1. トップ
  2. おでかけ
  3. なぜ登山愛好家が八ヶ岳に魅了されるのか?”第4のアルプス”の魅力に迫る!

なぜ登山愛好家が八ヶ岳に魅了されるのか?”第4のアルプス”の魅力に迫る!

  • 2024.11.20

こんにちは!トラベルライターの土庄です。

登山好きの私にとって、日本アルプスは憧れの地ですが、実は日本アルプスに近く、高山の魅力を手軽に体験できる山域があることをご存知でしょうか?

それが、長野県と山梨県に広がる「八ヶ岳(やつがたけ)」です。

日本百名山のひとつとしても知られる八ヶ岳ですが、実際には単独の山ではなく、複数の山頂から成る山々の総称です。

今回は、八ヶ岳の魅力やおすすめの山&登山コースについてご紹介します。

第4のアルプスとも呼ばれる「八ヶ岳」

八ヶ岳は別名「八ヶ岳連峰」と呼ばれ、標高2,000m後半の山々が連なっています。日本アルプス(北・中央・南)は標高2,000m後半から3,000m級の山々で構成されているため、八ヶ岳は日本アルプスに次ぐ標高を誇る山域です。このため、八ヶ岳は「第4のアルプス」と称されています。

広大な山域を持つ八ヶ岳は、夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けて説明されることが多いです。

北八ヶ岳には、蓼科山(たてしなやま)や北横岳、天狗岳などがあり、比較的初心者向けの山が多く、ロープウェイを利用した日帰りコースも豊富に揃っています。

一方、南八ヶ岳には最高峰の赤岳をはじめ、阿弥陀岳、硫黄岳、権現岳などが存在し、山々の稜線を歩く大スケールの縦走コースが人気を集めています。

日本アルプスや富士山を見渡す眺望が素晴らしく、中級者向けのおすすめコースも多数あります。

手軽に楽しめる高山

八ヶ岳の最大の魅力は、手軽に高山を楽しめる点です。日本アルプスでは、登山口から山頂までの標高差が1,500m以上で、2,000m近い山も珍しくありません。

しかし、八ヶ岳では多くの山が、標高差1,000m前半であり、求められる体力のハードルが少し下がります。

さらに、多くの登山コースは日帰りで楽しむことができ、苔むした森やシラビソの森を散策したり、絶景の尾根を歩くなど、変化に富んだ景色を堪能できます。

またコース途中にある山小屋の数も日本有数で、ゆったりと高山を楽しむことも可能です。

ひとつの山域でステップアップできる

ひとつの山域で、初心者から上級者までが満足できる登山体験を提供する場所は、日本全国を見ても非常に珍しいでしょう。歩行時間が3時間以内のショートコースから、4〜6時間のミドルコース、そして6時間以上のロングコースまで、豊富なバリエーションが揃っています。

八ヶ岳を訪れ、ショートコースから徐々にミドル・ロングコースに挑戦すれば、登山スキルや体力を着実にレベルアップさせることができるのです。

また同じ山であっても、複数の登山道が整備されているため、自分だけのオリジナルルートを設定したり、登りと下りで異なるルートを利用して周回することができます。訪れるたびに新たな楽しみ方ができるのも、八ヶ岳の大きな魅力のひとつです。

憧れの雪山入門に最適

冬を迎えた山では、一面が雪に覆われ、まるで別世界に迷い込んだかのような幻想的な景色が広がります。

雪山登山の素晴らしさについては、以前「心揺さぶられる白銀の世界へ!霧氷の花咲き誇る「雪山登山」への誘い」でご紹介しましたが、八ヶ岳はとくに雪山登山の入門に最適な山域です。

とくに北八ヶ岳ロープウェイを利用した北横岳での雪山登山は、雪山登山の人気スポットとして知られ、多くの登山愛好家で賑わっています。登山道が明瞭で、他の登山者も多いため、しっかりとしたトレース(雪の踏み跡)が残っており、遭難のリスクが低いのもポイントです。

