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前島亜美、自分は何者なのか?アーティストデビューで「職業:あみた」を宣言、これから始まる成長型アーティスト

  • 2024.11.21
前島亜美が、11月20日(水)に1stアルバム「Determination」でアーティストデビューを果たす ※提供写真
前島亜美が、11月20日(水)に1stアルバム「Determination」でアーティストデビューを果たす ※提供写真

【動画】ワンピース姿の前島亜美が、青空の下で歌声を響かせる

声優、として活動する前島亜美が、11月20日(水)に1stアルバム「Determination」でアーティストデビューを果たす。作詞曲2曲を含めた全10曲を収録したフルアルバムで、楽曲制作にはElements Gardenの藤永龍太郎、前山田健一(ヒャダイン)、藤林聖子ら錚々たる音楽家が参加。王道ソングからライブを狙ったキラーチューン、はたまた衝撃の問題作まで揃った十種十色の楽曲となっている。曲に込めた意味や思いを、前島自身に全曲解説してもらった。(前後編/後編)

メロディーと歌詞で“前島亜美”を表現した「Determination」

――リード曲の「Determination」は壮大でもあり、意外にキャッチーでもありという、絶妙なバランス感を持った曲ですね。

「Determination」はElements Gardenの藤永龍太郎さんに作曲していただいた曲です。藤永さんとは声優コンテンツで長くご一緒させていただいていて、そうした近しい場所にいてくださったからこそ、前島亜美という私を汲んでくださったような曲調に仕上げていただけたと思います。

柔らかい音で始まりながら、しっかりと芯を持っていて、力強さもあって。サビになると疾走感と爽快感ときらめきを感じられるのがすごく好きです。あと、言葉数の多い歌詞ということもあって、メロ数がめちゃくちゃ多いんですよね。アウトロまでメロディーがついていて。

本来であれば歌詞はリフレインさせるやり方も取れたんですが、このメロ数の多さに感謝しながら、ひと言でも多く言葉を入れようと、リフレインを一切使わない、初作詞だからこそできる思いの乗せ方ができたかなと思います。

――確かに冒頭から最後まで、かぶりが1つもない歌詞ですね。

あと、ブレイク部分(演奏が一旦止まる空白の箇所)。「光へ踏み出して」のところですね。ここのブレイク、デモ段階では半拍短かったんですが、レコーディングで私の歌を聴いた藤永さんが「もっとエモくしよう」と提案してくださって、半拍伸ばすことにしたんです。他の箇所もメロをよりドラマチックに変えてくださったり、トラックダウンのギリギリまで検討してくれていました。藤永さんのお力添えで、私が大切にしたいドラマ性、人間性を表すとても素敵なリード曲になったと思います。

一番人気に躍り出そうなラブソングと、前島が惚れたコンペ曲

前島亜美1stアルバム「Determination」 ※提供写真
前島亜美1stアルバム「Determination」 ※提供写真

――2曲目が「初恋とKiss」。曲名からしてキャッチーなアプローチですね。

かわいくて、まっすぐなラブソングですね。この曲はスタッフさんにも人気で、聴いていただけたら、ファンの方の間でも今後一番人気に踊り出るかもしれない可能性を秘めた曲だと思っています。これはコンペでいただいた曲ですが、ディレクターさんが激推しの曲です。その勢いがものすごくて、これは何があっても絶対歌わなきゃいけないみたいな熱量でしたね(笑)。でもディレクターさんだけでなく、ボイストレーナーの先生も私の声質にぴったりだと言ってくださって、自分でも歌っていてもとても楽しかったです。

――コンペには前島さんもかなり意見を出されたんですか?

