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国境をまたいだ連続殺人事件を追う…デンマークとスウェーデンによる北欧ミステリードラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」

  • 2024.11.16
「THE BRIDGE/ブリッジ」シーズン1~4をHuluで配信中 (C) 2017 FILMLANCE INTERNATIONAL/NIMBUS FILM All rights reserved
「THE BRIDGE/ブリッジ」シーズン1~4をHuluで配信中 (C) 2017 FILMLANCE INTERNATIONAL/NIMBUS FILM All rights reserved

【写真】世界的ヒットとなったデンマークのTVドラマ「THE KILLING/キリング」

スウェーデンとデンマークの合作による北欧ミステリードラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」。スウェーデンとデンマークを結ぶ橋の国境線上で遺体が発見された事件は、両国をまたいだ連続殺人に発展し、それぞれの国の刑事がコンビを組んで捜査にあたることに――。本記事では、「THE BRIDGE/ブリッジ」シーズン1~4のあらすじや見どころを紹介していく。

デンマークとスウェーデンを股にかけ、連続殺人事件の真相に迫る

本作は、世界的ヒットとなったデンマークのTVドラマ「THE KILLING/キリング」のスタッフが、スウェーデンのドラマ「刑事ヴァランダー」シリーズの脚本家と共同で制作し、両国で2011年に放送がスタート。イギリスでも人気を博し、BBC 4でのシーズン2第1話初回放送の視聴者数は150万人を超えた。これは、「THE KILLING/キリング」「コペンハーゲン 首相の決断」を大きく上回る北欧シリーズの最多視聴者数となった。

そんな本作では、スウェーデンの女性捜査官サーガ・ノレーン(ソフィア・ヘリン)とコペンハーゲン署の刑事マーティン・ローデ(キム・ボドゥニア)を中心とした両国の警察が合同捜査にあたるため、セリフにはスウェーデン語とデンマーク語が半分ずつ使われている。隣り合ってはいるものの、言葉も国民性も異なる両国。おおらかなデンマークに対し、どちらかというと生真面目なのがスウェーデンだ。サーガとマーティンもそれぞれの違いに最初は苛立ちを感じつつ、次第に名コンビぶりを発揮していく。

ちなみに海外では本作のリメイク作品も制作されている。アメリカのリメイク版「ブリッジ ~国境に潜む闇」ではアメリカとメキシコの国境を舞台に、テキサス警察殺人課警部ソニア・クロス(ダイアン・クルーガー)とメキシコ警察のマルコ・ルイス(デミアン・ビチル)が連続殺人犯を追う。

また、イギリスとフランス合作の「THE TUNNEL/トンネル」もリメイク作品の一つで、英仏海峡トンネルに残された仏政治家の遺体をきっかけに、フランス・カレーの警部エリース・ワッサーマン(クレメンス・ポエジー)と、イギリス・フォークストンの刑事カール・ローバック(スティーブン・ディレン)が合同で捜査するというもの。世界各国でリメイクされていることからも、「THE BRIDGE/ブリッジ」の人気の高さがうかがえる。

「THE KILLING/キリング」ファンおなじみの俳優陣が多数出演

本作の魅力の一つは、サーガの個性的なキャラクターだ。レザーパンツとブーツというスタイルで愛車のポルシェを乗り回す彼女は、行動力があり、思ったことをそのまま口に出せる意思の強い女性だ。大学でも成績はトップクラスで頭脳明晰だが、人の表情を読み取れないという一面も持つ。一見冷淡にみえる彼女だが、マーティンと出会い、少しずつ社会性を学びながら心を通わせていく姿にも注目だ。

サーガを演じたソフィア・ヘリンは、サーガについて「最初にこの役をいただいた時には、私という人間とあまりにも違っていて理解できず、本当に戸惑いました」と語っている。サーガが罹っていたと思われるアスペルガー症候群について研究したというソフィアは、普段から彼女だったらどうするか考えながら振舞い、役作りに活かしたという。

そんなサーガに寄り添うマーティン役のキム・ボドゥニアは、「THE KILLING/キリング」シーズン1にサラ・ルンド(ソフィー・グローベール)を追求する検事局のビーロウ役で出演している。「THE KILLING/キリング」シリーズからはほかにも、シーズン2で国会議員トマス・ブク役を演じていたニコラス・ブローが事件に深く関わることになるフレディ役で、シーズン3でカンパ首相を演じていたオーラフ・ヨハネセンが犯行現場の会社のオーナー役で出演するなど、「THE KILLING/キリング」ファンおなじみの俳優陣が多数出演しているので要チェックだ。

