新宿のSOMPO美術館では「カナレットとヴェネツィアの輝き」展が2024年12月28日(土)まで開催されています。
日本初!ヴェドゥータの巨匠、カナレット展
18世紀※1「ヴェドゥータ(景観画)」の巨匠と云われているイタリアの画家、カナレット(本名 ジョヴァンニ・アントニオ・カナル / 1697-1768)の日本初の展覧会です。カナレットによるヴェドゥータは、※2「グランド・ツアー」でイタリアを訪れた英国の上流階級が旅の記念としてこぞって求めたいわば「名所絵」です。
※1ヴェドゥータとは、透視図法を用い、都市の景観をきわめて精密かつ大規模に描いた絵画または印刷物。 vedutaはイタリア語で景観という意味。 ※2貴族の子弟が教育の仕上げとして数か月から数年をかけて文化の中心地を巡った周遊旅行。
カナレットでめぐるヴェネツィアへの旅
会場入口にはヴェネツィア鳥瞰図が展示されています。 ヴェネツィアはイタリア北東部に位置するラグーナ(潟)に浮かぶ水上都市です。 魚の形状をした本島には逆S字を描く大運河「カナル・グランデ」が流れています。 約120の島々が400以上もの橋で結ばれた都市です。1987年に世界文化遺産に登録されています。
会場入口※撮影は会場の指示に従って下さい。
カナレット(本名 ジョヴァンニ・アントニオ・カナル / 1697-1768) Canaletto (Giovanni Antonio Canal / 1697-1768)
1697年、劇場の舞台美術家を父にヴェネツィアに生まれました。1719年、オペラの舞台美術の仕事のため父に伴いローマへ赴き、そこでこの地の景観画家とも知り合ったと言われています。生地・ヴェネツィアの都市景観を鮮やかに描き出した景観画「ヴェドゥータ」で名を馳せ、とりわけ英国のパトロンに恵まれて彼の作品は英国人グランド・ツアー客に大変人気のあった画家です。
会場展示風景
精密な透視図法を用いて緻密に描かれた街並みや祝祭の光景など、カナレットが残した数々のヴェドゥータ(景観画)から、当時のヴェネツィアの様子がリアルに伝わります。
会場展示風景
カナレットが絵画を制作していた時代は「カメラ・オブスキュラ」と云われる写真の原理による投影像を得る装置を使用し、素描のため使用されていました。
ロンドン、ジョーンズ製レフレックス・カメラ・オブス キュラ 1800年頃 東京富士美術館
描かれ続けるヴェネツィアの魅力。ホイッスラー、ブーダン、モネが描く「水の都」
カナレットが描いたヴェネツィアの魅力は後世の画家にも影響を及ぼしました。 19世紀末のイギリスを代表する画家J.A.M.ホイッスラーや、印象派の画家クロード・モネなども水の都・ヴェネツィアを各々の画風で描いている作品が展示されています。
会場展示風景
会場内にはカナレットが描いた作品の関連地図も展示されています。ヴェネツィアの様子がより詳細に説明されています。
会場展示風景
常設展示:フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》
SOMPO美術館を訪問されたらフィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》が常設展示されていますのでお見逃しなく!(フラッシュ無しの撮影は許可されています)
フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》1888年 油彩、キャンヴァス
ミュージアムショップ
水の都・ヴェネツィアに因んで「ハンギョドン」とのコラボグッズが販売されています。
イタリアのスイーツ、パスタソースも販売されています。イタリアのエッセンスが感じられ、魅力的な品ぞろえです。
スコットランド国立美術館をはじめとする英国内のコレクションに、日本国内作品を加えた総数約60点が集結する「カナレットとヴェネツィアの輝き」。
カナレットが残した数々のヴェドゥータ(景観画)を通じて、現在も変わらぬ姿をとどめる世界遺産の街・ヴェネツィアを体感するように没入感が感じられる展覧会です。