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事実婚と同棲の違いとは?メリット・デメリット、確認しておきたい制度など

  • 2024.11.20
mamagirl

結婚に対する考え方が多様化している昨今、夫婦別姓やお互いのライフスタイルを重視し、婚姻届は出さずに事実婚を選択するカップルも増えています。「いっしょに暮らしてるのに同棲とどう違うの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。今回は、事実婚と同棲の違いについて解説します。事実婚のメリットやデメリット、事実婚を証明する方法や後悔しないために確認しておきたい制度などもまとめました。

■そもそも事実婚とは?同棲や法律婚との違いって?

まずは、「事実婚って何?」「何年以上同棲したら事実婚になる?」「同棲や法律婚とは何が違うの?」という疑問にお答えしていきましょう。

・事実婚の定義
出典:PIXTA

事実婚とは簡単に言えば「婚姻届は出していないものの、事実上結婚をしている状態」のこと。事実婚は、婚姻関係に準ずる関係として判例上でも保護される関係です。
事実婚が認められるには、「お互いが夫婦であると認識している」「一定期間(一般的に3年以上)同居し、夫婦同然の共同生活をしている」「公的に夫婦であることを認められている」などの要件を満たす必要があります。しかし、自分たちが夫婦として認識していても、別居している場合や生計が別の場合には認められません。
事実婚と似た言葉に「内縁関係」がありますが、事実婚と内縁の違いも確認しておきましょう。かつては、家庭の事情により婚姻届を提出したくてもできなかった夫婦を「内縁」、夫婦が積極的に婚姻届を提出しない場合を「事実婚」と使い分けていたようです。しかし、現在は事実婚と内縁に大きな違いはありません。

・事実婚と同棲の違い

同棲とは一般的に、婚姻関係にないカップルが自分たちを「恋人同士」だと認識して同居することを指します。そのため、事実婚と同棲の違いは、お互いが夫婦関係にあるか、社会的に夫婦として認められているかという点に大きな違いがあるでしょう。

・事実婚と法律婚との違い
出典:PIXTA

婚姻届を提出しない事実婚に対し、法律婚は婚姻届を提出し、法律上で婚姻関係を認められた夫婦のことです。法律婚は、どちらかの名字を名乗り、子供が生まれたら戸籍筆頭者の戸籍に入籍し、夫婦共同親権となります。また、税金の控除や相続権も発生します。
一方、事実婚は事実上婚姻関係にあっても、法律上夫婦でないことから税金や相続関係などで制限がかかってしまうのです。

出典:弁護士法人若井綜合法律事務所|事実婚とは?法律婚・内縁・同棲との違いやメリット・デメリットを解説

■事実婚のメリットとは?

「夫婦と言うのならなぜ結婚しないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ここからは、事実婚を選択するメリットについて解説します。

<事実婚のメリット>

別れても戸籍に影響がない

夫婦別姓にできる

関係の継続はお互いの気持ち次第

お互いの家族と適度な距離感を保てる

それぞれ見てみましょう。

・別れても戸籍に影響がない

法律婚では、戸籍に入籍や除籍の記録が残ります。しかし、事実婚は戸籍に記録がされないため、もし別れてしまっても戸籍には影響しないというメリットがあります。そのため、事実婚解消後に別の相手と婚姻関係を結んでも、再婚にはならず初婚扱いになるのです。

・夫婦別姓にできる
出典:PIXTA

婚姻届を出していないので、夫婦別姓にできるのも大きな特徴です。夫婦別姓にすることで、運転免許証や銀行口座などの改姓手続きが不要、職場に結婚したことを知られる心配がない、キャリアが維持できる、アイデンティティが守られるといったメリットがあります。

・関係の継続はお互いの気持ち次第

事実婚は、法律に縛られることなくお互いの気持ちだけで成り立つもの。自由に関係を続けたり終わらせたりできるのもメリットだと言えます。

・お互いの家族と適度な距離感を保てる
出典:PIXTA

法律婚の場合、相手の親や兄弟と姻族関係になります。特に女性は「嫁いでるから」と盆や正月、冠婚葬祭など夫側の親戚の集まりに強制的に参加させられるケースもあり、煩わしく感じる人もいるかもしれません。一方、事実婚はと言うと、戸籍上は他人なのでお互いの家族とほどよい距離感を保てます。

■事実婚のデメリットとは?

