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保育園と家では違う振る舞い!? ベビーシッターの奮闘を描く職業コメディコミック『さいお先生は今日も子どもに翻弄される~ベビーシッター4年目の絶望日記~』

  • 2024.11.18

学校ではできるのに家では全くやらない! 子どもの集団と家での態度が全く違うことも珍しくはない。『さいお先生は今日も子どもに翻弄される~ベビーシッター4年目の絶望日記~』(さいおなお/竹書房)は、子どもたちの振る舞いの違いを目の当たりにし、翻弄されながらも奮闘するベビーシッターの姿を描いた職業コメディである。

「ひとりひとりの子どもと、もっと触れ合いたい」という純粋な思いから、保育園勤務3年の経験を武器にベビーシッターとなったさいお先生。しかし、その決断が彼女の人生に予想外の展開をもたらすことになる。本作は、実際に目にする機会が少ないベビーシッターの仕事や日常を、ユーモアたっぷりに描いているコミックだ。

保育園での経験から子どもの扱いには自信があったさいお先生だが、自宅という「自分の城」で接する子どもたちは、想像を遥かに超える難敵だったのである。理不尽な要求、大人顔負けの毒舌、約束を守らない狡猾さ…子どもたちの予測不能な行動に、さいお先生は翻弄されっぱなしだ。

理解したふりをして約束を破る姿や、突如として態度を豹変させる様子など、リアルな子どもの姿が生き生きと描かれている。そんな子どもたちの行動の描写は、子育て中の親には痛いほど共感できるはず。また、兄弟姉妹の意外な関係や、親では対応しきれない場面でも冷静に対処するベビーシッターの姿など、親の視点からも楽しめる要素が満載だ。

似て非なる保育士とベビーシッターの違いが随所に描かれている。集団での保育とは異なり、家庭という私的空間での一対一の関係がもたらす独特の緊張感や難しさを知ることができる。また、常に予想外の展開を見せる子どもたちと接する大変さと楽しさを理解してくれる第三者の存在の大切さを再認識させてくれるだろう。

子育て中の親はもちろん、これから子どもと関わる仕事を目指す人にもおすすめのコミックである。笑いあり、共感あり、そして時には心温まる瞬間もある。この作品を通じて、子どもたちの無邪気さと、彼らと関わる第三者の奮闘の両方に、新たな視点を見出すことができるだろう。

文=ネゴト / Ato Hiromi

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