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学校では教えてくれない! 子どもも大人も身につけたい、生きていくために必要な「片付け力」

  • 2024.11.16

こんにちは! 片付けについて発信しているありママです。今回は、老若男女問わずすべての人に必要な「捨て育」についてご紹介したいと思います。「捨て育」とは「捨てる」ことを通して育まれる力のことなのですが、私は「捨て育」によって大人も子どももたくさんの変化を見てきました。だからこそこのコラムで多くの人に知っていただけると幸いです。

2年前の汚部屋時代……

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朝起きて、散らかった部屋を見てため息。子どもがいるから、散らかるのは仕方がない……。散らかっていても生きていけるし、片付けてもどうせ散らかるし……と思っていました。しかし毎朝、服を選ぶのに20分も時間がかかったり、家を出ようとすると鍵やスマホがなくて探したり。園に持たせるプリントを忘れて先生からご指摘を受けたり、冷蔵庫の食品は頻繁に腐らせたり……。そして家族には「早く!」「片付けて!」とイライラしている日々に罪悪感しかありませんでした。そんな生活を変えたくて片付け始め、自分の部屋を片付ける過程を発信するように。整理収納アドバイザーの資格を取得し、自分の部屋を片付けて、今は片付けに困っている方のサポートするようになり、多くのママたちのリアルな声を聴くことができました。そこで知ったママ達が共通して抱えている悩み、それは……「部屋がおもちゃで溢れている。子どもが片づけない。散らかす」ということでした。

大人も子どもも「捨て育」が必要!

その原因を突き止めると、「片付けて」と言っている親自身が実は片付け方を知らず、大人自身もモノが多く、増やし続けてしまっているということが分かりました。そこでオンラインサロンG’s communityの捨てる部では、まずはママ自身の持ち物にフォーカスして捨て活を始めました。親が片付けられるようになると、子どもにも片付け方を教えることができます。そして片付けを通して自分自身や子どもと向き合うことで、たくさんの変化が生まれてきました。取捨選択や整理整頓を通して生きていくために必要な力を身に付けることを、私は「捨て育」と呼んでいます。「捨て育」は大人にも子どもにも大きな変化をもたらします。「捨てる」という言葉はネガティブなイメージを持つ人が多いのですが、自分にとってモヤモヤしているモノやコトを断ち切って捨てていくことで、自分にとって大切なものを見極めることができます。これから先、自分にとって必要なモノを手に入れるためのポジティブな活動なのです。

「捨て育」の効果

では、実際にオンラインサロンG’s communityの捨てる部での活動を通して、どのような「捨て育」効果が見られたのかをご紹介したいと思います。

1.決断力や判断力が身につき、自分軸になれる

モノが手放せないのは、自分にとって何が必要で何が必要でないかを判断できないからです。「使うかもしれない……」となかなか手放す決断ができないと、モノは増え続けてしまいます。取捨選択が苦手な人は多いです。その理由は、これらは学校では教えてもらえないから。人生は判断や決断の連続なのに、自分の決断に自信が持てないがゆえに一般的な意見や他人の意見を尊重してしまい、後々後悔したりモヤモヤしてしまうことが多いのです。小さな例ですが……外食先でメニューをなかなか決められず、時間をかけて頼んだのに、後から「他のメニューにすればよかったかも」と後悔した経験はありませんか? もしくは、服を迷った末、他人の意見を聞いて決めたけれど、やはり自分はもう一方の服が良かったな、と買ってから後悔するなど……。私自身、優柔不断で自分の判断や決断に自信がなく、迷うことに多くの時間を割いたはずなのに、なぜか後悔するということが多くありました。それはなぜだろう?と考えたときに、「自分が本当はどうしたいのか?」という“自分軸”が抜けていたからだと思います。自分の軸で判断したり決断するということは、意識して訓練していかないと身に付きません。「捨て育」は捨て活を通して小さな判断や決断を繰り返すことで、大きな判断や決断もできるようになっていきます。そしてそのモノを「本当は自分はどうしたいのか?」ということに常に向き合うので、自分軸が鍛えられていくのです。これはいきなり難易度の高いものから始めるのではなく、難易度が低いものから取り組みましょう。勉強で最初から難易度の高い問題を解こうとしても難しく、最初は簡単な基礎的な問題からやっていくのと同じ感覚です。大人も子どもも正しいステップで捨て活をすれば、必ず力はつきます。実際に活動した捨てる部のメンバーの変化をご紹介します。【Aさん】~子どもの変化について~「最近は、外食した際のおまけのおもちゃが選べる時に、その中にお目当てのモノがなかった時は『いらない』と言えるようになりました。捨てる部の活動のおかげで、少しずつ判断できるようになってきているなと嬉しく感じています」【Bさん】~自分の変化について~「捨てることでの普段の判断力や、やるべきこと(書類など)を後回しにせず、その場でやっておく速さがレベルアップしたことは驚きでした」