事実婚のメリットには、夫婦別姓や戸籍に影響がないことなどがありました。次に、事実婚のデメリットを確認しましょう。

<事実婚のデメリット>

保険や賃貸の契約に手間がかかる

子供ができた場合の親権は母親のみ

相続権がない

配偶者控除が受けられない

それぞれ解説します。

・保険や賃貸の契約に手間がかかる

事実婚には、戸籍のような家族関係を証明できる公的書類がありません。そのため、家族である証明が求められる保険や賃貸の契約には、法律婚のケースよりも手間がかかることも。また、パートナーに入院手術が必要となった場合、家族として同意書にサインできないことが多いのも大きなデメリットだと言えます。

・子供ができた場合の親権は母親のみ
出典:PIXTA

事実婚では、原則として子供の親権は母親です。子供が生まれると、自動的に母親の戸籍に入るため、共同親権にはできないのがデメリットだと言えます。法律的に父親になるには、認知届を提出する必要があり、放置してしまうと子供の父親欄は空欄になるおそれも。

・相続権がない
出典:PIXTA

法律上、婚姻関係にないため事実婚はパートナーの相続人として認められません。どれだけ長くいっしょに過ごしても、事実婚ではパートナー名義の預貯金や不動産なども相続権がないのです。

・配偶者控除が受けられない

事実婚のデメリットには、税金の優遇がないということもあげられます。所得税や相続税、贈与税において配偶者控除が適用されないため、法律婚よりも税金の負担が大きくなるのです。

■事実婚を証明する方法はある?

事実婚を証明すれば、各種手続きの際、法律婚と同等の権利を持つことができます。事実婚を証明する方法を確認しておきましょう。

<事実婚を証明する方法>

パートナーシップ制度を利用する

公正証書を作成する

世帯変更届を提出する

以下、詳しくみていきましょう。

・パートナーシップ制度を利用する

パートナーシップ制度は、同性カップルが利用できる制度として知られていますが、自治体によっては異性カップルの利用が認められます。自治体独自のパートナーシップ証明書を発行してもらえば、法律婚と同様に、各種手続きやサービスもスムーズに対応してもらえます。

・公正証書を作成する
出典:PIXTA

ふたりで取り決めたことを公正証書に残しておくのもおすすめです。事実婚の夫婦であることや子供に関すること、お金や財産分与、生命保険の受取人など事前に決めたことを、公証役場で公証人に作成してもらいます。公正証書を作成しておけば、トラブル防止にもつながります。

・世帯変更届を提出する
出典:PIXTA

夫婦であることを証明するために、住民票に記載する方法もあります。住民票で事実婚を証明するには、お互いが同一世帯で、どちらかが世帯主になっている必要があるのです。
住民票の続柄欄が同居人であれば、世帯変更届を提出して、世帯主でないほうを「夫(未届)」「妻(未届)」に変更します。手続きに必要なものは、市役所などのホームページを確認してくださいね。

出典:弁護士法人若井綜合法律事務所|事実婚とは?法律婚・内縁・同棲との違いやメリット・デメリットを解説

■事実婚の場合に確認しておきたい制度や手続きをチェック

事実婚では、どのような制度や手続きが利用できるか確認しておきましょう。

<事実婚の場合に確認しておきたい制度>

社会保険制度

携帯料金の家族割引制度

不妊治療の助成金

それぞれ解説します。

・社会保険制度
出典:PIXTA

事実婚でも、法律婚と同様に社会保険制度が利用できます。年収130万円未満などの要件を満たすパートナーは、健康保険の被扶養者となり、保険料の負担なく保険給付が受けられます。
また、厚生年金保険などの被保険者が亡くなった場合も、条件を満たせば事実婚のパートナーが遺族年金を請求することも可能です。そして、国民年金の第3号被保険者として取り扱われます。

