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『室井慎次 生き続ける者』が前作超えの成績で初登場No. 1!全国規模で行われた先行上映の効果は?

  • 2024.11.18

11月15日から11月17日までの全国映画動員ランキングが発表。「踊る大捜査線」シリーズの12年ぶりの再始動として、同シリーズの中心人物のひとりである室井慎次を主人公にした2部作の後編『室井慎次 生き続ける者』(公開中)が、前編に引き続き初登場でNo.1を飾った。

【写真を見る】歴史的快挙を成し遂げたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が劇場公開!真田広之の迫真の演技がスクリーンに

気になるシリーズファンからの評価、「踊る」の今後は?

先行上映と併せて興収6億円に迫るスタートダッシュを飾った『室井慎次 生き続ける者』 [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
先行上映と併せて興収6億円に迫るスタートダッシュを飾った『室井慎次 生き続ける者』 [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

『室井慎次 生き続ける者』の初日から3日間の成績は、観客動員が26万8000人で興行収入が3億7700万円。これは10月に公開され、今週も7位にランクインしている前編『室井慎次 敗れざる者』(公開中)の初日3日間の成績(動員25万1000人、興収3億6100万円)と比較すると微増。前編はすでに累計動員100万人の大台を突破しており、後編もそれに続くヒットを記録することができるか注目が集まるところ。

また本作は、先週末の11月8日から11月10日までの3日間にわたって全国の劇場で先行上映が行われており、その成績を含めると累計動員42万人&興収6億円に迫っているとのこと。洋画の大作では昔から公開前の週末に“先行レイトショー”が行われたり、近年でもIMAXなどのラージスクリーンフォーマット限定で先行上映が行われることも珍しくないが、本作のような邦画のメジャー作品で、イベント上映ではない全国規模で大々的に行われる例はあまり多くはないはずだ。

前編で描かれた意味深な要素の数々が、後編ですべて明らかに [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
前編で描かれた意味深な要素の数々が、後編ですべて明らかに [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

洋画の場合は海外と日本の公開時期に差があるからこそ、先行上映に一定の効果が見込めるが、邦画の場合は知名度があって多くのファンが存在している作品、あるいは前後編の連続公開などで「一刻も早く観たい」という欲求が駆り立てられるタイプの作品であることが必要条件といえよう。本作の場合はそれらをすべて満たしており、かつ先述の成績を参照してわかる通り、それなりの成果を収めている。これは今後の格好のモデルケースになるはずだ。

本作をまだ観ていない人のためにも多くを語ることは差し控えるが、この「室井慎次」2部作に対する往年の「踊る」シリーズのファンからの評価は真っ二つで、むしろ“賛否”の“否”のほうが強い印象すらも受ける。それは「踊る」らしさが徹底的に封じられた作品であった点や、(前々から多くのファンのなかで察しはついていたとはいえ)ラストの展開が受け入れ難いものであったことなど、理由は多々あると考えられる。

新城が受け継いだ、室井と青島の“約束”。今後の「踊る」に期待はふくらむばかり [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
新城が受け継いだ、室井と青島の“約束”。今後の「踊る」に期待はふくらむばかり [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

しかしそれをすべて覆すだけの高揚感と共に待ち受ける、“「踊る」はまだ続く”と示された最後の一文。日本の実写映画のなかでも抜群の成績を収めてきた「踊る」シリーズが再始動した以上、動員100万人で満足するわけにはいかない。願わくばお台場の、湾岸署を舞台にした次なる一手で文句なしの大成功を収めてくれることを期待しながら、続報を待つことにしよう。

『グラディエーターII』『矢野くんの普通の日々』など4タイトルが初登場!

さて、前週初登場で1位を飾った『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』(公開中)は、第2弾入場者プレゼントの配布と2回目の舞台挨拶の効果もあって2週目末も好調をキープ。週末3日間で動員12万5000人、興収1億7900万円を記録し、累計成績は動員38万人&興収5億円を突破している。

オスカー受賞作の24年ぶりの続編『グラディエーターII』は3位に初登場! [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.
オスカー受賞作の24年ぶりの続編『グラディエーターII』は3位に初登場! [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.

3位に初登場を果たしたのは、第73回アカデミー賞で最優秀作品賞など5部門に輝いたリドリー・スコット監督の『グラディエーター』(00)の24年ぶりの続編として、再びスコット監督がメガホンをとった『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(公開中)。初日から3日間で動員10万3000人、興収1億6300万円を記録した本作は、前作の主人公マキシマスの息子ルシアス(ポール・メスカル)が、父と同じように復讐を胸に剣闘士として闘いに挑む姿が描かれる。

前作はダイナミックな映像表現で史劇アクションジャンルに革新をもたらした作品として話題をさらい、当時の動員ランキングで2週連続No.1を獲得。最終興収15億円を突破するヒットを記録(ちなみに日本公開はアカデミー賞の発表よりも半年以上前であった)。そこからさらなる進化を遂げた映像表現が見どころなる本作には、興行的成功はもちろんのこと、前作に続いて賞レースでの活躍も期待されている。

八木勇征主演の『矢野くんの普通の日々』は5位スタート [c]2024 映画「矢野くんの普通の日々」製作委員会 [c]田村結衣/講談社
八木勇征主演の『矢野くんの普通の日々』は5位スタート [c]2024 映画「矢野くんの普通の日々」製作委員会 [c]田村結衣/講談社

5位には超不運体質の男子高校生を主人公にした田村結衣の同名ラブコメ漫画を、FANTASTICSの八木勇征主演で実写映画化した『矢野くんの普通の日々』(公開中)がランクイン。また、7人組ダンス&ボーカルグループBE:FIRSTのライブドキュメンタリー映画第2弾となる『BE:the ONE -MEANT TO BE‐』(公開中)は6位に初登場を果たした。

そして、先ごろ発表された第76回プライムタイム・エミー賞において、真田広之の主演男優賞をはじめドラマシリーズ部門で史上最多となる18部門に輝く快挙を達成した「SHOGUN 将軍」(ディズニープラスにて配信中)の第1話と第2話が期間限定で劇場公開され、8位にランクインしている。

【写真を見る】歴史的快挙を成し遂げたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が劇場公開!真田広之の迫真の演技がスクリーンに [c]2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks
【写真を見る】歴史的快挙を成し遂げたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が劇場公開!真田広之の迫真の演技がスクリーンに [c]2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

以下は、1~10位までのランキング(11月15日〜11月17日)

1位『室井慎次 生き続ける者』

2位『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』

3位『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

4位『ヴェノム:ザ・ラストダンス』

5位『矢野くんの普通の日々』

6位『BE:the ONE -MEANT TO BE‐』

7位『室井慎次 敗れざる者』

8位『SHOGUN 将軍』

9位『レッド・ワン』

10位『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』

今週末は、浅倉秋成の同名ミステリー小説を映画化した『六人の嘘つきな大学生』( 11月22日公開)、倉本聰が原作と脚本を務めた本木雅弘主演のヒューマンドラマ『海の沈黙』(11月22日公開)、今年デビュー10周年を迎えたWEST.のオリジナルライブを収録したコンサート映画『『WEST. 10th Anniversary Live "W" -Film edition-』(11月22日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

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