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【漫画】怪獣のようなパワフル少女が秘めた想いとは…不器用でも純粋な恋心に「今年1番よかった」「神作すぎる」と反響多数

  • 2024.11.19
『大怪獣!アカリちゃん』が話題 (C)鬼井イモリ/小学館
『大怪獣!アカリちゃん』が話題 (C)鬼井イモリ/小学館

【漫画】あの子が傍若無人になったワケ…コンプレックス男子と怪獣系女子の甘酸っぱい青春物語に「可愛かった!」「つづくの間違いでは?」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サンデーうぇぶりでも掲載された読み切り作品「大怪獣!アカリちゃん」をピックアップ。

作者の鬼井イモリさんが9月9日にXで同作を投稿。そのツイートには9.9万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、鬼井イモリさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

食物連鎖のトップ、アカリちゃんがプリンを奪った本当の理由とは?

『大怪獣!アカリちゃん』(9/36) (C)鬼井イモリ/小学館
『大怪獣!アカリちゃん』(9/36) (C)鬼井イモリ/小学館

転校生の大津湊は、同じクラスの西園寺アカリが苦手だった。

大きな目と口、ピンクと黄色矯正器具、派手な髪型。アカリちゃんはその目立つ見た目から、5年1組の食物連鎖のトップに立つ存在だった。

そして5年1組には、給食のプリンをアカリちゃんに献上しなければいけないというルールがある。大津は今のところ、好物のプリンをアカリちゃんに取られずに済んでいる。

放課後、大津がプリンを持って帰ろうとしていたところを、アカリちゃんに見つかってしまった。献上していなかったことを咎められると怯える大津だったが、アカリちゃんから意外な言葉が飛び出した。

「…それ、暑くないの。長ソデ」

「エッ…あ、アトピー隠してる…」

とっさに大津は答えた。

大津は前の学校でアトピーのことをからかわれてから、肌を見せることがコンプレックスになり、友達を作れなくなっていたのだった。そんな大津の学校での唯一の楽しみが、給食のプリンだった。

翌日また、プリンが出たので持ち帰ろうとした大津だったが、アカリちゃんに取り上げられてしまった。さらに、その一件でクラスメイトに注目され、7月だというのに長袖を着ていることがみんなにバレてしまった。

(君は全部持ってるのに…僕にはプリンしかないのに、どうして!!)

「アカリちゃん!それ僕のだよっ!僕のプリン返して!」大津が言うと、

「だめ!コレたまご入ってる!アトピーって卵食べちゃダメなんじゃないの!?」とアカリちゃん。

アカリちゃんは、転校生の大津に恋をしていたのだった。

実は彼女は、ハーフという見た目から「宇宙人」などとイジられて嫌な思いをしていたが、大津が転校してきてから、学校生活が一変した。

彼のアトピーを理解しようと調べて、卵アレルギーなのではないかと学校中のプリンを集めて、大津に食べさせないようにしていたのだった。

意外な展開に、読者からは「今年1番よかった」「想像以上にアカリちゃんが可愛かった!」「興味本位で読んだけど神作すぎる」「最後のページなんですが、完となってます。つづくの間違いではないでしょうか?」「コメント欄が"連載希望"でいっぱいですよ」といった声が多数上がっていた。

「年相応の恋愛観を懐かしんで見てもらえれば」作者が語る創作の背景

『大怪獣!アカリちゃん』(28/36) (C)鬼井イモリ/小学館
『大怪獣!アカリちゃん』(28/36) (C)鬼井イモリ/小学館

――『大怪獣!アカリちゃん』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

『大怪獣!アカリちゃん』は冒頭3ページでどれだけわかりやすく面白く描くかの実験のような漫画でした。「こう描けば読者はページを捲りたくなるかな?」と試しに描いた冒頭が案外面白くて、「最後まで描き切ろう」と思いできたお話です。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

小学生が小学生らしい恋愛やら会話やらをしているところです。謎に女子と男子が対立してたり、顔が良いってだけでちょっと意識しちゃったり、クラス内で発言力の強い子が教室を牛耳ってたり、それに意外とみんな楽しんで従ってたり…ですね。実年齢より精神年齢の高いキャラクターが出てくる漫画の方が読みやすいですが、「そんなん小学生じゃねえだろ!!」という鬼井の反骨精神のようなものが勝ってしまったため、年相応の恋愛観の2人のお話になってます。読者には「自分にもこういう時代あったなあ」と懐かしんで読んでもらえれば嬉しいです。

――本作では、怪獣系女子の本心が明らかになるほどに、より作品の魅力に引き込まれていきます。鬼井イモリさんが特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

本作29ページ(カラー絵込みだと30ページ)の、アカリちゃんが大津くんに言う「…じゃあアタシも、明日から長ソデ着てこよっかな。」です。人が人のために言う言葉なんて(相手が好きな人なら特に)いくらでも取り繕えるし相手のために嘘もつけるんです。ですが、このシーンは大津くんがアカリちゃんの素の価値観に元気づけられるべきだと思ったので、「アトピーなんて気にしなくて大丈夫だよ」みたいなセリフではなく、アカリちゃんの独り言のようなセリフにしました。意外と人間というのは、励ましの言葉よりも誰かの独り言やなんでもないただの呟きに元気や自信を貰うことの方が多いのではないかと思っており、それが本作で一番描きたかったことでもありました。

――クラスで目立ちたくない転校生と、カースト上位にいる怪獣系女子の組み合わせが話題となっている本作ですが、ストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

「オタクに優しいギャル」が一時期SNSで話題になっておりましたが、実は本作も「オタクに優しいギャル」を描こうとしてこうなりました。(実際どう見えるかはわかりませんが…)

――鬼井イモリさんの今後の展望や目標をお教えください。

とにかく楽しんで描きたいです。簡単なように見えて意外と難しい。自分が楽しんで描いてないと読者も楽しんで読めないだろうなと思うので、ずっとそれが展望であり目標です。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

これからも楽しく漫画を描いていこうと思いますので、読者の皆様にはお菓子でも食べながら気軽に読んで楽しんでいただけると幸いです。

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