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5分しか会えなかったきょうだい。死産を経験した母が、長男のために絵本を作ったワケ【漫画家インタビュー】

  • 2024.11.17

念願の2人目の妊娠だったのに、あんなことになるなんて――。日常の出来事や気づきを描いた「日常観察マンガ」が人気の桜木きぬさん(@kinumanga)は、長男と夫の3人暮らし。2人目を考えてから数年後に妊娠がわかり喜んだのも束の間、医師から染色体異常の可能性があると伝えられる。過去に流産した経験から、子どもを失うつらさを知っていたきぬさんは、一度は出産を決意するが……。 母の葛藤と命の輝きをリアルに描いた『わたしが選んだ死産の話』(医療法人財団順和会山王病院病院長/国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授・藤井知行氏監修)は、きぬさんが自身の体験をもとに描いたエッセイ漫画だ。第10話では、長男・ウタくんのために作った、2人目の妊娠から死産までのことを描いた絵本を紹介する。著者のきぬさんに、2人目の子を死産した当時の心境を聞いた。

きょうだいを亡くした長男。成長した今の様子は?

――ウタくんに渡した絵本のストーリーがすてきでした。思うように進みましたか?

当時、絵本の読み聞かせのボランティアをしていたこともあり、絵本がとても身近でした。ボランティア仲間に絵本作りや製本に詳しい人がいて、いろいろ教えてもらいながら作りました。

――絵本を渡した後のウタくんは、どんな様子だったのでしょうか。

自分が出てくる絵本を喜んでいました。寝る前にいつも絵本を3冊読み聞かせていたのですが、しばらくはこの絵本をよく選んでくれていました。

――赤ちゃんが亡くなった経緯をウタくんに伝えることが心配、と描かれていました。その後、成長したウタくんの様子はいかがでしょうか。

私の心配はほとんどが杞憂(きゆう)でした。ウタは、最初こそ赤ちゃんが生まれてこられないことに泣いたり怒ったりしていましたが、納得したあとはあっけらかんと暮らしています。何事においても、納得できたことは振り返らない性格のようです。 命について静かに問いを投げかけてくれる『わたしが選んだ死産の話』。きぬさんがどのように死産という選択に至り、その事実と向き合ったのかをご覧いただきたい。

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