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2.モノを大切にする気持ちが育つ

生きてきた時代や環境によってモノへの価値観が変わってくるのですが、「モノを大切にすること」=「モノを捨てないこと」だと勘違いしている人も多いです。私は祖母から「モノを大切にしなきゃダメだよ」とよく言われるのですが、祖母の押し入れの中にぎゅうぎゅうに詰められている服はカビだらけです。そして、自分の持ち物を把握していないから、必要なモノが探せなくて、どんどん買い足してモノが増えていきます。これはモノを大切にしているということなのか?とすごく矛盾を感じます。モノを大切にするということはモノを活用したり、ちゃんと管理が行き届いた状態を保っていることだと私は思います。モノを本当の意味で大切にするためにも、今持っている自分のモノとしっかりと向き合い、今後必要でないモノは買わないようにすることが必要です。捨て活をすると、自分に必要なモノや好きなモノが明確になってきます。そしてモノを手放す辛さも伴うので、安易にモノを手に入れようとしなくなり、モノを大切に使おうとする気持ちが育ちます。捨てる部ではこんな変化が見られました。【Cさん】~年長のお子さんの変化について~「先日支援センターのお祭りに行き、景品でちょっとしたおもちゃがもらえるシーンがありました。『1つ持って帰ったら、1つ捨てようね!』と子どもに伝え、選んでもらいました。長男はどれにするかかなり悩んでいましたが、最終的に長男はおもちゃを持って帰らないという選択をしました。『今持っているおもちゃはどれも捨てられないから、やめておく』と教えてくれ、今のモノを大切に使う気持ちが、とても素敵だなと思いました」【Dさん】~自分の変化について~「まさに私はモノを大事にできない人間で、使わなきゃ・合わなきゃ捨てればいいと、とりあえず何も考えずに購入をしてしまうタイプでした(そして、突然思い立ってざーっと捨てる……)。入部前より、モノを大切にするという考え方ができるようになってきたかなと感じています」

3.金銭感覚が身につく

以前は中学教師をしていたのですが、当時感じたことがありました。生徒の筆箱や鞄、キーホルダーが頻繁に新しいモノに入れ替わったり、筆箱の中身は最新の文房具で溢れていました。休み時間に新しい文房具を見せ合っては「これいいね」と褒め合い、次の週には「自分も買った」と……。文房具に限らずですが、そんなことが頻繁にありました。とにかくモノをたくさん持っているし、買ってもらえる。この子たちは欲しいモノをなんでも手に入れているけれど、一方で自分自身の価値をモノで示しているようにも思えました。しかし、そうやってモノに執着する割に、教室の床には文房具が落ちているんですよね。誰のモノなのか尋ねても、持ち主がなかなか分からないことも多かったです。自分のモノがなくなっても平気なのか?と寂しい気持ちになったことを覚えています。欲しいモノを割とすぐに手に入れられるし、なくなってもまた買ってもらえる環境で、モノに溢れた暮らしをしていると、お金を無駄に使っても何も感じなくなります。なくしてもまた買ってもらえる……と子どもに思わせてしまっていると、どんどん金銭感覚が乏しくなってしまいます。金銭感覚をしっかりと身に付けるためにも捨て活は有効的です。捨て活で1つ1つのモノと向き合って、手放すところまでを自分の責任で行なっていきます。手放すときは今まで自分がいかに無駄なお金を使っていたかを痛感します。リサイクルショップやフリマアプリなどで売る経験をすることで、モノの価値が分かってきます。これは子どもだけでなく大人も同じです。実際に捨てる部では以下のような気づきと変化がありました。【Eさん】~自分の変化について~「急遽ハロウィンの小物を作ることになりました。以前書斎を片付けて何があるか把握できていたおかげで、家にあるモノで作れました! 今までは材料を買いに走り、後から同じようなモノを持っていた……となることもしばしば。時間もお金も無駄にしなくてよかったです! こういうところでも捨て活の効果を感じます」【Fさん】~自分の変化について~「サブスク5件(6000円/月)⁠をやめました。これまでも不要なサブスクアプリなどを消していましたが、改めて毎月の支出の内容を確認してみたら使っていないサービスへの課金を発見。本当に無駄遣い……。でもこれにやっと今気付けたのは、家の中や自分の頭の中の不要なものをどんどん捨て続けて、ようやくだんだんと整ってきた証拠なのだと思います。この調子でさらにエンジンをかけて捨て活していこうと思います」【Gさん】~お子さんへの変化について~「先日、『もう遊ばないって言ってたぬいぐるみどうする?』と聞き、バイバイすると言うので、お店に持って行く方法があることを伝えたら、はじめは『こわい』と言いました(初めてのことは怖がるタイプ)。例えで、私の服をお店に持って行こうと思っていること、お店の人が買いたいと言ってくれたらお金がもらえること、そのお金でおやつなど好きなモノが買えることを伝えたら、『おやつ買いたい!』と。お店の人からお金をもらうときは緊張していましたが、嬉しそうでもありました。この週末におやつを買おうと思います!」

