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良いプレゼンの仕方は? 朝の身支度の時間を短くするには? ビジネスや日常生活の課題を解きながら、3つの思考法を鍛える大人のドリル

  • 2024.11.18
ダ・ヴィンチWeb
『思考の5分ドリル 3つの思考法と24のビジネスフレームワーク』(吉澤準特/翔泳社)

同僚や取引先で「できる人」と会い、自分との力の差に圧倒されてしまうという経験はないだろうか。難しい折衝をまとめあげる人や、複雑な課題にベストな答えを出せる人、斬新なアイディアを生める人を前にして、「自分には無理だ」と諦めてしまう人は少なくないだろう。しかし、そんな時は『思考の5分ドリル 3つの思考法と24のビジネスフレームワーク』(吉澤準特/翔泳社)を手に取ってほしい。この本が、日々の小さな努力の積み重ねによって「できる人」になる方法を伝えているからだ。

本書はビジネスマンにとって役立つ思考法トレーニングの書籍。「論理思考=ロジカルシンキング」(考える力、伝える力)、「水平思考=ラテラルシンキング」(自由な発想力)、「探究思考=クリティカルシンキング」(問題を解決する力)の3つに分け、ビジネスや生活、趣味などにまつわる具体的な課題とともに、27のワークと演習を掲載。思考法のフレームワークのステップに従って、それらの問題を解決する方法を伝える。

「ロジカルシンキング」のチャプターでは、「MECE」や「ロジックツリー」「PREP法」「DESC法」といったフレームワークを使ったワークを掲載。たとえば、新規事業について役員にプレゼンするという課題は「ピラミッドストラクチャー」で解決。わかりやすく、納得感の高いプレゼンを行うための方法として、①失敗したプレゼンのロジック構造を反省する、②キーメッセージと根拠を示す、③データでロジックを補強する、最後にロジックの一貫性を保つ、という手順を図式を交えて伝えている。

さまざまな方向から問題をとらえて新しい発想を生み出す「ラテラルシンキング」のチャプターでは、視点をそらしたり、真似をしたりしてアイディアを広げる方法を伝える。たとえば、朝の身支度時間を短くする方法を考える上で有効なのが、「ECRS」のフレームワーク。①朝の支度の全体像を把握した上で、②朝のルーチンから削れるものを削る、③作業の組み合わせと入れ替えによる時短、④ひとつひとつの家事や身支度を単純化、という4つのステップで、合計時間を大幅に削減できる。

「クリティカルシンキング」とは、見える化や思い込みの理解によって、対象の本質を見極めること。このチャプターでは、「メガネかコンタクトか選ぶ」「新居を決める」「退職する社員を引き留める」など、さまざまな要素が絡み合い理想的な答えを見つけるのが難しい問題に向き合う時に役立つ方法を学べる。メリットとデメリットの比較では考えが行き詰まってしまう問題も、要素をフレームワークの枠組みに当てはめていくと、解決の糸口が見つかる。

本書のワークに必要な時間は、1回あたり5分が目安。気になるテーマをピックアップして読むだけでも十分役に立つので、忙しい人も無理なく頭を鍛えることができるだろう。各ワークのストーリーはビジネスだけでなく、「ピクニックを成功させる」「パートナーと一緒に楽しめる趣味を見つける」「冷蔵庫の食材を無駄にしない」など日常生活に関するテーマにも及ぶため、ビジネス経験が浅い人にとっても役立つ。フレームワークは難しいと感じている人も、身近な具体例を通すことで理解が進みそうだ。社会人1年目から、思考力を強化したいベテランまで、幅広い層の読者が楽しみながら学べる1冊だ。

文=川辺美希

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