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「この世は地獄だ」死産を選んだ母の悲しみと後悔【漫画家インタビュー】

  • 2024.11.15

念願の2人目の妊娠だったのに、あんなことになるなんて――。日常の出来事や気づきを描いた「日常観察マンガ」が人気の桜木きぬさん(@kinumanga)は、長男と夫の3人暮らし。2人目を考えてから数年後に妊娠がわかり喜んだのも束の間、医師から染色体異常の可能性があると伝えられる。過去に流産した経験から、子どもを失うつらさを知っていたきぬさんは、一度は出産を決意するが……。 母の葛藤と命の輝きをリアルに描いた『わたしが選んだ死産の話』(医療法人財団順和会山王病院病院長/国際医療福祉大学グループ産婦人科統括教授・藤井知行氏監修)は、きぬさんが自身の体験をもとに描いたエッセイ漫画だ。第8話では、産後1日で第一子を亡くしたきぬさんの母親が、涙ながらに慰めの言葉を投げかける。著者のきぬさんに、2人目の子を死産した当時の心境を聞いた。

「よくなかったんじゃないのか」と後悔も

――お母様が40年前に第一子を亡くしたことを話した際、率直にどんなことを思いましたか?

「今ここで?」と、ビックリしましたね。娘のことで泣いていないのが、いかにもうちの母らしいな、と。母はマイペースなタイプで、悪く言えば雑なところもありますが、その大雑把さに救われたと思います。

――「不安定になっていた」という夜について、旦那様とどんな話をしましたか?

夫はもともと無口なタイプなので、彼の方から何かを話しかける、ということはありませんでしたね。ふたりで病室のテレビを見ながら気を紛らわせていました。悲しい気持ちが湧き出てきて「死産はよくなかったんじゃないのか」「こんなことをしたらダメだったんじゃないのか」と度々パニックになるわたしを、なだめてくれていました。

――葬儀までの3日間、どのように過ごしましたか?

胎盤と子宮を縮める薬を飲まなければいけなかったのですが、飲むとおなかが痛くなるので本当につらかったです。赤ちゃんに会えるという喜びがあるから産前産後の痛みも我慢できるのに、それがなく、ただただ痛みを受け止め続けるのは本当にしんどい時間でした。体調は最悪でしたが、実家の母がいてくれたので、家のことをお願いしつつ、夫も仕事へ戻り、少しずつ日常に戻りかけていました。 命について静かに問いを投げかけてくれる『わたしが選んだ死産の話』。きぬさんがどのように死産という選択に至り、その事実と向き合ったのかをご覧いただきたい。

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