペイシーに敗れたアカデミー賞を回想

デンゼル・ワシントンが、主演男優賞にノミネートされるもケヴィン・スペイシーに敗れた2000年の第72回アカデミー賞を振り返り、当時の心境を明かした。「授賞式で『アメリカン・ビューティー』のケヴィン・スペイシーが呼ばれたとき、振り返って彼を見た記憶がある。彼のまわりの人以外は立ち上がっておらず、皆が私を見ていた。でも実際はそうじゃなく、おそらく私がそう認識しただけだろう。皆が私を見る理由などないから、今考えると、そうじゃなかったんだと思う」とUS版『エスクァイア』のインタビューで語った。

デンゼルは、スパイク・リー監督の『マルコムX』（1993）に続き、『ザ・ハリケーン』（1999）で2度目となるアカデミー賞主演男優賞候補となるも、受賞を逃したことでひどく失望したそうだ。なお、ゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門主演男優賞にスペイシーとともに『インサイダー』のラッセル・クロウ、『リプリー』のマット・デイモン、『ストレイト・ストーリー』のリチャード・ファーンズワースと並んでノミネートされ、受賞を果たしていた。

「その夜は家に帰って、酒を飲んだ。そうするしかなかったんだ」「『俺のオスカーをかっさらった』などと言うつもりはない。実際そうじゃなかった。何か裏があるのではないかと話題にもなったけれど、私には関係のないことだ」とは言うものの、アカデミー会員として投票権を持つ彼は、オスカーに対して諦めの境地になり、それ以降は妻のポーレットに投票を任せてしまったそうだ。

この2年後、デンゼルはアントワーン・フークア監督の『トレーニング デイ』でアカデミー賞主演男優賞を獲得。アフリカ系俳優として『野のユリ』（1963）のシドニー・ポワチエ以来、史上2人目となる同賞の受賞俳優となった。そして最新作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』でアカデミー賞助演男優賞ノミネートを有力視されている。

Text: Tae Terai

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