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2024年 売れている人気観葉植物TOP5!オザキフラワーパーク後藤が解説します

  • 2024.11.22

2024年にオザキフラワーパークで最も売れている観葉植物TOP5を、観葉植物のプロ・後藤が詳しく解説します。人気の理由を徹底分析し観葉植物のトレンドを探ります。観葉植物選びに役立つ情報満載です!

はじめに

毎回都内の大規模園芸店オザキフラワーパーク協力のもとお送りしている「観葉植物基礎講座」。
観葉植物に興味はあるけれど、育て方やどんな種類がよいのかが分からないという多くの方々にとって、観葉植物を身近に感じていただける機会になったのではないでしょうか。

今回は、オザキフラワーパークでの2024年の売れ筋商品を振り返り、そのトレンドを探ってみました。

2024年、オザキフラワーパークの観葉植物売り上げトップ5

1位 フィカス(ベンガレンシス、アルテシマ、ウンベラータ)

フィカス
オザキフラワーパークでは、980円(税込)〜3万円(税込)、の価格帯が主力商品

後藤の雑感

フィカスに関しては、価格、樹形の選択肢などのバリエーションがとても広く、また観葉植物初心者でも容易に育てられるため、安定した人気があり、今年の結果もそうですが、当分はBEST3以内のポジションは不動だなという感想です。

ちなみに、オザキフラワーパークでは特に下の写真のような幹が湾曲した“曲がり”といわれるタイプが売れました。

フィカス
フィカス・ウンベラータ 価格:7,800円(税込) 高さ(鉢含む):140cm 最大幅:70cm 鉢幅:21cm

曲がりタイプは直立タイプにくらべて独特な存在感があるため、他人とはちょっと違うもので個性的なインテリアを楽しみたいというお客様に特に人気でした。

2位 エバーフレッシュ

エバーフレッシュ
オザキフラワーパークでは、1,480円(税込)〜4万円(税込)、の価格帯が主力商品

後藤の雑感

エバーフレッシュは最近ガーデンストーリーで特集を組みましたが、葉の可愛らしさと育てやすさの両面でとても人気の高い種類です。
価格も千円台の小さいものから数万円の大きいものと、フィカス同様に選択肢の幅も広いです。

エバーフレッシュは当店では高さ28cmの比較的小さな株から高さ190cmを超える大きな株まで満遍なく売れた商品ですが、その中間サイズになる高さ100cm前後の商品が、3〜4月、9〜10月と、特に売れました。
これは引越しのシーズンと重なっており、また商品名のエバーフレッシュが新生活のスタートを想起させることも影響しているのではないかと思います。

3位 ビカクシダ

ビカクシダ
オザキフラワーパークでは、780円(税込)〜3万円(税込)、の価格帯が主力商品

後藤の雑感

ビカクシダは、部屋の壁などにスタイリッシュにディスプレイするための“板付け”という方法をマスターする必要があるものの、普通の植物と同様に植木鉢と土でも育てることができるため、育て方そのものに選択肢があるということも魅力の一つです。

また、オザキフラワーパークでは大規模な特設コーナーを設けるなどして販売に注力したこともあり、ビカクシダ入門者の開拓が功を奏したことも3位入りの一つの要因になったと考えられます。

ビカクシダ
取材時のオザキフラワーパークのビカクシダコーナー。

4位 モンステラ

モンステラ
オザキフラワーパークでは、1,380円(税込)〜7,800円(税込)、の価格帯が主力商品

後藤の雑感

ユニークな形の大きな葉が映えるモンステラは、大きめの株を、シンプルで広いスペースに置くことで、空間をより一層引き立てるため、戸建てのオーナー様に特に人気でした。
特にオザキフラワーパークの商圏である練馬区や杉並区は戸建てが多い区域なので、モンステラの中でも大きめの株の人気が高かったように思います。

サイズ感で迷っているお客様には、上の写真のモンステラ(高さ、幅、共に70cmで税込2,980円)くらいの大きさの商品がおすすめです。
モンステラは横幅も取る観葉植物なので、売り場で実物を十分にご覧いただいた上でご検討されるとよいでしょう。

5位 サンセベリア

サンセベリア
オザキフラワーパークでは、980円(税込)〜12,000円(税込)、の価格帯が主力商品

後藤の雑感

サンセベリアは多肉植物でもあるため乾燥にとても強く、2週間くらい水やりをしなくてもピンピンしているタフさが、仕事に家事にと日夜多忙な方に人気。

上の写真はアイコン的品種の「ローレンチー」ですが、サンセベリアは種類によってはまったく見た目が異なるため趣味性も高く、コレクションしているお客様も数多くおられます。

インスタグラム
取材当時、サンセベリアのインスタ投稿数は日本と海外合わせて65万件もあった。

趣味性の高い観葉植物というと、珍種ともなれば数万円もするのではと思われるかもしれませんが、サンセベリアは比較的珍しい品種でも数千円で購入することができます。

このためオザキフラワーパークでも、入門的品種であるローレンチーの購入を契機に幾つもの品種をお買い求めになるお客様がとても多く、2024年もその傾向は変わらずでした。

2024年に注目された観葉植物の品種

売り上げに関係なく注目を集めた観葉植物としては、原種系アンスリウムやアロカシアが挙げられます。
ベスト5入りこそしなかったものの、その希少性から問い合わせが非常に多く、特にアンスリウム・ワロクアナムのような“原種系”が人気でした。
原種系というのは改良種(園芸品種)と異なり、人の手がほとんど加えられておらず自然のままの姿をしている品種を指します。