かなり積極的に意見を出させていただきました。たとえば「Azurite」はアルバムの最後に入れる曲、みんなで歌える曲がほしいとオーダーしてコンペで選んだ曲です。作家さん指名以外の曲はディレクターさんと私とで全て聴き込んで、その中から決めました。

1つのコンペに複数曲が集まるので大変な作業でしたけど、そのおかげでたくさんの素晴らしい楽曲に出会えましたし、何より今まで私はオーディションをされる側だったので、作家の皆さんがどういう思いを持って作品を提出してくださったのかが少し分かるので。そこに敬意を払うためにも、提出いただいた曲は1曲も残さず聴き込みました。

――3曲目が「SCARLET LOVE」。

「SCARLET LOVE」は私がコンペで大好きになった曲です。ちょっと大人っぽい色気のある曲調なので、普通ならデビューアルバムよりも2枚目、3枚目のアルバムに収録する方がふさわしいのかもしれないです。でも私が小出しに「この曲好きです」「この曲いいですよね」と言い続けていたらディレクターさんが根負けしたのか、入れてくれました(笑)。

私の癖として、頑張ろう、いい歌にしようと思うとどうにも肩に力が入ってしまうようで、パワーで押し切ろうとしてしまうんですよね。多分、空手をやっていたせいかもしれないです(笑)。でもこの曲に関してはいい感じに脱力できて、 Aメロ、Bメロは特に話すように歌うということができた曲。一番、素の声で歌えたなっていう、お気に入りの1曲です。

――(インタビュー前編で)自分の素の声に迷ったという話がありましたが…。

それでいうとこの曲が私の素の声に一番近いと思いますね。

決意120パーセントのキラーチューンと、キャラソン風な声のオモチャ箱

――続いて4曲目が「Unfallen Angel」。スピード感とアクセルを踏み込むような強さのある曲です。

この曲はライブで盛り上がるキラーチューンが欲しくてお願いした曲です。 小さい頃からアイドルが好きで、その中でもハロー!プロジェクトのような強いアイドル像が大好きだったんですね。

そういうハロプロにあるような情熱的な曲調をコンペで選んで、作詞は藤林聖子さんにお願いしました。この「Determination」という“決意”のアルバムの中で一番メーターが高い、“決意120パーセント”の曲になったと思います。サビとか皆さんにコールしていただける余白も散りばめられているので、ぜひライブに向けて覚えておいてほしいです。

――5曲目が「ポルターガイスト」。え!?っていうタイトルです。

この曲はとても令和的だなと思っていて。ちょっとボーカロイドっぽくあるというか、インパクトに次ぐインパクトみたいな、遊び心が一番強い曲になっているかなと思います。歌詞の中でも「オモチャ箱」というワードが出てくる通り、本当にオモチャ箱みたいに色々な声色で歌っていて、音数も一番多いんじゃないのかな。ポルターガイスト現象みたいなのをイメージした音が間奏に入っていて、かなり変化球な1曲ですね。

――他の曲との歌声の違いに驚きました。

キャラソンに近いですよね。Aメロ、Bメロはかわいくというディレクションがあって、かと思えばCメロで思いっきり素の声で歌うみたいな。二重人格みたいな感じで録りました(笑)。

本場K-POP輸入のダンスナンバーと、前山田健一提供の問題作

――6曲目が「MAKE IT NOW」というオシャレな曲。

この曲はK-POPサウンドですね。ライブの中でダンスは絶対にしたかったので、ダンスナンバーとして作った曲です。「MAKE IT NOW」はコンペ曲ではなくて、ディレクターさんがキープしていた楽曲なんですよ。打ち合わせのふとしたきっかけで聴かせていただいて、その一瞬で好きになりました。それで「ぜひ歌いたいです!」とお願いして。

作詞・作曲・編曲のNika lensさんは本場のK-POPの方で、歌詞は私がイメージを伝えて書いていただきました。好きになってほしい、振り向いてほしいということをテーマに、そういった意味で“変わりたい決意”という「Determination」の1曲でもあります。とってもかわいい歌詞に仕上げていただけたので嬉しいです。

――7曲目が問題作の「職業:あみた」。作詞作曲は前山田健一(ヒャダイン)さんですね。歌い手と同一感のある歌詞を書くのがとてもうまい方で、この曲も前島さんが作詞したんじゃないのかと思うほどでした。

そうなんです。本当に天才だなと思います。ヒャダインさんにはグループ時代にも提供していただいていて、今回、「1曲指名するなら誰がいい?」と言われたときに間髪入れずとヒャダインさんの顔が浮かびました。ありがたいことに快諾してくださって、曲の方向性を決める打ち合わせもさせていただきました。

