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泣く vs 笑う、どっちがストレス解消に効果的?

  • 2024.11.20

忙しい毎日やストレスフルな生活の中で、リフレッシュの方法は人それぞれ。中でも『泣くこと』と『笑うこと』は、感情を解放し心のストレスを軽くする代表的な方法といえます。

涙を流してすっきりすることもあれば、心から笑って気持ちが晴れることもありますが、実際にはどちらがストレス解消に効果的なのでしょうか? 泣くことと笑うことには、それぞれ異なるストレス解消効果があります。

プロ野球選手やボートレーサーなどアスリートのパーソナルサポートを行う、株式会社脳レボ代表の川谷潤太さん監修のもと解説していきます。

「泣く」のメリットとは。涙を流すとどんな効果がある?

泣くこと(とくに感情を解放する涙)は、悲しみやストレスといったネガティブな感情を吐き出すのに効果的です。泣くことで、ストレスホルモンであるコルチゾールが低下するという研究結果も(※1)。

涙を流すことで過剰なストレスホルモンが除去され、副交感神経が優位に働くため、泣いた後には気持ちが落ち着く傾向があります。

また、泣く行為には心の緊張を解きほぐし、抑えていた感情を解放する作用があります。感情の解放(カタルシス効果)とも呼ばれ、これにより心のバランスが整い、泣いた後にすっきりしたと感じる人が多いです。

「笑う」のメリットとは。笑うとどんな効果がある?

一方、「笑う」こともまた、ストレス軽減や健康促進の効果が証明されています。

笑うことは、ドーパミンやエンドルフィンといった「幸せホルモン」を分泌させるため、前向きな気分や気力が湧きやすくなり、ストレスの緩和にはとても効果的です。また、笑うことは心身の緊張をほぐすリラックス効果もあり、即効性のあるストレス解消法とされています。

また、痛みを和らげたり、免疫機能の向上高めたりすることも。笑いがナチュラルキラー細胞や抗体を活性化し、病気に対する抵抗力が増すという研究もあります(※2)。

次:泣く vs 笑う どちらがストレス解消に効果的? 使い分けのコツ

泣く vs 笑う どちらがストレス解消に効果的? 使い分けのコツ

泣くことと笑うことは、状況や感情の種類によって使い分けることで、より効果的にストレスを軽減できます。

悲しみや心のしこりがある場合には「泣く」

泣くことは、悲しみやつらい思い出を処理し、解放するのに役立ちます。泣くことで、心の深いところにある感情に気づき、心が軽くなる場合があります。

気分を変えたいときやリフレッシュしたいときには「笑う」

笑いは、ポジティブな気分を促進し、気分転換やリフレッシュに適しています。リラックスしたい、リセットしたいと感じたときに笑うことで、心の軽さを感じやすくなります。

また笑いはストレス耐性を強めるため、そもそもストレスが溜まりにくいという状態を作り出してくれます。

次:「泣く」「笑う」が逆にメンタルケア上でデメリットになるパターンはある?

「泣く」「笑う」が逆にメンタルケア上でデメリットになるパターンはある?

ただし、「泣く」も「笑う」も、過剰になるとデメリットが生じる可能性があります。

「泣く」がデメリットになる場合

過度に泣き続けると、気分がかえって落ち込むこともあります。とくに、絶望感が強すぎる場合は感情をさらに掘り下げてしまい、悲観的な気持ちが続いてしまうことも考えられます。

ですので泣くことは一時的なストレス解消には効果的ではあるものの、長期的かつ根本的なストレス解消としては、不向きだと言えます。

「笑う」がデメリットになる場合

つらいとき、笑いを無理に引き出そうとすると、感情を無視してしまいかねません。それにより心の疲れが蓄積されることにも。つらい状況でも「笑わなければならない」というプレッシャーがあると、逆にストレスになる場合もあります。

よって、泣く・笑うのどちらも「自分の本来の感情に正直でいること」が大切であり、無理せず、自分が心地よいと感じる方法を選ぶ必要があるでしょう。

参考資料
(※1)泣きと涙の定量化と心身の健康に関する基礎的研究 - KAKEN
(※2)受動的対処事態における自発的笑いの生理心理学的効果
(※2)笑いと身体心理的健康・疾病との関連についての近年の研究動向

監修者プロフィール

川谷 潤太 / 株式会社脳レボ

兵庫県神戸市出身。学習塾の講師時代、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う西日本最大の学習塾へと発展させ、講師としても3年連続で支持率第1位の実績を持つ。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革と3つの部のチームマネジメントを担当。創部1年、全員1年生で甲子園出場の記録をもつ硬式野球部では3季連続甲子園出場し、プロ野球選手も4名誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部でも日本一や世界一の選手を輩出した。

現在はプロ野球選手などのアスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、主には企業の人材育成に携わり、講演や研修、コンサルなどで日本中から依頼が殺到し、講師デビュー7年で、講演回数1,300回、受講者は10万名を突破。心理的および生理的要因から、ベストパフォーマンスを引き出す専門家として活躍中。

<Edit:編集部>

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