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グルマン温故知新:神楽坂〈scaglia〉名店の流れを汲む、魚介イタリアンの新星

  • 2024.11.22
襟裳岬産 鰹とビーツのソース
BRUTUS

scaglia(神楽坂)

名店の流れを汲む、魚介イタリアンの新星

ある日のメニューは青森のサゴシ、佐島のマダコ、館山のクエに富津のマダイ。日本料理店や寿司屋にも引けを取らない一級品の鮮魚が、イタリアンのコースにこれほど並ぶのも珍しい。

それもそのはず、こちらは魚介イタリアンの異名を取る新宿三丁目〈イルラート〉の姉妹店。毎朝、豊洲市場に足を運び、寿司職人から魚の扱いを学ぶ古井繁規シェフの下、腕を磨いてきた石川敦さんがキッチンに立つ。

襟裳岬産 鰹とビーツのソース
襟裳岬産 鰹とビーツのソース 鮮魚は産地にもこだわるという石川さん。この日のカツオは襟裳岬産。ビネガーで酸味をプラスしたビーツのピューレ、フレッシュチーズのストラッチャテッラに、ショウガ、フグネギ、花穂ジソを添えて。ソースは、トマトとエシャロット、アーリーレッドがベース。料理はすべて13,200円のコースから。
クエの炭火焼き
クエの炭火焼き 身質がしっかりとした高級魚のクエは1週間熟成させて使用。時間をかけて炭火焼きにし、ゼラチン質の皮目はパリッと、身はふっくらと仕上げる。チコリに似たイタリア野菜のラディッキオプレコーチェのリゾットと。
トロフィエ 鮑のジェノベーゼ
トロフィエ 鮑のジェノベーゼ リグーリア州伝統のパスタ。小さく丸めた生地を手のひらで一つ一つのばし、小指球でひねるようにして成形。「独特の食感が楽しめる一番好きなパスタ」と石井さん。アワビは軟らかく蒸して、パスタの食感と同調させる。

例えば、スペシャリテというパスタのトロフィエには、日本酒で1時間蒸したアワビを。襟裳岬のカツオなら手当ても丁寧に、鉄分由来の風味を色鮮やかなビーツのソースで引き立てる。ショウガや穂ジソと和の薬味を合わせるあたりも心憎く、かつイタリアンの枠に着地させるから、食べ手も魅了されるわけだ。

「〈イルラート〉の古井シェフはギリギリまで無駄を削ぎ落とすシンプルな料理。自分は、見た目の楽しさや盛り付けの華やかさも意識しています」

〈scaglia〉石川さん
〈イルラート〉の古井シェフの右腕として8年間にわたり経験を積んだ石川さん。
〈scaglia〉店内
店内は落ち着きのあるシックな雰囲気。

Information

scaglia

〈スカーリア〉
住所:東京都新宿区神楽坂6−39−1 エキューラ神楽坂1−D
TEL:03-5579-2959
営:11時30分〜15時、18時〜22時
休:木曜・金曜昼休

東京メトロ神楽坂駅1b出口から徒歩1分。2024年6月14日オープン。夜のみ席料(フォカッチャ付き)500円。店名はイタリア語で「鱗」の意味。コースに加え、アラカルトは青森産サゴシの生ハム仕立て2,200円といった前菜にパスタ・リゾット、メイン、チーズ、デザートを用意。1名の客にはハーフサイズでの提供も。

グラスワイン1,200円~、ボトルワイン6,500円~。昼コース3,300円~、夜コース8,800円~、アラカルト1,980円~。カウンター6席、テーブル8卓2席。

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