そのときに職業が定まらないとか、自分は何の人なんだろうとか、人に言われたことを気にしちゃうとか。そう話したことを全部歌詞に入れていただきました。随所のワードからはヒャダインさんからのエールも感じて、デモを聴いたときには泣いてしまいましたね。

本当に解像度がすごくて、ここ数年とかではなく、10年単位で見てくださっていたんだなと思うと嬉しくて。おまけに職業が分からないということへのアンサーが「職業:あみた」ですよ(笑)。ライブでも絶対盛り上がると思います。

第2のリード曲と、1日の終わりに聴きたいリラックスソング

――8曲目が「Blue Moment」。キラキラな歌声の1曲ですね。

これは第2のリード曲というぐらい大好きな曲で、青春感というか、儚さとそれ以上にある人生のきらめきみたいなものが描かれている曲だなと感じています。デモのときから最高で、サビのCメロ共通で入っている「時が過ぎても忘れられない歌を 二人響かせよう」という言葉がめちゃくちゃ大好きで。あと、最後の「あの青の向こう側へ」という言葉。ライブの最後の最後に歌い上げて爽快に終わるような絵もすごく見えました。

――9曲目の「星を見上げて」は少しアップテンポなバラードです。

ミディアムバラード系を1曲入れようとなって選んだ曲です。おとなしすぎないバラードが私は好きなんです。繰り返し聴いても飽きない展開がある曲ですね。この曲でいうとタイトルにあるように、星空、そして宇宙まで広がるような視野、そこにコーラスがたくさん入ってきて、地球と人といった広がりを音の中に感じました。

肩の力を抜いて聴けるようなリラックスソングなので、1日働いて疲れた帰り道とかに聴いてほしいなと思います。

声優アーティスト・前島亜美 ※提供写真
声優アーティスト・前島亜美 ※提供写真

揺るがない未来を自分にも、ファンにも約束する作詞曲「Azurite」

――ラストが前島さん作詞の「Azurite」。アルバム自体が前島さんの作詞曲「Determination」で始まり、この「Azurite」で終わる形ですね。

「Azurite」はぜひとも9曲聴いたあとに聴いていただきたい曲です。1番のAメロは今の心境を書いていて、「待ち焦がれた出発点」というのはソロデビューのこと。「新しい色」というのは自分のアーティストカラーのこと。これからのライブのことなども書いています。

きっと、100パーセント満足いくスタートというのは難しいと思いますが、それでもキャラクターや役を通さない本当の自分で、無理に背伸びをせずに、今を記していくんだという決意の曲が「Determination」。そこから一歩踏み出した先に見える皆さんの白群がこの「Azurite」の灯り。まばゆいほど輝いて、揺るがない未来を進んでいく最後の曲です。

1番のCメロと最後のCメロの歌詞には自分の願いも込めていて、これも1つの決意なんですが、アーティスト活動を長く続けたいというのが今の一番の目標、そして夢です。輝きを失わずに増していって、揺るがない未来を自分にも、ファンの方にも約束したいです。

――思いが伝わるといいですね。曲の収録順にもこだわった印象です。

そうですね。「職業:あみた」をどこに置くかで迷いに迷いました(笑)。全体的に個性的な曲が多くなったせいか、ディレクターさんがライブのセットリストみたいに大変だと言っていましたね(笑)。

――最後に、今後のアーティスト活動についてとファンへのメッセージをお願いします。

これからアーティスト活動のスタートを切りますが、短距離走ではなく、長期的な活動を視野に踏み出した決意の一歩です。少しずつでも音楽性を広げていき、実力も伸ばしていき、前向きな活動にしたいと思います。作詞も積極的に頑張っていきますし、言ってみれば“成長型アーティスト”みたいになれたらいいなと思っています。皆さんにはその成長をリアルタイムで追っていただけると嬉しいです。

来年4月にファーストライブを行いますが、「前島亜美はライブが楽しい、ライブに強い」と言われることが1つの目標なので、今後はフェスにも積極的に参加していきたいと思います。

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