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一度くらいは結婚してみたい。どんな選択でも自分が幸せならいい

  • 2024.11.20

こんな言い方をすると、誠意がないと思われるかもしれないが、私は一度くらいは結婚してみたい、と思っている。

結婚だけが女性の幸せではない時代になってきた。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」

私はこの、某CMに使われたフレーズをずっと忘れないだろうし、大学に入って一人暮らしをしたことで、一人の楽しさも知ってしまった。

私の中では、少なくとも今は、結婚をしたくないとかではなく、”しなくてもいい”という考えが優勢になりつつある。

◎ ◎

でも、そんな私に母が言ったのだ。
「一回くらい結婚してみればいいのに」と。
母は、私よりもサバサバしていて私が生まれてニ年しないうちに父と離婚した。周囲はそれを失敗だと言った。私はむしろ母が楽しそうなので成功だと思っていた。
母こそ、結婚の恩恵を受けていないようなのに、不思議なことを言う。

母曰く、「やってみないとわからない」、「男なんてそんなもの」だそうだ。
男なんて多少ダラシがなくて、デリカシーに欠けていて、カフェ巡りも、長時間のお喋りも付き合ってくれる人はごく稀。男は宇宙人。だから、そんなやつと上手くいくかなんてやってみないとわからない。

上手くいかなくたって、バツが一つつくくらい。テストで満点を取ろうなんて思わないでしょ?完璧を求めてたらどこかで揚げ足取られるよ。そうやって自分のバツを勲章にする母は、やはり強く逞しかった。

◎ ◎

母の言い分はとてもよくわかる。でも、私が手放しで賛成できないのはおそらく、周りの目に縛られてのことだろう。

母がいないところで、「やっと嫁に行ったと思ったのに」、「なつめちゃんが可哀想」、という声を聞くのは珍しくなかった。久しぶりに再開した友達に、「名字が旧姓ってことは離婚しちゃったの?」と母が聞かれているのも目にした。

女性は嫁にいって清々されるような存在なのか、だれが片親の子どもは不幸だと決めたのか、名字が変わるのが女の勲章とでもいうのかと反発したい気持ちはあった。

でも、むきになって反発したくなるということは、私自身、心のどこかに離婚してはいけないという考えが居座っているということなのかもしれないとも思う。間違っていると分かっている考えが自分の心の中にもあるのかもしれない。
でも、そんなことを思うのは、誰からも否定されたくない、失敗の烙印を押されたくないという私のちっぽけなプライドのせいだ。

◎ ◎

いつか結婚して、離婚することがあってもいい。私がしたくて結婚して、したくて別れるならそれは、どちらも同じように、その時の私にとって幸せな選択のはずだ。
ちなみにかといって、結婚しないのが悪いという気は毛頭ない。結婚しないのなら、それはその人が誰にも選ばれなかった悲しい奴だというのではなく、そもそもそれ以前に、その人が一人でいる以上の幸せを見つけられなかったに過ぎない。

結婚も、仕事も、もう将来と言えるほど遠い未来の話ではない。でも、これからのことなんてやっぱりわからない。それでも、私はどんな未来でも、周りの評価に惑わされず、私が一番幸せであるための選択をしていきたい。

■なつめの抹茶のプロフィール
料理と茶道が好きな女子大生。
いわゆるリケジョだけど、言葉を紡ぐこと、紡がれた言葉を読み解くことも大好きです。

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