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「気持ちよすぎて昇天…!」一生に一度は泊まりたい極上の温泉宿1泊2日レポ

  • 2024.11.18

星野リゾートが全国に展開するブランド「界」。地域の文化に根ざした空間や体験を通して、その土地の持つ魅力を存分に堪能できる温泉旅館です。2024年9月5日には、新たに「界 奥飛騨」が誕生しました。自然豊かな山々に囲まれた、岐阜県・奥飛騨温泉郷ならではの魅力を、実際に宿泊した体験記とともにお届けします。

飛騨の山々に囲まれた温泉宿「界 奥飛騨」

国内でもトップクラスの湯量を誇る、岐阜県・奥飛騨温泉郷。豊かな自然に囲まれたこの山深い地域に「界 奥飛騨」はオープンしました。コンセプトは「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」。周辺には標高3,000mを超える乗鞍岳(のりくらだけ)や飛騨山脈の南部にそびえる槍・穂高連峰(やり・ほだかれんぽう)、平湯大滝などの大自然が広がり、飛騨地域の自然や文化に触れながらゆったりと滞在できます。

「界 奥飛騨」は2棟の客室棟と湯小屋棟、離れの計4つの建物から成ります。客室と大浴場、食事処がすべて分かれているのです(客室タイプによる)。滞在中のゲストが棟と棟の間を行き来することで、山や空の表情や鳥のさえずりなど奥飛騨の自然を五感で体感できるようにという思いからだそう。

フロントに入ると、川が流れるように床に木が埋め込まれており、フロントカウンターへとゲストを誘います。フロントカウンターの奥には、施設の近くを流れる平湯大滝をイメージした白いタイルが。足元の木材は飛騨産の楢(なら)を使うなど、自然の息遣いを感じられるような空間です。

【共有スペース】飛騨の匠の技や、歴史を感じられる「離れ」

こちらは滞在中に休憩したり、本を読んだり、コーヒーを飲んだりとゲストが思い思いに過ごせる「離れ」です。縞模様のように見える壁は、広葉樹の木材を何種類も組み合わせたもの。

豊富な森林資源に恵まれたこの地域では、平安時代から木工産業が盛んでした。「飛騨の匠」と呼ばれる高い技術を誇る木工集団が、奈良をはじめとした日本全国に派遣され、各地で活躍していたそうです。壁には飛騨の匠が実際に使用していた道具が展示され、匠の息遣いを感じる空間美を楽しめます。

離れの外に広がる中庭には、源泉かけ流しの足湯も。お湯の流れる音や自然の音に耳を傾けながら山々を見ていると、ゆったりと時間が流れます。

中庭は、この地の景観の特徴である石積みの棚田を彷彿とさせる空間。中央を流れる湯の川にそって散策しながら遠くの山々を眺めると、広葉樹や自生種が生い茂っているのが見えます。四季折々の雄大な自然を感じながら、古くから続く奥飛騨の風景や、文化を感じられる中庭です。

【客室】地元の伝統技術が散りばめられた「飛騨MOKUの間」

客室は全部で49室で、すべて飛騨らしい意匠を感じる部屋。うち露天風呂付き客室は28室です。部屋のタイプは全6タイプで、3名定員の部屋や1名用、ペット連れで利用できる部屋などもあるので幅広いシーンで利用可能。1名用の部屋があるので、おひとりで気軽に訪れることができるのも嬉しいですね。

チェックインの時間になったら、いざお待ちかねの客室へ。今回宿泊したのは、ご当地部屋「飛騨MOKUの間」。天然木を使った家具や、地域の伝統工芸の技術を用いたインテリアなどが散りばめられ、飛騨の魅力が詰まった部屋になっています。

地元の伝統的な漆塗り・飛騨春慶(ひだしゅんけい)のウォールアートや、飛騨染のクッションなど、室内のインテリアは鮮やかな色使い。室内をやさしく照らす行灯には800年の歴史がある山中和紙を使っています。

広々とした寝室スペースにはベッドが2台。飛騨家具のアイコンともいえる技術「曲げ木」をイメージしたヘッドボードには飛騨地域に多く自生するブナ、タモ、サクラ、ナラの木をモチーフにグラデーションがあしらわれており、1日の疲れを癒してくれるやすらぎの空間を演出します。

部屋の奥には、大きな露天風呂が。引き戸を開けると、すぐそこには中庭が見えますが、覗き見防止のための曇りガラスがついているので安心です。木々を眺めながらお風呂に浸かり、自分だけの時間をゆったりと堪能できます。

【夕食】宝楽盛りから飛騨牛まで。飛騨の食材を堪能する絶品フルコース

夕食は、飛騨ならではの食材を活かした特別会席「飛騨牛の朴葉つと焼き会席」。メインの飛騨牛に加え、地域で取れた食材をふんだんに使用した料理がコース形式で提供されます。

先付け、土瓶蒸しから始まり、八寸(八寸サイズのお皿から由来)やお造りを乗せた豪華な宝楽盛り(写真)、揚げ物、蓋物などが続きます。料理の盛り付けには囲炉裏端を思わせるデザインの古材を活用。地域の風情を感じる華やかな食事も、界の楽しみのひとつです。

メインの飛騨牛の朴葉つと焼きは、大きな朴葉に包まれた飛騨牛を、熱々の石の上で焼いていただきます。石の上に置くと聞こえる「ジュ〜」という音がたまりません…!食べてみると舌の上でサッととろけるように柔らかく、まさに絶品。噛むほどに上質な脂が口の中に溢れ、じんわりと幸福感に包まれます。

