1. トップ
  2. 恋愛
  3. 90年代「ロマコメの女王」メグ・ライアン63歳が語る、エイジング批判と自由で新しいファミリーのかたち

90年代「ロマコメの女王」メグ・ライアン63歳が語る、エイジング批判と自由で新しいファミリーのかたち

  • 2024.11.19

「私たちのカルチャーは、とかく“若さ”を重視する傾向があり、もはやそれは執着と言っても良いくらい。本当に馬鹿げています。私は今60代で、ご覧の通り若くはありませんが、自分の年齢を愛していますし、自分の“今”が大好きです。ですから、私はエイジングを恐れてはいません。私を“老けた”などと批判している人たちだっていずれ年をとるのだから、皆さんもっとエイジングをリラックスして受け入れるべきだと思います」

全米及び世界で大ヒットしたロマンティックコメディの名作『ユー・ガット・メール』のワンシーンより。
MCDYOGO EC005全米及び世界で大ヒットしたロマンティックコメディの名作『ユー・ガット・メール』のワンシーンより。
『恋人たちの予感』の相手役、ビリー・クリスタルと。
1482248549『恋人たちの予感』の相手役、ビリー・クリスタルと。

2023年、イギリスのメディア「インディペンデント」にこう語った俳優のメグ・ライアンは、1961年11月19日アメリカ・コネチカット州フェアフィールド出身。1981年にジョージ・キューカー監督映画『ベストフレンズ』でスクリーンデビューを果たし、直後から当確を表した彼女は、1986年に『トップガン』でアンソニー・エドワーズ演じる海軍飛行士官ニック・“グース”・ブラッドショーの妻キャロルを演じて一躍世界の注目を集めた。続いて、初主演作であるロマンティック・コメディ『恋人たちの予感』(1989)、トム・ハンクスと共演した『めぐり逢えたら』( 1993)、『ユー・ガット・メール』(1998)と立て続けにヒットを飛ばし、“ロマコメの女王”としての地位を確立。その絶頂期には、ジュリア・ロバーツと並び“ハリウッドの高給取り”、“アメリカの恋人”とも呼ばれ、さまざまなオファーが彼女のもとに殺到した。が、『羊たちの沈黙』(1991)のクラリス・スターリング役をオファーされたときは、その陰惨なプロットを理由に断ったため、同役はジョディ・フォスターに渡った。

歳を重ねることは、自分らしくいられること

10月にLAで開催された「アカデミー映画博物館ガラ2024」に現れた、メグ・ライアン。
217968263510月にLAで開催された「アカデミー映画博物館ガラ2024」に現れた、メグ・ライアン。

そんな彼女も60代となり、「整形手術を受けているのではないか」「以前と見分けがつかないくらいすっかり変わってしまった」等々自身の容姿について容赦ないコメントを浴びせられるようになった。だが、公の場に出るたびに容姿批判で煽るメディアに対し「馬鹿げている」と一蹴し、多くのファンも「女性蔑視」であるとして猛反発。そんな彼女は、独自のエイジング論についてこう語っている。

「年を重ねるということは、人を喜ばせようとすることをやめて、臆することなく自分らしくいることができるということだと思います。10代や20代は自分が何者なのか、または何者になるべきなのかを発見するため、さまざまな個性を試しながら世間の反応を気にする傾向にありますが、年齢を重ねると多くの経験からある意味開き直って自分の言いたいことをリラックスして表現できるようになります。私は、それがエイジングの良い点でもあると思っています」と、エイジング批判についてよどみなく語るメグだが、いくらロマコメの女王でも年齢を重ねるごとに難しくなってきたものがあるという。それが、恋愛だ。

「大学時代、彼がデートでコネチカット北部からマサチューセッツにかけてバイクツーリングに連れて行ってくれたことがありました。景色を見たり、夕食を食べたりして本当に楽しい時間を過ごしたのを覚えています。だから大学寮に戻ったとき、私は彼にこうお礼を伝えました。『最高の時間をありがとう、フィル』──彼の名前は確か“ボブ”だったのに(笑)。それっきり、彼から二度と連絡が来ることはありませんでしたが、とても楽しかった。年を重ねるたびに、なぜかこんな恋愛ができなくなってきてしまったのが正直なところです」