八ヶ岳でおすすめの登山スポット4選

これまでに八ヶ岳の魅力について簡単にご紹介しましたが、次はおすすめの山と登山コースをご案内します。「八ヶ岳にはこんなにも多様なコースがあるのか!?」と驚かれることでしょう。

北横岳|雪山登山入門といえばこの山

北八ヶ岳連峰に位置する山で、標高2,480mの北横岳(正式名称は横岳)。南八ヶ岳にも同名の山があるため、区別のために北横岳と呼ばれています。北八ヶ岳ロープウェイを利用して気軽に登山を楽しめることから、1年を通じて多くの登山客が訪れます。

前述したように雪山登山の入門に適した山として人気です。ロープウェイを降りると、火山台地である坪庭が広がり、そこから坂を登って北横岳ヒュッテを過ぎると、一気に展望が開けます。山頂からは日本アルプスや蓼科山を見渡せる360度の絶景が待っています。

白駒池|もののけ姫の世界に出会う

ジブリの名作『もののけ姫』の舞台としては屋久島が有名ですが、八ヶ岳にもその世界観を彷彿とさせる風景が広がります。

それが、天空の池とも呼ぶべきロケーションを誇る「白駒池(しらこまいけ)」周辺。標高2,127mの麦草峠からアクセスできるため、体力的な負担も少なく訪れやすいのが魅力です。

散策路には、太古の自然を思わせる苔むした森が広がり、静寂で神秘的な雰囲気に包まれています。

白駒池の東側には「もののけの森」と呼ばれる場所もあり、独特の景観を楽しめます。さらに少し足を延ばして高見石(たかみいし、標高2,225m)や高見の森を周回するルートもおすすめですよ。

赤岳|圧巻の存在感!八ヶ岳の盟主

中級者以上の登山愛好家にぜひ挑戦していただきたいのが、八ヶ岳の最高峰「赤岳(標高2,899m)」です。

美濃戸(みのと)登山口をはじめとする約5つのルートがあり、どれも登りごたえがありますが、とくに横岳や硫黄岳を縦走する長大な尾根コースが人気です。

赤茶けたゴツゴツとした山肌とどっしりとした佇まいは、八ヶ岳の中でも一際存在感があります。

山頂からは、八ヶ岳連峰の山並みや富士山、日本アルプス、秩父山塊、浅間山まで見渡せる壮大なパノラマが広がります。赤岳山荘に宿泊し、1泊2日でゆっくり楽しむのもおすすめです。

天狗岳|大パノラマの尾根歩きが魅力

北八ヶ岳の中で、通年登山愛好家で賑わう山のひとつが「天狗岳(標高2,646m)」です。麓の唐沢鉱泉(からさわこうせん)から登ると、往復6時間ほどの道のりで、危険箇所が少ないため初心者にも安心して楽しめます。

天狗岳は東天狗岳と西天狗岳の二峰からなる双耳峰(そうじほう)で、その間を歩く稜線のパノラマは絶景です。

また、初心者向けの北横岳に次いで、本格的な雪山登山の入門としても知られています。道中で見られる、雪に覆われた硫黄岳〜赤岳までの稜線は例えようがなく美しく、眼下に大スケールで展開する高山ならではの雪景色に圧倒されます。

通年通いたい!アクセスも抜群な八ヶ岳

初心者でも挑戦しやすいコースが多く、日本アルプスに劣らない絶景を楽しめる「八ヶ岳」。

関東や中部からもアクセスが良好で、東京からは中央自動車道を利用して約2時間、名古屋からも3時間以内で到着できます。

これから登山を始めたい方は、ぜひ八ヶ岳の入門コースに挑戦してみてください。素晴らしい絶景と達成感が、きっとあなたも虜になってしまうはずですよ。

All photos by Yuhei Tonosho

元記事で読む
の記事をもっとみる