渡辺謙「いつの時代にも通用する、心に刺さる作品」　ヒット祈願イベントで映画の魅力を語る＜ライオン・キング：ムファサ＞

【写真】動物がリアル感満載…映画「ライオン・キング：ムファサ」

「ライオン・キング」のシリーズ最新作「ライオン・キング：ムファサ」が12月20日(金)に公開される。本作の「超実写プレミアム吹替版」にてキロス役を演じる渡辺謙が大阪・難波八阪神社で行われた大ヒット祈願イベントに登場。イベントの様子や本人のコメントが到着した。

ムファサとスカーの知られざる真実を描いた“はじまりの物語”

「ライオン・キング：ムファサ」は、「ライオン・キング」の主人公であるシンバの父・ムファサと、かつてはタカと呼ばれた“弟”スカーという、“宿敵”として知られる彼らの知られざる真実を描いた“はじまりの物語”。

ある悲劇によって孤児となり、独りぼっちでさまよっていた幼き日のムファサに救いの手を差し伸べたのは、同じ年頃のライオン・タカ(後のスカー)だった。血のつながりを超えた兄弟の絆で結ばれた彼らは、やがて冷酷な敵ライオン・キロスから群れを守るため、新天地を目指してアフリカ大陸横断の冒険の旅に出る。

血のつながりを超えた“兄弟の絆”に隠された秘密を、心をゆさぶる楽曲にのせて超実写版で描いていく。なお、超実写版「ライオン・キング」(2019年)はディズニープラスにて配信中。

渡辺「ちょうど今朝も最終チェックのセリフ直しを」

イベントの会場となったのは、大阪・難波八坂神社。巨大な獅子頭をかたどった獅子殿がトレードマークで、その大きな口で勝利を呼び込み、邪気を飲み勝運(商運)を招くと世界中から参拝者が絶えないと言われている神社だ。

まず本殿でのご祈祷に参加した渡辺は、神主からの祈祷を受けて本作の大ヒットを祈願。その後、MCからの紹介を受けて、難波八坂神社が誇る獅子殿の獅子の大きな口から登場した。

渡辺は「こんにちは。すごく良い天気で良かったです。先月から『ライオン・キング：ムファサ』キロス役を何度かにわたって収録をして、ちょうど今朝も最終チェックのせりふ直しを終え、今日大阪へやってきました」とあいさつ。また、車から獅子殿が見えたという渡辺は「車から獅子の頭が見えたときに、いかに大きいかということを感じました」と驚きを口にした。

「ライオン・キング：ムファサ」は“心に刺さる”作品

イベントが行われた11月18日は、ミッキーマウスの誕生日というディズニーにとって記念すべき日。一方、本作の超実写プレミアム吹替版キロス役発表イベントが行われた10月21日は、渡辺自身の誕生日だった。そのことを尋ねられると「たまたまそういう日に当たったので、大きな『ライオン・キング：ムファサ』バージョンのケーキでお祝いをいただきました」と、自身の誕生日エピソードを明かす。

今回が初のディズニー作品への参加だという渡辺は、本作の魅力について「アニメーションの頃から何作も作られている作品で、もちろん動物がメインの話だけれども、ある意味人間社会を投影しているような深いメッセージが隠されている。老若男女、そしていつの時代にも通用する、心に刺さる作品。だからこそ、その始まりの起源はどこにあるのかという作品が今回作られたと思っています」と告白。

さらに、予告編を見て、ムファサとタカ(後のスカー)がなぜあんなふうになってしまうのだろう、と切なく感じたというMCの感想を受けて、「今までの作品をご覧になった方々は、最後ムファサとスカーがどういう結末になるのか分かりながら、このプロセスを一緒に体感していくという、結末が見えているだけに非常に切ない話になっています。ディズニー史上最も切ない話というのがこの作品の肝かもしれないですね」と、本作のポイントを語った。

また、「いろんな種類の動物が出てきますが、そんな多様性が人間の社会と似通っているような気がします。受け取り方によっては世代や男女でも違う感想が出てくるかもしれないので、みんなで感想を言い合ったりしても楽しいかもしれません」と、本作の楽しみ方についても教えてくれた。

渡辺「キロスは、守るべきものを守ろうとしている」

自身が演じたキロスについて問われると、「キロスは、ただ悪いことを考えているキャラクターではなく、社会から疎外されているキャラクターなんです。血のつながりからくる憎しみだけでなく、自分たちの存在意義すら壊されてしまう、そんな苦しみや悩みを背負いながら、守るべきものを守ろうとしている、そんなキャラクターです」と解説。

また、本作はトニー賞、グラミー賞、エミー賞を受賞しているリン＝マニュエル・ミランダが音楽を手掛けているが、「たまたま私がニューヨークで『王様と私』の舞台をやっていた時に見に来ていただきましたし、私が彼の舞台を見に行った時に寛大に迎えて、一緒に写真を撮っていただきました」と、ミランダとのエピソードも飛び出した。

そして、かなり苦労したというキロスが歌唱する劇中歌「Bye Bye」についても言及。「字幕版の声優を演じるマッツ・ミケルセンの思いもくみ取り、アフリカっぽいノリの良い曲だけど、憎しみを込めるような歌なので、軽いノリというよりは念を込めてネチっと歌いました」と、楽曲に込められた思いを表現するべく奮闘したことをアピールした。

イベントの最後には、「12月20日(金)より『ライオン・キング：ムファサ』劇場公開が始まります。今日明日と大阪を駆け巡りたいと思っておりますので、関西のみなさまぜひ劇場に足を運んでいただければと思います」とメッセージを送った。