出典:コープ共済|第1回 事実婚、お金の「夫婦」認定は社会保障と税制で差

・携帯料金の家族割引制度

事実婚や同性カップルでも、携帯電話の家族割引が適用される携帯電話会社もあります。同一住所なら証明書不要であったり、事実婚を証明する書類が必要であったりと携帯会社によって対応が異なるので、携帯会社のホームページなどで調べてみましょう。

出典:NTTドコモ|ファミリー割引
出典:【公式】UQコミュニケーションズ|家族まとめてUQ、だぞっ

・不妊治療の助成金
出典:PIXTA

これまで不妊治療は一部を除き、保険適用されない自由診療で、子供を望むカップルにとっては大きな負担でした。しかし、2022年4月から不妊治療が保険適用され、事実婚カップルも法律婚と同様に助成が受けられるようになりました。なお、受診の際、医療機関から事実婚の確認や、書類提出が求められる場合もあります。

出典:厚生労働省|不妊治療が保険適用されています。

■事実婚するなら前もって話し合っておきたいこと5つ

人生を共にするパートナーとよりよい夫婦生活を送るために、前もって話しておきたいことがあります。事実婚を選んだことを後悔しないためにもポイントを確認しておきましょう。

<事実婚する際に話し合っておきたいこと>

家族への報告や親族との付き合い方

ローンや生活費の負担

夫婦としての義務

遺言書の作成

法律上の婚姻関係に移行する可能性について

それぞれ見てみましょう。

・家族への報告や親族との付き合い方
出典:PIXTA

結婚式をするのかしないのか、相手の親や親戚との付き合い方はどうするのか事前に話しておきましょう。「事実婚だから結婚式はしない」と思っていても、今後を考えると食事会などはしたほうがいい場合も。また、相手の親が介護状態になった場合も、どうするのか話し合っておくことが大切です。

・ローンや生活費の負担

トラブルになりやすいのがローンや生活費などお金の問題。生活費の負担割合などを決め、共有財産として生活費口座を作り、そこから生活費を出す方法が便利です。また、事実婚ではローンが組めないケースがありましたが、現在は少しずつ緩和されています。家の購入などでローンを組む場合は、事実婚でも利用できるローンを利用しましょう。

・夫婦としての義務

事実婚でも法律婚と同じように夫婦としての義務を果たす必要があります。同居する義務や扶助義務、貞操義務、生活費分担義務といった、お互いの責任をしっかり自覚しておきましょう。

・遺言書の作成

事実婚の場合は、パートナーが亡くなっても相続権がありません。残されたパートナーが困らないよう、事前に遺言書を作成しておきましょう。預金や不動産をはじめ、病院での手術の同意、死後の葬儀や埋葬、納骨など遺言に残しておくのがおすすめです。

・法律上の婚姻関係に移行する可能性について

事実婚をしたがる男性の中には「夫や父親として責任を持ちたくない」「パートナー以外の女性と遊びたい」「独身でいたい」といった、責任逃れのようなずるい男性心理がある場合も。
そうならないためにも、「子供を授かったとき」「どちらかが大きな病気になったとき」など、法律婚に移行する可能性やタイミングなどを事前に話し合っておく必要があります。

■夫婦のかたちは人それぞれ♡事実婚のメリデメを把握してベストな道を選択して

事実婚は、法律婚と同等の権利がありながら、夫婦別姓が可能で戸籍にも影響がないなどのメリットがあります。一方で、税金や相続の面などでデメリットがあるのが実状です。事実婚のメリット・デメリットを把握しながら、ふたりにとってのベストな道を選択してくださいね。

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