1. トップ
  2. 死んだ父のスマホを解約しに行ったら「ご本人がいないと」と言われた…Xに見る「故人の解約大変すぎ」問題

死んだ父のスマホを解約しに行ったら「ご本人がいないと」と言われた…Xに見る「故人の解約大変すぎ」問題

  • 2024.11.21

X(Twitter)では、亡くなった人が契約していたさまざまなサービスの解約にあたり、遺族が手続きに苦労する話がよく拡散される。

「契約者が亡くなったのだから、運営会社に事情を説明して利用を停止してもらえばいいだけの話では?何をそんなに苦労することが?」

と思ってしまうところだが、Xに投稿された話を見ると「そんなことある?」と思ってしまうような体験談が散見される。いくつか例をご紹介しよう。

故人のスマホは「ご本人が来店しないと」解約できない?

そもそもログインできないと解約画面に行けないサービスが多い 出典:Togetterオリジナル

まずは、亡くなった伯父のスマホを解約しようとキャリアのショップに行った投稿者が、店員から「ご本人がいらっしゃらないと解約できません」と言われてしまったという話。投稿者は、伯父の死亡診断書、戸籍謄本まで用意して行ったのにこの対応を受けたというから驚きだ。

コントのような話だが、「父が亡くなって名義変更しにいったら『ご本人様の~』と言われました」「私も以前キャリアのショップで遭遇したことがあります。解約しようとしてた人が呆然としてた」と類似の報告が複数寄せられている。一方で、「同じキャリアだけど自分の場合はすんなり解約できた」という声も多数寄せられている。

ドコモ、au、ソフトバンクなど各大手キャリアの公式HPでは「契約者が死亡した場合の解約手続き」についての案内が掲載されているし、もちろん「死亡した本人がいないと解約の手続きができない」ということはない。しかし、今回の投稿に寄せられた反応を見るに、同じキャリアであっても、管轄の店舗やスタッフ単位で対応にバラつきがあり、これが原因で手続きにあたって謎の要求をされて困った、という現象が発生しているようだ。

「ご本人がいないと…」と言われてしまった投稿者も、別の店舗に行ったらすんなり解約できたようで「最初の店舗の対応がおかしかった」と結論づけている。

キャリアのショップで故人の携帯を解約する折は、公式HPの案内の内容をしっかり確認した上で行くのが良さそうだ。

NHK解約のハードルの高さに疑問の声

続いては、NHKの放送受信契約の解約についての話。「亡くなった姉のNHKの解約をしようとしているが、なんとしても解約させないような案内をされてイライラする」と不満を漏らす投稿が拡散された。

投稿者はまず、NHKの担当者から「NHKの契約は世帯にかかるので、契約者(姉)が亡くなった場合はその子どもに契約が移る」「世帯にテレビや携帯がある場合は解約ができない」と案内を受けた。

姉のお子さんは学生寮に入る予定で、世帯のテレビは既に処分していた。ところが、その旨を伝えると、今度は「テレビを処分したという証明をしてください」と言われてしまったというのだ。

テレビを処分した証拠って何 出典:Togetterオリジナル

NHKの契約は世帯単位であり、かつその世帯に住む人がテレビだけでなくスマホやPC、はては車のカーナビなど、「NHKの放送を受信できる端末」を持っている場合は契約の対象となる。こうした事情から「契約者が亡くなった場合もすんなりと解約できない」ということが起きてしまうようだ。

「故人のNHK解約」をめぐる話はこの一件だけでなく、Xでもたびたび話題になっている。別の例では、亡くなった父の口座からNHKの受信料が半年間引き落とされ続けていたので解約手続きをした上で「死亡後に引き落とされ続けていた受信料の払い戻し」を求めたところ、担当部署をたらいまわしにされた挙句「故人が一人暮らしだったという証明」まで求められて大変な目に遭った、という話なんかもある。

故人のNHK契約を解約する折は、故人だけでなく、世帯や遺族の受信環境までしっかり確認した上で行う必要がありそうだ。

故人のサブスクサービスの滞納処理が大変だった話

最後は、故人のサブスクサービス解約に関する話。父親が契約していたサブスクサービスの支払いが本人の死亡によって滞り、遺族の元に弁護士法人から「未払い請求書」が届いて困惑した、という体験談にさまざまな反応が寄せられた。

投稿者は、請求書が届いてはじめて父が登録していたサブスクサービスが残っていたことに気付いたようで、そこからサービスの運営会社に連絡し「契約者の死亡による解約と未払い請求の破棄」を求める手続きを行おうとした。

しかし、

・解約手続きは会員ページにログインしないと行うことができない
・運営の問い合わせ先を探すのが大変
・運営元とのやり取りや、解約手続きの手順が煩雑
出典:Togetterオリジナル

といった状況に陥り、投稿者は「入会は簡単だが、解約はめちゃくちゃハードル上げてある」と不満を漏らしている。

投稿者はその後クレジットカード会社に相談したところ、故人の簡単な個人情報確認だけでカードの解約が成立し、以後カードに請求される支払いを拒否する対応にしてくれたとのこと。

各サービスごとに解約手続きしなきゃいけないとなると大変 出典:Togetterオリジナル

投稿者によると、父が契約したサブスクは、携帯を契約した折に抱き合わせで契約したものであり、父本人も契約の存在を忘れていたことが原因で今回の手違いが発生したようだ。

「抱き合わせの契約でお得になる」と契約したサービスの存在を契約者当人も忘れ、お金が自動的に引き落とされ続けているというケースはよくある。この状況で契約者が亡くなってしまうと、遺族に思わぬ負担がかかるケースもあるわけだ。

この投稿に対しては「自分が急に死んだり重篤状態になっても正直なにを契約してるのか把握しきれてないものが多数ある。こわい」「これから、おひとり様で亡くなる方も増えると予想されるので、事態は深刻になるかと」「生前に全部解約しておくなんて、年齢や死因によるけど無理でしょう…」といった反応が寄せられた。

自分の死後、遺族が万事滞りなく契約したサービスの清算をできるよう、生前に対応しておくことができればベストだが、人間いつ何があるかわからないもの。準備するにしたって、限界があるだろう。

サブスク型のサービスの普及など、個人が契約するサービスの数が昔に比べて増えてきている今、故人の解約手続きの整備は社会全体の課題になっていきそうだ。

文:トゥギャッターオリジナル記事編集部 編集:Togetterオリジナル編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる