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「どっちが恋人か判らないわよね〜?」若作り&ぶりっ子な勘違い姑からのマウント。サバサバ嫁とモテ系姑の熾烈な嫁姑バトルが勃発!

  • 2024.11.20
ダ・ヴィンチWeb
『サバサバ嫁とモテ系姑 ~お義母様ったら老眼でしたか~』(和田依子/DPNブックス)

幸せの形も日々多様化しているように思えるが、それでも結婚も立派な幸せの形のひとつ。だが結婚はゴールではなく、夫婦の始まり。その中で大勢の人、特に妻となる女性が、よく頭を抱える悩みのひとつが「嫁姑問題」である。

『サバサバ嫁とモテ系姑 ~お義母様ったら老眼でしたか~』(和田依子/DPNブックス)は、自立し、サバサバした性格の女性である新妻と、「息子のことがだ~いすき!」な過保護ママの嫁姑バトルを描いたマンガだ。

にこやかに嫌味をぶつけてくる義母に対し、負けじと妻も皮肉の応戦! そんな女同士の熾烈な戦いが、本作では描かれている。

主人公・美麗は、当時付き合っていた彼から「おまえは俺がいなくても平気だろ」と別れを告げられ、自分は“愛され系”の女ではないと結婚を諦めていた。しかし、突如現れた年下の後輩・晴翔の猛烈なアプローチに押され、あれよあれよと恋人、そして夫婦へ。

このまま幸せなゴールイン…かと思いきや、結婚の挨拶で初めて会った晴翔の母・鏡子は、美麗が苦手とする“愛され系”女性! 自分が若く美麗と年齢が変わらなく見えるとマウンティング。さらに結婚を控えてなお止まらぬ息子への溺愛に初対面時からふたりはすっかりバチバチモードに。

結婚前の約束通り、義母も交えた2世帯で新婚生活をスタートしたものの、案の定鏡子から日々陰湿な嫁いびりの洗礼を浴びる美麗。だが彼女も、元々したたかに生きる強さを持った女性! 笑顔のままもらった皮肉をそっくりそのまま鏡子に返し、負けじと応戦する毎日…というあらすじだ。

本作の見どころのひとつは、ムカつく義母と対峙しつつも、時折相手の苦労に心が揺れ動く、主人公・美麗の人としての魅力だろう。義母がこれほどまでに自分に敵意を向けてくるのは、愛する息子・晴翔を「盗られた」と思っているから。さまざまな嫌味や嫌がらせに腹を立てつつも、自身もこれまで度々「盗られた」側を経験している美麗。だからこそ、義母のその心情もわからないわけではない。

彼女が義母に対しそんな同情を抱くシーンには、美麗の人となりの良さが表れている。同時に、そんな彼女を幸せにした晴翔の見る目は確かだった、という見方もできるだろう。美麗と晴翔にはこれからも幸せでいて欲しい。そう思うと同時に、だからこそ我々読者も美麗の味方として、義母に対しストレートに「ムカつく~!」と感情移入できるに違いない。

重ねて夫・晴翔もまた、一筋縄ではいかない性格をしている点も大きな見どころ。この嫁姑戦争の中で、それでも常に嫁・美麗の絶対的な味方である晴翔。一見かわいらしい顔立ちをしているものの、妻を守り、自分の意見をズバッと母親に伝えられる晴翔こそまさに理想の夫! と思う人も多いかもしれない

それはもちろんひとえに美麗を愛しているからだが、時折見え隠れするのは一般的な妻への愛を超えた、ちょっぴり歪んだ溺愛感情(?)。それもまた、ある意味では確かに、過剰な愛情を息子へ向ける鏡子の子らしい一面とも言えるのかもしれない。

愛する人を巡って、盛大に火花を散らすふたり。このまま彼女たちの争いはまだまだ泥沼化していくのか? あるいは何かのきっかけで、和解の道へと進み始めるのか? 熾烈な嫁姑争い、その戦いから目が離せない。

文=ネゴト / 曽我美なつめ

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