アンスリウムは多くの改良種がある中で、オリジナルのフォルムや色合いを持つ原種が「自然の美」を愛するコレクターに特に注目されました。

アンスリウム
アンスリウム・ワロクアナム 価格:22,800円(税込) 高さ(鉢底からトップまで):20cm 葉の長さ:30cm 鉢幅:14cm
アンスリウム
GARDEN STORY

オザキフラワーパーク2024年の観葉植物販売のトレンド分析

店舗での売れ行きとネット販売の比較

オザキフラワーパークのような実店舗では、実物を見て購入でき、育て方のアドバイスを直に受けられる点が魅力です。
昨今は「ネットで見たんですが…」という問い合わせが多く、弊社ECショップで目星をつけてから実店舗に足を運び、生の感触を確かめるというお客様も多いようでした。

一方、ECショップは複数の品種をセレクトしたセット売り観葉植物の人気が高まっている印象です。
贈り物や部屋のコーディネートを考えて、手軽に選べる点が好評を博しているのではないかと思います。

オザキフラワーパーク
オザキフラワーパークのオンラインストアより。

エコ意識の高まりと「持続可能な観葉植物栽培」の需要

観葉植物は、お客様のエコ意識の高まりによってトレンドが大きく変わるわけではありませんが、持続可能な素材を利用した「Pure Lite」や「セラミス」などの代替土の人気がじわじわと増しています。
これはエコ意識だけでなく、経済的理由や、各自治体の園芸用土に対するゴミ分別の方向性も関係しています。

現時点では、エコを意識して観葉植物の品種を選ぶことは一般的ではありません。
例えば、「水やりが少なくて済むから」と節水効果を考えてサンセベリアを購入する方はほとんどいません。

しかし、気候変動や物価高により今後の意識変化の可能性も考えられ、観葉植物を愛する人々のエコ意識がどのように変化していくのか今後も注目していきたいと思います。

ピュアライト
土を使わないため清潔に植物を育てることができる『PureLite』980円(税込)。植えられている植物は「ドラセナ・ワーネッキー」1,980円(税込)。
ピュアライト
使い方は簡単で、水を半分くらいまで入れて、カラカラになる前に再び給水する。ドラセナがしっかり根付いていることが分かる。

ミニマルなインテリアに合う小型観葉植物の流行

今年は夏を中心に、本来は大型の植物として人気のあるモンステラやフィカスの小型の株がすごく売れた印象です。
実際、小さなモンステラも、葉がちゃんとモンステラしていて可愛いんですよ(笑)。

モンステラ
GARDEN STORY

小型の観葉植物はスペースを取らず、シンプルなミニマルインテリアに映えることから、安定した人気があります。
特にアロカシア、サンセベリア、カラテアなどは定番中の定番で、ミニマルインテリアのアクセントとして購入されたお客様も多いです。

そういえばちょうど取材時に、2つのレアな観葉植物が入荷しました。
ピレアという小型観葉植物なのですが、今回入荷した2品種はピレアの中でも入荷が非常に稀で、私も今回初めて見ました。

ピレア
(左)ピレア・グラウカグレイシー、498円(税込) (右)ピレア・アンブリアナ、1,980円(税込)。

ミニマルなインテリアはシンプルな分、置く観葉植物で表情がガラっと変わるため、このピレアのように、定番を外したちょっとエキセントリックな樹形のものも、今後は積極的に提案していきたいと考えています。

SNSでのバイラル効果と育てやすい植物の人気

バイラル効果とは、口コミやSNSの投稿などにより情報が拡散されることを指しますが、昨今はインスタグラムのストーリーズやリール動画でのシェアや人気投稿が、観葉植物の売れ筋に影響を与えています。

アロカシア
GARDEN STORY

その効果か、アロカシアなど特定の品種のインスタ投稿画面を売り場スタッフに見せて「これなんですが、置いてあります?」と、在庫を確認されるお客様が増えています。

実際にインスタグラムをのぞいてみると、ビジュアル重視のトレンドに加え、育てやすい品種が特に支持されているようです。

取材後記

ガーデンストーリーでは2024年もオザキフラワーパーク監修のもと多くの観葉植物を紹介してまいりましたが、読者の皆さまはどんな観葉植物にご興味を持たれたでしょうか?
筆者の私は、個人的には売れ行き5位にランクインしていたサンセベリアが刺さりました。

そのサンセベリアを特集で取り上げた際に、Instagramでサンセベリアの花を投稿された方をご紹介しましたが、写真をご提供いただいたyokoyoko7000さんから、ご自身が採種されたサンセベリアのタネを、記事公開後に送っていただいたんです。
私はサンセベリアの栽培はおろか、実生は初体験ですが、無事発芽させ順調に成長中。

現在はこんな感じで、ロゼッタ状のかわいらしい葉が日々数を増しています。

サンセベリア・ナインテイル
GARDEN STORY

アイコン的なローレンチーから入らず、いきなりサンセベリア・ナインテイルという、珍種中の珍種からサンセベリアを始めることになったのも、なにか奇縁を感じます。

読者の皆さまも、本記事で紹介した観葉植物をぜひ育ててみませんか?
観葉植物って本当に面白いですよ!

記事協力
オザキフラワーパーク
GARDEN STORY

『オザキフラワーパーク』
1961年に東京は練馬区石神井で創業以来61年、人気の観葉植物からニッチな珍奇植物まで、全国屈指を誇るその品揃えは「買える植物園」としての異名を持つ。植物や園芸グッズの豊富さもさることながら、アクアリウムや爬虫類の生体販売も行っているため、近隣はもちろん、全国各地からお客様が途絶えることなく来店する話題の超大型園芸店。編集部スタッフもプライベートで足繁く通う。

東京都練馬区石神井台4-6-32
TEL : 03-3929-0544
営業時間:9:00~19:00

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