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胸キュン育児が止まらない!育児の大変さを笑いと癒しに変える漫画『男児2人育児を少女漫画風に再現してみた話。』をレビュー

  • 2024.11.19

「ママ、かわいいよ」「ぼくが守ってあげる」——幼児期の男の子には、こんな胸キュンな言葉をサラッと言ってくれる“キムタク期”があるらしい。私も周りのママ友から、このキムタク期の発動報告を受けたことがある。愛息子から言われた少女漫画のようなセリフを、実際に少女漫画風に描いた妄想系育児マンガが『男児2人育児を少女漫画風に再現してみた話。』(にしみつ/KADOKAWA)である。男児ママにはぜひとも読んでほしい作品だ。

本作は、著者と塩系男子の長男・つむちゃん、子犬系男子の次男・いおくんが織りなす賑やかな日々を描いたエッセイマンガである。後追い、赤ちゃん返り、偏食など、育児中に直面する困難な場面を、著者の妄想で華麗な少女漫画のワンシーンに置き換えていく。

たとえば、兄弟でママの取り合いが始まったとき、つい弟のいおくんを優先しそうになった著者に、つむちゃんは「今はぼくとの時間」と言って遮る。この場面を、イケメン青年が流し目で訴えるように描けば、たちまちに日常の育児エピソードが胸キュンな少女漫画に変貌するのだ。そして、毎話「実際はこう!」とリアルな子どもたちの姿が描かれ、そのギャップがオチとなる。何ともクセになるおもしろさだ。

育児の苦労も、少女漫画風のアレンジによってキラキラと輝きを増し、読者の心を和ませてくれる本作。家事や育児に追われる様子は、多くの母親にとって共感できるだろう。そんな大変さを笑いに変えてしまう著者のポジティブな視点が素晴らしい。子どもの何気ない仕草や言葉にときめき、妄想を膨らませる姿は微笑ましく、子育ての愛おしい一面を再認識させてくれる。

男の子のママっていいな、と思わず羨ましくなるほど愛に溢れたエピソードの数々は、子育てに奮闘するママはもちろん、少女漫画好きや日常に癒しと笑いを求める全ての人におすすめだ。ママ歴1年半で絶賛子育て中の私も、カオスな状況さえ「ふふふっ」と笑う余裕を持てるように、この発想の転換を日常に取り入れていきたい。

文=ネゴト / Micha

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