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私が映画を観て沁みた時の話。ラッパー、アーティスト・valknee

  • 2024.12.3
私が映画を観て沁みた時の話。ラッパー、アーティスト・valknee

こんなに自分を重ねた主人公に出会うのは初めて

ゴーストワールド

映画でも漫画でもなんでも、今まで物語の登場人物に共感したことがなかったんです。どちらかというと、気持ちがわからなくてモヤモヤすることの方が多い。でも、昨年リバイバル上映で観た『ゴーストワールド』は、主人公イーニドの性格にあまりにも共感しすぎて、びっくりしました。

『ゴーストワールド』場面シーン
©2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.

クラスメイトを斜に構えて見てしまったり、「自分はみんなと違う」と証明するためにカルチャーを掘っていったり。そうした生き方が思春期特有のものというより、現在進行形で続いている私自身の問題にも重なったんです。旧友が結婚・出産して、今まで通りには遊べないんだと悟った時の寂しさも、映画を観ながら思い出しました。

私もイーニドみたいに生きられたら、もうちょっと楽かもしれないと思えるシーンも多かった。バイト先では違和感を覚えた上司に反発するし、何事にも興味を持ったらすぐ行動。その真っすぐさに憧れます。

自分のパーソナルカラーなんか絶対気にしないであろう、イーニドの自由なファッションも大好き。報われるわけではない映画のラストには食らったけど、私もやっていくしかないよなと受け止めました。

ラッパー、アーティスト・valknee

 

Information

『ゴーストワールド』

高校を卒業した親友のイーニドとレベッカは、進路も決めず、町をぶらついては面白いことを探して過ごしていた。そんなある日、2人は新聞の出会い系広告で見つけた中年男性に興味を持ち尾行する——。監督:テリー・ツワイゴフ/出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソンほか。'01/米

profile

valknee(ラッパー、アーティスト)

バルニー/1991年神奈川県生まれ。2019年に音楽活動を開始。〈Zoomgals〉としての活動や、『ラップスタア誕生2023』への出演、他アーティストへの楽曲提供、映画の劇伴制作なども担当。

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