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ふたつの理想の姿勢とは?仕組みを理解して上手に繰り返すのが、姿勢コントロール術の要!【姿勢コントロール術】

  • 2024.11.19

「多くの人には、無意識に偏った姿勢を続けてしまうクセがあります」と語るのは、東京大学医学部附属病院リハビリテーション部理学療法士の山口正貴先生。同じ姿勢を続けていると体にとってはストレス。痛みや疲れ、ひいては慢性の不調の原因にもなるそう。そこで今回はどんな姿勢がストレスを和らげるのか、ふたつの理想の姿勢をご紹介します。

理想の姿勢はふたつ揃って初めて完成します

肩や首のこり、腰痛といった症状は、原因に姿勢が関わっていると言われています。姿勢によって、体に負担=ストレスがかかっているのだとか。 では、どんな姿勢であればストレスは和らぐのでしょうか?理学療法士・山口正貴先生は、「よい姿勢と楽な姿勢を繰り返し、半分半分にする」ことに、その答えがあると言います。「『よい姿勢』とは、寄りかからず、座っているときにも背もたれを使わず、背筋をピンと伸ばした状態です。このポジションを支えているのは筋肉。筋肉を使っているので、骨や関節、靭帯にかかる負担が少なく、さらには筋肉トレーニングにもなります。医学的には『ニュートラルポジション』と呼ばれ、体の中央に重心があることで、過度な力みや偏りがなく、呼吸も深くなると言われています」 では、よい姿勢=最適な姿勢かというと、そうとは言えません。よい姿勢は、ずっとそのポジションを保っていると、筋肉は常に緊張を強いられるため疲れてしまいます。筋肉の疲れをとるためには、背筋の緊張を解く「楽な姿勢」が必要です。 「『楽な姿勢』というのは、壁や背もたれに寄りかかったり、背筋が猫背のようになっている状態です。筋肉が休む代わりに、靭帯が骨格を支えています。靭帯とは、骨と骨をつないで関節を形成し、椎間板を支えている組織。筋肉を使わないので楽に感じますが、長時間続けていると靭帯が伸びてしまい、関節や椎間板にズレが生じ、次第にこりや痛みになります」 よい姿勢にも楽な姿勢にも、それぞれメリットとデメリットがあること。このふたつの姿勢の仕組みを理解し、上手に繰り返す「姿勢コントロール」を身につける意識と実践が、体のストレス解消のコツとなります。「同じ姿勢を続けないように意識をしつつ、疲れを感じたら、よい姿勢と楽な姿勢を入れ替えるようにしましょう」

楽な姿勢とよい姿勢には正反対のメリット・デメリットがあります

「よい」も「楽」も、姿勢のイメージを伝えるための形容詞です。「よい姿勢=筋肉を使って、靭帯は休んでいる」「楽な姿勢=靭帯を使って、筋肉は休んでいる」だけの違いで、同じ姿勢を続けることは体にとってはマイナスです。 楽な姿勢「靭帯に支えられた姿勢」 立っているときは猫背気味で重心が後ろ寄りになっていたり、座っているときは背もたれに寄りかかりっぱなし。このような姿勢は筋肉を休めているので、一旦は楽に感じますが、続けていると靭帯が頑張り過ぎて、頭痛、肩こり、腰痛の原因になります。

楽な姿勢を続けると猫背になりがちなので注意! 重心が後ろ寄り。

よい姿勢「筋肉に支えられた姿勢」 横から見て、立っているときに、耳たぶ・肩・大転子(大腿骨の外側の出っ張り)、膝のお皿の裏側、外くるぶしの2~3cm前を結んだラインが一直線になる姿勢が、よい姿勢。座ったときのよい姿勢は、背筋が伸びて、背骨はSのような字を描いています。

イラスト/フジマツミキ 構成・文/杉村道子 ※素敵なあの人2024年11月号「楽な姿勢とよいは半分・半分がいい!痛み・疲れ・不調をとる姿勢コントロール術」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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