実子と養子、二人の子どもたち

アクション映画『ハンガー・ゲーム』(2012)でスクリーンデビューし、ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』で見事主役の座を射止めたジャック・ヘンリー・クエイドは、メグ・ライアンの愛息。
492681458アクション映画『ハンガー・ゲーム』(2012)でスクリーンデビューし、ドラマシリーズ『ザ・ボーイズ』で見事主役の座を射止めたジャック・ヘンリー・クエイドは、メグ・ライアンの愛息。

そんな彼女は、1991年に俳優のデニス・クエイドと結婚後、翌年に一人息子のジャック・ヘンリー・クエイドをもうけた。しかし、彼が9歳のときに二人は離婚したため、両親の間を行き来しながら成長したという。そんなジャックも現在32歳となり、親の後を追うように、SFテレビアニメ「スタートレック:ローワー・デッキ 」(2020~2023)や映画『スクリーム6』(2023)などのヒット作に出演する俳優として活躍中だ。

そしてもう一人、ジャックの妹であり、メグが離婚後に2006年に養子として迎えた娘のデイジー・トゥルーがいる。2004年に中国で生まれ2006年に彼女のもとにやってきたデイジーは、現在20歳。そんな彼女との出会いを「運命」だったと語るメグは、“デイジー・トゥルー”と名付けたときのことをこう振り返っている。

「最初はシャーロットと名付けようと思いました。ですが心の底から彼女には幸せになってほしいと思ったから“デイジー・トゥルー”と名づけました。これが、私が思いついた中で一番幸せな名前だと思ったから」

運命がもたらしたファミリーのかたち

2019年、スキャパレリのオートクチュールコレクションショーのフロントローに現れた、メグ・ライアンとデイジー・トゥルー。
11593654072019年、スキャパレリのオートクチュールコレクションショーのフロントローに現れた、メグ・ライアンとデイジー・トゥルー。

メグの娘デイジーは、現在大学に通いながら趣味の服作りに没頭しており、直近ではめったに見られない二人のプライベートショットもメディアで取り上げられるなど、仲睦まじい親子の様子が報じられている。

一方で、自身が主演・共同脚本を務めた2023年の映画『What Happens Later』の脚本制作の段階で、主人公ウィルミナ・デイヴィスに養子縁組のストーリーを追加して、自身の経験を啓蒙することを思いついたというメグは、その理由を、のちにこう明かしている。

「私は、以前から養子を迎えることに大きな関心を寄せていました。デイジーとは血が繋がっていなくても、娘は娘。ファミリーとは、血縁でなくても運命で成立するものだということを世界に知って欲しかったのです。私は、二人の子どもの母親になれて心底うれしいですし、子どもたちといるととても楽しくて、時が経つのを忘れてしまうほど。二人とも、私にとって最高の“仲間”です」

さらに、「今後ファミリーのかたちはもっともっと多様になっていく」と続けるメグは、実子と養子縁組によって築き上げた自身のファミリーについてこんな本音を明かした。

「実際にデイジーを迎えたとき、ファミリーを作り上げるうえで血の繋がりという先入観を捨てることの大切さを身をもって知りました。これからの先、私たちのような家族がさらに増えるなど、より多様化していくと思います。“血は水よりも濃い”とは言いますが、それと同様に“運命”で繋がる縁もあるはず。今私に言えることは、私の二人の子どもたちは世界一大切な存在だということ。二人とも、私のかけがえのない子どもたちですから」

参考文献:

https://www.independent.co.uk/life-style/meg-ryan-age-appearance-interview-b2456272.html

https://www.kidsco.org.uk/meg-ryans-2-children

https://people.com/meg-ryan-looks-back-at-adopting-daughter-daisy-8409006

https://www.glamour.com/story/getting-cozy-with-meg-ryan-cover-story

https://people.com/all-about-meg-ryan-kids-7509972

https://www.independent.co.uk/life-style/meg-ryan-age-appearance-interview-b2456272.html

https://people.com/meg-ryan-makes-rare-outing-daughter-daisy-nyc-8727589

https://pagesix.com/2024/10/12/parents/meg-ryan-and-daughter-daisy-take-casual-stroll-in-nyc

Text: Masami Yokoyama Editor: Rieko Kosai

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる