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「HAY」デンマーク本社で働くPR担当の仕事とは?【北欧で働くおしゃれガールのキャリア連載 #8】

  • 2024.11.21
ELLEgirl

デンマーク・コペンハーゲン在住のエディターFUMINAが、ファッション/デザイン/アート業界など、憧れの仕事に就いて働くおしゃれな北欧ガールたちに急接近。オフィスや自宅、作業スペースにお邪魔し、普段の業務内容や就職に至るまでの経緯、お仕事ファッションやバッグの中身など、気になるあれこれを徹底解剖する新キャリア連載!

第8弾は、日本でもおなじみのデンマーク発インテリアプロダクトブランド「HAY(ヘイ)」の旗艦店兼ショールームで、インターナショナルPRマネージャーとして働くカトリン・フィーゼラーにインタビュー。デザイン&インテリア業界で働きたい人へのアドバイスも。

Q1. プロフィールを教えて!

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「ドイツ・ハノーファーで育った私は、音楽、歌、ファッション、絵、文章など、幼い頃からクリエイティブなものに興味がありました。ドイツ国内のさまざまな都市とスペインに住み、ファッション誌でのインターンを経験。2012年、ビジネススクールでの修士課程進学のためデンマークへ移住しました。コペンハーゲンに引っ越してからは、勉強はもちろん、親友4人と立ち上げたポップアップベーカリー事業などさまざまなことに挑戦。振り返ってみれば、これらの経験を通して美的感覚やストーリーテリング、そして人と人をつなぐことの楽しさを改めて実感しました」

Q2. 具体的な仕事内容は?

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「『どんな仕事をしているの?』と聞かれたら、いつも『商品を直接売らないセールスパーソン』と答えています。戦略的なプランニングや人間関係の構築、イベント運営、プロダクトのストーリーづくり、雑誌の取材対応やインタビューのセッティングなど……『HAY』というブランドとプロダクトを世界中に広め、知ってもらうことが私の役目」

Q3. 「HAY」に就職するまでの経緯は?

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「大学に入学した頃の自分に『将来は世界的に有名なデザインブランドのPRマネージャーをしている』なんて言っても、きっと信じないはず。なぜなら当時はそんな仕事が存在することさえ知らなかったから! 前述したように以前はファッション業界で働いていたけれど、デザイン大国として知られるデンマークに住み始めてからは、だんだんインテリアやプロダクトデザインの世界に興味をもつように。別のデザインブランドで約6年経験を積んだ後、2020年に『HAY』へ転職。コミュニケーション、旅、異なる言語や文化との出会い、ストーリーテリング、そして美しいプロダクトと出会うワクワク感にあふれるこの仕事には、私の夢と情熱がたくさん詰まっています」

Q4. 「HAY」の推しアイテムを教えて!

「たくさんあって選べない! あえて3つ挙げるとしたら、ベルギー人デュオ『ミュラー・ヴァン・セヴェレン』が『HAY』のためにデザインした花瓶“ARCS VASE”、アナ・クラシュによるランプシリーズ“BONBON SHADE”、そしてスイス人デザイナーのブルーノ・レイによるクラシックな名作“REY CHAIR”」

Q5. 一日のタイムスケジュールを教えて!

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「出張が多いので、オフィスワークを行う平日のタイムスケジュールはできるだけルーティン化するよう心がけています。朝は早めに起きて、ゆっくり抹茶やコーヒーを準備。朝食をとりながらドイツの朝のテレビ番組でニュースをチェックしたら、自転車で9時前には出社。業務内容は毎日異なります。イベント企画から、新製品に関するコンテンツ準備、ブランドに関するインタビューや取材の進行まで。同時に大量のミーティングとメールのやり取りも。17時前に退社したら、趣味のコーラスやヨガ教室に通ってきちんと息抜きするのがマイルール」

Q6. 「HAY」のインターナショナルPRマネージャーとして働くうえで重要な“3つのルール”は?

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「常にプロフェッショナルであること、社外の人たち・同僚・自分自身に対して優しくあること、そして純粋さを忘れないこと。これらはルールというよりも、私が『HAY』で働くうえで大切にしている価値観のようなもの。オン/オフの切り替えが難しい職業柄、仕事に自分のパーソナリティを持ち込むことが多くあるけれど、もしいつも自分の素直な気持ちを表現できなかったり、何らかの“演技”をしたりしなければならないとしたら、私はPRという役割を続けることができないと思います。PRは常に新しいことに挑戦し続ける仕事。挑戦の先にある成長が、やりがいにつながっています」

Q7. 「HAY」で働くなかで直面した困難は?

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「すべての動きや流れが速い職場なので、そのスピード感に圧倒されてしまうこともしばしば。焦らずひとつひとつ着実にステップを踏むこと、そして業務の優先順位をつけることが最大の課題です。そして楽しんで取り組んでいることを前提としたうえで、『仕事は仕事』『家具は家具』と心の中でうまく割り切ることも大切。ストレスの多い局面では、特にいいリマインダーとなります」

Q8. お気に入りのお仕事ファッションを教えて!

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「最近ハマっているパジャマセットアップは、コペンハーゲンの旗艦店“HAY House”でのみ購入できるレアアイテム。ベッドリネンのレフトオーバーから作られていて、オフィスワークにぴったりの快適な着心地が魅力。ヴィンテージのレザージャケットを羽織ってきちんとムードをUPさせたら、ベルリン発『マライカ ライス』のネックレスで首元にカラーと遊び心をプラスするのがこだわり」

Q9. お仕事バッグの中身を教えて!

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「パリのバッグブランド『カウ』のバイカラートートバッグを愛用中。『カウフマン』のクリーム(ドイツの定番)、『イナラ』のフレグランス、『ニーンズ ヨア』のチーク&リップスティックなどがマストハブ。シンプルかつミニマルなウォーターボトルは、日本を代表するプロダクトデザイナーの深澤直人が手がけた“MIZ WATER BOTTLE”。財布は『コム デ ギャルソン』から」

Q10. デザイン&インテリア業界で働きたい人にアドバイスするなら?

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「私がキャリアについて学んだことがひとつあるとすれば、ほとんどの場合、AからBに確実に到達できる道順など存在しないということ。どのような分野であれ、重要なのは自分の好きなこと、得意なことを見つけ、そしてとにかく一歩を踏み出してみること。人と話したり、目の前の仕事に打ち込んだり、好奇心をもって誰かに質問したり……一見すると些細な行動が、夢に近づくきっかけになることもあるはず」

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Katrin Fieseler(カトリン・フィーゼラー)

「HAY」インターナショナルPRマネージャー

ドイツ出身。ファッション誌でのインターンを経験した後、ビジネススクールでの修士課程進学のため2012年にデンマーク・コペンハーゲンへ移住。デザイン&インテリアの世界に惹かれ、2020年から「HAY」でのフルタイム勤務をスタート。現在はインターナショナルPRマネージャーとして、ブランドの魅力やプロダクトのストーリーを世界に伝える役割を担う。

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