また、自分で焼くので好みの焼き加減でいただけるのも嬉しいポイントです。途中で石の温度が下がってしまったのですが、それを見たスタッフの方が何も言わずに新しい熱々の焼き石を持ってきてくださり、ホスピタリティの高さにも改めて感動しました。

【風呂】客室の露天風呂や源泉掛け流しの大浴場で、1日の疲れを癒す

広々とした客室の露天風呂で、心も体も解放される

満腹で部屋に戻ったら、のんびりお風呂の時間を楽しみます。客室の露天風呂で静かに過ごすのも、大浴場でくつろぐのも、どちらも贅沢なひとときです。

露天風呂は夜になると、昼間とは全く違ったムーディーな雰囲気に。引き戸を閉めていても外の風が感じられ、とても心地よいです。湯船の傍には、濡れたまま上がれるマットが用意されており、温泉で温まったらマットに上がって外気浴。入っては出てを繰り返し、いつまでも楽しんでいたくなります。

奥飛騨の自然をモチーフにした大浴場

せっかくなので、ぜひ大浴場にも足を運びたいところです。内風呂は、源泉かけ流しの「あつ湯」とじっくり浸かれる「ぬる湯」を用意。2種類の浴槽で、ゆったりと交互浴を楽しめます。天井の照明は、雪の降る様子をイメージしているそうです。

泉質は中性で、メタケイ酸とメタホウ酸を多く含んだお湯です。肌をしっとり保湿する効果があるだけでなく、体内の血行を促進し、代謝を活性化する効果もあるので、疲労回復にも期待できます。

露天風呂は、奥飛騨の豪雪地帯で冬になるとよく見られる、雪の回廊をモチーフにしたデザイン。見上げると、まるで額縁に囲まれたような空を見ることができます。天気のよい日には満天の星空が頭上に広がり、奥飛騨の心地よい空気をいっぱいに吸い込みながら、体も心もしっかり癒されます。

お風呂上がりは「湯上がり処」でクールダウン。テーブルや飛騨産業の椅子の奥には、寝転びながらくつろげる畳のスペースもあります。自由にいただけるオリジナルドリンクや、アイスキャンディーを楽しめるのも嬉しいポイント。湯上がり処まで存分に楽しんだ後は、あとは心地よく眠るだけです。

【朝食】朝からごはんが進む、地域の伝統料理を堪能

朝食は、飛騨らしさを感じる食材を味わえる3つのお膳から構成されます。まず運ばれてきたのは、ドレッシングを自分で作って食べるサラダ膳。黒胡麻と、飛騨では「あぶらえ」として親しまれているえごまのドレッシングを作ります。2種類のごまをすり棒でよくすってから、ゆず味噌ドレッシングを加えたら完成です。自身で作ったドレッシングは豊かなごまの香りが立ち、より一層おいしく感じられます。

続いては、5種の干し野菜(なす、かぼちゃ、にんじん、寒干し大根、赤大根)を入れた味噌鍋。奥飛騨に伝わる、干し野菜や漬物を保存食で食べる習慣から着想を得たメニューです。干し野菜には旨みがギュッと凝縮され、味噌鍋に入れると出汁の役割を果たします。

続いて提供されるお膳には、地域の郷土料理をはじめとした一口サイズのおかずや自家製の豆腐などが並びます。おかずはどれもごはんが進むラインナップ。せいろの中に入ったきびの朴葉蒸しや、焼き魚など朝からしっかりとした満足感をもたらしてくれます。

飛騨の伝統工芸を自ら体感できる「飛騨の匠体験」

界では、日本の各地域の伝統工芸や芸能、食を自ら体験できる「ご当地楽」というおもてなしがあります。
今回、飛騨の木工技術を体験できるご当地楽「飛騨の匠体験」に参加。「界 奥飛騨」の宿泊客であれば、チェックイン後の予約で誰でも参加できます。

「界 奥飛騨」では、実際に木を曲げて、風呂敷を結んで使う曲木のバッグハンドルを作ります。スタッフの方が飛騨の匠の起源や歴史を解説しながら作り方を丁寧にレクチャーしてくれるので、初めてでも安心ですよ。

一晩お湯につけて柔らかくした木に少しずつ力を加え、道具を使いながら曲げていきます。折れないように気をつけつつ、しっかり力を加えないと曲がりません。ここで使う木の厚さは3mmですが、実際の飛騨の匠はこれよりも数センチ、数十センチも厚い木を曲げているそうです。自分が体験することで、飛騨の匠の技術の高さをより実感します。

曲げた木を電子レンジで加熱し、水分を乾燥させ、風呂敷を結びつければ風呂敷バッグの完成。この風呂敷は全国の界シリーズのアメニティになっています。木の香りに癒されながら飛騨の伝統技術を体験できる、貴重な時間でした。

大自然に包まれながら、贅沢な滞在に心癒される

朝食を食べ終わったら、名残を惜しみつつチェックアウト。食事や温泉、インテリアにまで「奥飛騨らしさ」が随所に散りばめられた「界 奥飛騨」での滞在を通して、今まで知ることがなかった飛騨の歴史や魅力、伝統をたくさん知れた気がします。山岳地帯の大自然に包まれに、ぜひ足を運んでみてください。

writer / Sheage編集部 photo / Sheage編集部

取材協力

界 奥飛騨
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯138
TEL:050-3134-8092(界予約センター)

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiokuhida/

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