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創業52年の“人情中華屋さん” 16歳から料理修業 牛乳配達など4つの仕事をかけもち 1日3時間の睡眠で貯金した理由とは?

  • 2024.11.20
©ABCテレビ

奈良市に創業52年の中華料理店があります。メニューは80種類以上。切り盛りするのは、70代の仲よし夫婦です。地元の人たちに愛される“人情中華屋さん”に密着しました。

朝、手を繋いで現れた仲睦まじい2人は、村上義廣さん(79)と妻の三和子さん(71)ご夫妻。近鉄奈良駅から歩いて5分、大正9年に創設された椿井市場の中にある創業52年の中華料理店「大廣」を営んでいます。

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結婚した年に「大廣」を始めた2人の出会いは、義廣さんが27歳、三和子さんが18歳のころでした。中学卒業するとすぐ中華料理の修業を始めた義廣さんが働くお店に、三和子さんがアルバイトにやって来たのです。

2人はつき合ってすぐに結婚。長年連れ添った三和子さんはどんな存在?とたずねると、「僕が尊敬する人」「かけがえのない人で、僕の宝物」と義廣さん。今も変わらずラブラブなのです。

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ランチ営業は正午にスタート。次々に注文が入り、義廣さんと三和子さんは大忙しです。唐揚げランチには、義廣さんのその日の気分によってメニューが替わる「おまけ」をサービス。本日はさつまいもの天ぷらです。酢豚のたれは自家製で、高知産のしょうがや青森産のにんにくなど選び抜いた食材を使用。「ええもん使ってたら間違いない。まず一番、うまい」が義廣さんのポリシーです。

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そして、どのメニューもこの10年来「値段据え置き」。今年はお米をはじめいろんな食材が値上がりしましたが、「(夫婦2人が)食べていけたらええ」「お客さん喜んではるやん」と値段を上げずにやってきました。

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義廣さんは料理の修業を始めた16歳から19歳までの3年間、牛乳配達などなんと4つの仕事を掛け持ちしていたことがあるそう。1日3時間の睡眠で懸命に働き、稼いだお金のほぼ全額を貯金していたのには理由があります。

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小学3年の時に父を亡くし、家族がバラバラに。親せきの家をたらい回しにされて育ち、「いつか自分の家で、家族と住みたい」という夢を抱いていた義廣さん。その後、出会った三和子さんとともに、自分の「家」と「お店」の両方を持つことができました。

【動画】義廣さんの「生きがい」という趣味は、4×5(シノゴ)と呼ばれるフィルムカメラでの写真撮影。休日にお気に入りの場所を巡り、美しい風景にシャッターを押します。

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夜の営業が始まると、お客さんが続々とやってきます。餃子とビールを1人で楽しむ男性や、息子が大好きな炒飯をお持ち帰りするお父さんも。仕事帰りに夕食をとる若い女性は学生時代から「大廣」に通う常連さんです。今も週に1度は訪れ、ときには悩みを相談することも。悩みを明るく笑い飛ばしてくれるご夫婦のおかげで、気持ちが「すごく楽」になるといいます。

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「みなさんに愛されてますね」と記者が水を向けると、「僕も愛してるやん」と笑う義廣さんは「一所懸命、真心込めて作ってたらね、間違いないと僕は思う」と。三和子さんいわく「2人で1つ」の夫婦二人三脚で52年。店を愛してくれるお客さんのため、「大廣」は今日も明日も元気に営業中です。

仲よし夫婦が営む“人情中華屋さん”は11月15日(金)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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