社会が抱える問題を提起する“モラル・テロリスト”による連続殺人事件が発生

シーズン1では、デンマークとスウェーデンをつなぐオーレスン橋で死体が発見される。死亡したのはスウェーデンの市議会議員シャスティン・エークヴァルで、上半身はスウェーデン側、下半身はデンマーク側にあった。しかし、検死の結果下半身は1年前に行方不明になったデンマークの娼婦のものであることが判明する。「真実を守る者」と名乗る犯人は、政治家が死ぬと警察はすぐに動くのに、娼婦は13カ月たっても行方不明のままだったことに対し、法は不平等だと主張。こうして社会が抱える5つの問題を提起していくというのだ。

警察の追跡を軽々とかわしながら殺人を続ける犯人を追うため、二国の警察が合同捜査を開始。デンマーク警察からは、人情派のマーティン・ローデ刑事、スウェーデン警察からは、頭脳明晰な女性刑事サーガ・ノレーンが捜査を率いる。捜査を進めるうちに、マーティンはこの事件に妙な胸騒ぎを感じ始め、サーガは犯人が警察内部に通じていることを確信する――。

シーズン2では、あの事件から13カ月後、再びオーレスン橋で事件が起こる。海峡を航行していたファクスボ号が航路を外れオーレスン橋の橋脚に衝突。船から鎖で繋がれたデンマーク人とスウェーデン人の若い男女5人が発見され収容されるが、肺ペストを発症して死亡する。何者かが意図的に感染させたようだ。やがて、キツネ、ブタ、ネズミ、ウサギのマスクをかぶった4人組の犯行声明動画がネットで公開される。人間による環境破壊を訴える犯人たちは、ペスト菌や毒入り食品、爆破事件、貯水池の薬品汚染など、犯行をエスカレートさせていく。

捜査チームは、4人の過激派に行き着き、やがて捜査線上に大手製薬会社・メディソーヌスの関与が浮上する。捜査にあたっていたサーガは迷わずマーティンに連絡をとる。息子を失い深い悲しみの中にいたマーティンだったが、友人で恩人でもあるサーガからの連絡に、周囲の反対を押し切って現場復帰を決意し、「真実のテロリスト」との面会に通い始める――。

マーティンの罪を告発したことで、唯一の友人を失ってしまうサーガ

シーズン3では、スウェーデンのとある工事現場にマネキンで再現された2人の子どもと両親による食卓が突如あらわれる。しかしその中の一つはマネキンではなく人間の死体だった。スウェーデン・マルメ県警のサーガが捜査にあたるが、被害者がデンマーク人のヘル・アンカーという女性だったため、コペンハーゲン警察からハンネ・トムセン刑事が派遣される。

13カ月前、サーガは唯一の友人であったマーティンの罪を告発していた。結果として彼女は友人を失ったが、警察官として正しい判断であったと納得している。ハンネは同僚であるマーティンの罪を告発したサーガを良く思わないまま2人での捜査に乗り出すことに。被害者はジェンダー・ニュートラルの保育園を運営するLGBT活動家で敵が多かったようだが――。

シーズン4は、デンマーク入国管理局の局長マーガレテ・トアモウが、首から下が埋まったまま石打ちの刑で殺害されるというショッキングな事件で幕を開ける。最近イラン人同性愛者ターリックの国外退去を決定した後に祝杯をあげ非難されていたことから、それが犯行の動機かと思われた。ヘンリック・セアボー(トゥーレ・リントハート)は、サーガにかわり新しくパートナーとなった刑事ヨナス・マンドロップ(ミケル・ビアクケーア)と共に捜査を開始する。

ヘンリックはとある事件で服役しているサーガの元を訪れマーガレテ殺害事件への協力を仰ぐが、サーガは首を横に振る。同僚であり友人でもある彼女を恋しく思っていたヘンリックは、行方不明の娘たちを一緒に探してほしいと願うが、サーガは自分はもう警察官ではないと頑なに拒むのだった――。

サーガとマーティンという、国も性格も異なるパートナーの関係性の行方も気になる本作。動画配信サービス・Huluでは、「THE BRIDGE/ブリッジ」シーズン1~4まで見放題配信中。

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