4.家族への理解が深まり家庭円満になる

散らかった家にいると、時間の無駄や視覚的なノイズに触れるなどのさまざまな問題が起こるために、イライラすることが増えます。そのイライラのせいで、家族関係が上手くいかない原因になっていることは多いです。そして散らかったリビングにいると、「家族はなぜ協力してくれないのだろう……」と悲観的になり、自分の持ちモノよりも家族の持ちモノに目が行き、家族のせいにしてしまう人も。しかし、自分自身が片付けられるようになると、家族にも片付けしようという思いが伝染していき、片付けるようになります。そして具体的なアドバイスをできるようになったり、「片付けて」以外の相手の気持ちに寄り添った声かけができるようになります。特に子どもと一緒にやる捨て活は、捨てることにフォーカスするのではなく、子どもの声を聞いて、子どもと向き合うことが大切です。親にとってはゴミに見えていたモノも、子どもの声を聞いてみると、実は大切なモノであったりします。捨て活を一緒にやることを通して、お子さんの好みや、性格を深く知ることができます。相手の声に寄り添った捨て活は、家庭を円満にしてくれます。捨てる部では以下のような変化がありました。【Hさん】~家族の変化について~「家族にも良い変化がありました! 私の何倍もモノの多い夫が自ら少しずつ片付けし始めてくれたところです。これからどうなるのか楽しみです。娘が昨日夫に「キャリーケース、2個あるからボロボロのやつ1個捨て活したら?」と言っていて、私の捨て活をよく見ているので子ども自身の今後の片付けにも良い影響がありそうです」【Iさん】~子どもの変化について~「1冊も捨てられないんじゃないか?と思いつつ、始めましたが、約40冊の本とお別れする選択をすることができました。 子どもたちは捨てたがらないだろうという憂鬱な気持ちでしたが、ちゃんと判断をしてくれ、子どもを信じる大切さを痛感しました」【Jさん】~家族の変化について~「3ヵ月間やってきたことで、夫と子どもたちにも捨てるマインドが身についてきて、もらったシールやおもちゃも使わなければ、これ捨てる!と言うようになりました。最近、鍋でごはんを炊くようになったから、炊飯器捨てたら?と言われました。子どもの潔さは私以上で、見てて気持ちがいいです(笑)。夫も、私が捨てていると自分のモノを持ってきたり、新しいモノを買った時には古い物をどう捨てるのか?という話が自然とできたりしています。子どものモノに関しては親が管理することが多かったですが、捨て活を始めてから何かあれば本人に聞くことを続けてきたら、ちゃんと自分で判断して捨てる残すものを決められるようになり、これもいい変化だと感じています」【Kさん】~自分の変化について~「“コツコツ続ける”ことが苦手だと思っていましたが、3ヵ月間毎日何かしら捨て続けることができ、家が自然と整いイライラすることなく家事が終わるようになりました。夫からも最近機嫌良いね、捨て活すごいね!とのことです」

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5.他にも「捨て育」の効果が…

【Lさん】~自分の変化について~「働き方の大きな選択をしました。捨てる部の活動の中で、まだ予定のない第二子のためのグッズを手放しました。ダンボール5箱分です。夜中に大泣きしながらやりました(笑)。そのおかげで、2人目を諦めていない気持ちに気づき、夫と今後の働き方・暮らし方について何度も話し合いました。捨てる部の活動を通して、我が家の優先順位をじっくり話し合いました。引き続き、ワンチームで生きていきます」「捨て育」で大人にも子どもにも良い変化がたくさん見られました。捨てることはただ部屋がきれいに片付くだけでなく、それ以上の変化をもたらせてくれます。日常生活で何だか上手くいかずにモヤモヤしている人がいたら、ぜひ「捨て育」を通して悩みを解決していきましょう。お子さんとの具体的な捨て活方法はまたコラムに載せていきますのでぜひチェックしてください。

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